遠隔操作ウイルスに感染したパソコンから犯行予告が書き込まれた事件 都内の30歳男を逮捕

2013-02-10 | 社会

遠隔操作事件 都内の30歳男を逮捕
 NHK NEWS WEB 2月10日 10時0分
 遠隔操作ウイルスに感染したパソコンから犯行予告が書き込まれた事件で、警視庁などの合同捜査本部は、都内に住む30歳の男が漫画のイベントでの殺人予告をインターネットの掲示板に書き込んだ疑いが強まったとして、威力業務妨害の疑いで逮捕しました。
 調べに対し男は「まったく事実ではありません」と容疑を否認しているということです。
 警視庁などは4人の男性が誤認逮捕された一連の事件に男が関わったとみて、詳しい経緯や動機などの解明を進めることにしています。
 逮捕されたのは、東京・江東区に住む片山祐輔容疑者(30歳)です。
 ウイルスに感染したパソコンなどが遠隔操作されて無差別殺人などの犯行予告が書き込まれた一連の事件では、合わせて4人の男性が誤認逮捕されました。
 その後、真犯人とみられる人物から報道機関などに犯行声明のメールが送りつけられ、先月5日には神奈川県・江の島の猫の首輪から遠隔操作ウイルスのプログラムなどが入った記憶媒体のマイクロSDカードが見つかりました。
 警視庁などが、猫がいた場所の近くにある防犯カメラの映像を調べたところ、猫に近づく不審な男の姿がとらえられていて、周辺のカメラに映っていたバイクなどの映像などから片山容疑者とみられることが分かったということです。
 さらに、その後の捜査で、インターネットの接続記録などから、片山容疑者が去年8月、名古屋市にある会社の社員のパソコンを遠隔操作して、インターネットの掲示板に都内で開かれる漫画のイベントでの殺人予告を書き込んだ疑いが強まったとして、10日朝、自宅にいた片山容疑者を威力業務妨害の疑いで逮捕しました。
 片山容疑者を乗せた車は午前9時前に捜査本部が置かれている東京・千代田区の麹町警察署に入り、片山容疑者は頭から上着のフードをかぶってうつむいていました。
 調べに対し、片山容疑者は「まったく事実ではありません」と容疑を否認しているということです。
 警視庁などによりますと片山容疑者は以前、インターネットを使った脅迫事件などで逮捕され、実刑判決を受けています。
 江の島で見つかったマイクロSDカードのファイルには、「以前、事件に巻き込まれたせいで、無実にも関わらず人生の大幅な軌道修正をさせられた」と警察や検察への恨みととれる内容が書き込まれていました。
 警視庁などは片山容疑者が一連の事件に関わったとみて、詳しい経緯や動機などの解明を進めることにしています。
 男は関わった疑いがもたれているのは、名古屋市の自動車部品製造会社の社員のパソコンが遠隔操作され犯行予告が書き込まれた事件です。
 インターネットの掲示板「2ちゃんねる」に去年8月、東京・江東区の東京ビッグサイトで開催された漫画の大規模なイベントで、「大量殺人する」という犯行予告が書き込まれました。
 イベントは開催されましたが、警備員の数を増やすなど業務に支障が出たということで主催者側から連絡を受けた警視庁が、威力業務妨害の疑いで捜査していました。
 警視庁は、書き込みが名古屋市にある会社の社員のパソコンから発信されたことを突き止め捜査を進めたところ遠隔操作ウイルスに感染していることが分かったということです。
 去年10月に送られた犯行声明のメールの中では、この社員のパソコンを遠隔操作して犯行予告の書き込みをしたことも明らかにしていました。
 またこの社員のパソコンをのぞき見て社内のものとみられる多数の文書のタイトルを閲覧できるようにしていました。
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解説・なぜ容疑者を特定できたのか
 NHK NEWS WEB 2月10日
 大きく動いた遠隔操作ウイルス事件。警察はなぜ容疑者を特定することができたのか。捜査のポイントを社会部の藤本智充記者が解説します。
■防犯カメラ映像で捜査が“リアル空間”へ
 最大の決め手となったのは、防犯カメラからの捜査でした。
 合同捜査本部は、当初、遠隔操作や犯行声明とみられるメールが、どこから送信されていたのかを調べました が、発信元の特定を難しくする特殊なソフトが使われるなどしており捜査は難航しました。
 しかし、先月になって真犯人を名乗る人物から報道機関などに再びメールが送りつけられたことで、捜査は急展開します。
 先月5日のメールには、「新春パズル」という名前のクイズが書き込まれており、これを解いていくと、神奈川県の江の島にいるネコの首輪に記憶媒体を取り付けたことを示す写真が掲載されていました。
 合同捜査本部が調べたところ、実際に、江の島でよく似たネコの首輪からマイクロSDカードが見つかり、さらに、近くの防犯カメラに猫に近づく不審な男が映っていたのです。
 周辺にある駅などの防犯カメラの映像をさらにたどっていくことで、記憶媒体を取り付けたとみられる男を特定し、裏付け捜査を進めた結果、遠隔操作事件にも関わった疑いが強まったということです。
 男の動きがサイバー空間から、警察の従来の捜査手法が生かせる現実の世界に移ったことで、捜査は大きな展開を見せました。
■ポイントは手口と動機解明
 今後の焦点は、警察に4人の男性を誤認逮捕させるに至った犯行の詳しい手口と動機の解明です。
 まず手口について、合同捜査本部では遠隔操作ウイルスが作られた経緯や、ウイルスを使った遠隔操作の具体的な手口などの捜査を進める方針です。
 男の自宅などの捜索を行い、パソコンなどを押収し犯行の詳しいいきさつを調べることにしています。
 犯行の動機については、弁護士などに送りつけられた犯行声明のメールの中に、動機をうかがわせる文章があります。
 この中では「警察・検察をはめてやりたかった、醜態をさらさせたかったという動機が100%です」などと書かれていました。
 さらに、「警察・検察のかたへ、あそんでくれてありがとう。またいつかあそびましょうね」などと、捜査当局を挑発するような内容も書かれていました。
 こうしたことから、男は警察や検察に対して何らかの恨みを持っていた可能性があります。
 合同捜査本部では男から詳しく事情を聞いて、動機の解明を進める方針です。
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ネコの受難 脱獄の手助けをさせられそうになったネコ(ブラジル)/ネコの首輪から「記録媒体」(江の島) 2013-01-08 | 社会 
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