在宅介護 「限界」7割 家族の負担浮き彫り 毎日新聞調査 (東京朝刊2016/4/4)

2016-04-04 | Life 死と隣合わせ

在宅介護 「限界」7割 家族の負担浮き彫り 毎日新聞調査
毎日新聞2016年4月4日 東京朝刊
 自宅で家族を介護している人の約7割が精神的・肉体的に限界を感じていたことが毎日新聞の調査で分かった。約2割は介護疲れなどから殺人・心中を考えたことがあるとし、被介護者に暴力をふるった経験を持つ人も2割を超えた。負担や孤立に悩みながら、愛する家族を支える介護者の姿が浮かび上がった。
 毎日新聞は1〜2月、介護者支援に取り組む全国の8団体を通じ、在宅介護者にアンケートを実施し、245人(男性62人、女性181人、性別不明2人)から回答を得た。
 介護によって精神的・肉体的に限界を感じたことが「ある」とした人は73%(179人)に上った。全体の22%(54人)は介護中に被介護者に暴力をふるった経験があると回答した。
 さらに、介護している家族を殺してしまいたいと思ったり、一緒に死のうと考えたりしたことがあると答えた人も約2割(48人)いた。どんな時に殺人・心中を考えたかを尋ねると(複数回答)、77%は「介護に疲れ果てた時」と答えた。
 介護による不眠状態が「続いている」(42人)と「時々ある」(104人)を合わせると、全体の約6割に上った。この146人に、一晩に起きる平均回数を尋ねたところ、1〜3回が約7割(104人)を占め、4〜9回も14%(20人)いた。不眠状態が続いている人の38%(16人)、時々ある人の22%(23人)が殺人・心中を考えた経験があると答えていた。
 認知症などの症状のために夜間の介助が必要な人は多く、介護者も不規則な生活を強いられる。在宅介護の現場では、介護者の不眠状態が深刻な問題の一つであることを裏付けた。
 回答者の年代は60代以上が69%を占め、50代は22%だった。介護年数は「5年以上10年未満」の24%が最多で、「3年以上5年未満」(22%)が続いた。「10年以上」も19%いた。【渋江千春、向畑泰司】
*調査の方法
 8団体を通じて在宅介護者約1000人にアンケート用紙を配り、245人から回答を得た。選択式の質問の他、自由記述欄も設けた。
 8団体は次の通り。
 栗山町社会福祉協議会(北海道栗山町)▽介護者サポートネットワーク・ケアむすび(宮城県塩釜市)▽杉並介護者応援団(東京都杉並区)▽てとりん(愛知県春日井市)▽つどい場げんごろう(大阪府八尾市)▽つどい場さくらちゃん(兵庫県西宮市)▽男性介護者の会ぼちぼち野郎(同県三田市)▽認知症の人と家族の会福岡県支部(福岡市)

 ◎上記事は[毎日新聞]からの転載・引用です *強調(太字・着色)は来栖
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【介護社会】 埋もれる孤独  介護殺人・心中
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