虐待死から3年 2022.1.24  栗原心愛さん

2022-01-25 | 身体・生命犯 社会

虐待死から3年、心愛さん忘れない 歌い続ける児童養護施設園長
 2022年1月24日 中日新聞
 二〇一九年一月に千葉県野田市の小学四年栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=が父親から虐待を受け、死亡した事件から二十四日で三年。虐待を受けた経験のある子どももいる千葉市中央区の児童養護施設「千葉みらい響(ひびき)の杜(もり)学園」の園長渡部靖久さん(62)は、心愛さんへの思いを歌にし、若者や施設の子どもたちに向けて歌い続けている。「事件を風化させてはいけない」と。 
 歌のタイトルは「心愛ちゃんに捧(ささ)げる詩(うた)」。「ごめんね 心が痛みます」「二度とこんな悲しい出来事 起こさない」と思いを歌う。
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 渡部さんは、児童自立支援施設の職員などを経て県内に児童養護施設や自立援助ホームなど六施設を設立。これまでも自身や教え子の思いをつづった歌を約二十曲作り、子どもらに聴かせてきた。
 心愛さんの歌を作ったのは事件直後。心愛さんは亡くなる前に学校のアンケートで父親からの暴力を訴えていたが、学校や児童相談所など関係機関の連携不足により十分な対応がされなかった。「事件が起きたのは大人の責任。忘れてはいけないことを歌にしよう」
 心愛さんに向けた言葉を思うままにつづった。「大人に思いが届かなかったことが、どんなにつらく、悔しかったことだろう」。完成した曲は、施設の子どもや見学者、短大の授業の受講生らに年十回ほど披露している。
 施設の子どもの多くは虐待を受けた経験があり、心愛さんの歌を聴かせることは「当時の経験を思い出させてしまうのではないか」とためらいもあった。だが、「皆を助けたいと本気で思っている大人はいる」というメッセージを伝えたいと思っている。
 今月八日夜、渡部さんは施設の子ども約三十人を前に命の大切さを教える授業を行った。「三年前の今の時期、(父親に)お風呂場で冷たい水を浴びせられて、亡くなった女の子がいました」と語り、歌を披露。「みんなとこれからも、ともに生きたい」と伝えた。
 授業後、高校一年の男子生徒(16)は「自分が生きる使命を見つけたい」と涙を流した。小学校高学年の女子児童は、その日の日記に「私も家にいたら心愛さんみたいに大人の人に簡単に命をうばわれてしまうのかな〜!でも私は簡単に命をうばわれてでも良いのでいつ死ぬのかわからない人生を家族で生きたいです」と書いた。
 厚生労働省によると、二〇二〇年度の児童相談所での虐待相談対応件数は約二十万五千件で過去最多を更新。渡部さんは「親だけではなく、地域の皆で子育てをすることが大切。子どもが大人にたたかれる心配もなく、安心して休める社会になってほしい」と訴える。(鈴木みのり)

 ◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です
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* 「てめえ、早く会社行けよ!」「未来のあなたを見たいです。あきらめないでください」心愛さんは、言葉の力を熟知して使っている。その賢さが…

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* 野田小4虐待死1年 心愛さん、届かなかった「自分への手紙」 2020.2.24

 
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