
プリウスのブレーキ不具合、米で苦情100件 国内でも14件
【ニューヨーク=小高航】トヨタ自動車が昨年発売したハイブリッド車の新型「プリウス」について、ブレーキの不具合に関する苦情が米運輸省高速交通安全局(NHTSA)に100件以上寄せられていることが3日わかった。滑りやすい路面などで低速で走っていると1秒前後ブレーキが利かなくなるという。トヨタは「北米や日本の販売店から報告を受けているが、技術関係を確認中なので現時点でコメントは差し控える」(広報部)としている。
苦情が寄せられているのは昨年5月に発売したプリウス。米国で販売された最新型は日本で生産している。
NHTSAによるとプリウスのブレーキの不具合に関する苦情件数は2日夕方までに102件。うち追突などの事故は4件で、うち2件でけが人が出た。「ブレーキを踏んだが減速できなかった」「道路のくぼみを通過する時にブレーキが利かなくなる」などの報告がある。日本でも同車種について1月末時点で国土交通省に14件の苦情(うち1件は事故報告)が寄せられている。日経新聞(2010/1/3/12:26)
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【自動車産業ニュース】
新型プリウス苦情130件 ブレーキ不具合、すべて国内生産
2010年2月3日
【ニューヨーク=阿部伸哉】トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」の最新モデルで、ブレーキが一時的に利かなくなるとの苦情が米道路交通安全局(NHTSA)に120件余り寄せられていることが分かった。日本国内でも、同様の苦情が国土交通省に14件寄せられ、千葉県松戸市では昨年7月、2人の軽傷者を出す事故があったとの情報があるという。事態を重くみた同省はトヨタに調査を指示した。
プリウスの最新モデルは国内では2009年5月の発売。米国でも同月末から販売されている。国内、海外の販売分とも、すべて国内で生産されており、生産はトヨタの堤工場(愛知県豊田市)と、トヨタ車体富士松工場(同県刈谷市)の2工場で行われている。
NHTSAが公表している自動車の苦情一覧によると、最新モデルが発売された直後の昨夏から今月2日までに、ブレーキに関係する苦情は123件に上っている。
内容はほぼ共通しており、路面の大きなくぼみの衝撃を受けた時や、雪道など滑りやすい路面を運転中、一時的に「ブレーキが抜けた感じになる」「ブレーキを踏んでも勝手に加速する感じがする」と申し立てている。
トヨタの「カローラ」最新型ではブレーキ関連の苦情は2件。ホンダ「シビック」ではゼロなど、他メーカーの同クラスの車種ではほとんど同様のブレーキ関連の苦情は見当たらず、プリウス最新型に対する苦情件数は際だっている。プリウスの旧モデルでは同様の苦情は7件にとどまっており、NHTSAも急増の理由に関心を寄せている。NHTSAは本紙に「技術担当者が精査している最中。すべての苦情を真剣に受け止めている」とコメントした。
【プリウスのブレーキ】 プリウスは、ガソリンエンジンと電気モーターを使うハイブリッド車で、通常のガソリン車に採用されている油圧ブレーキと、減速時の力を使って発電し、電気を蓄える「回生ブレーキ」を併用している。無駄なエネルギーを再利用するので、燃費の向上につながる。だが、今回のブレーキの苦情では、この2種類のブレーキの連動に何らかの問題があったのではないかとの見方も出ている。
◆「事実関係を調査」
トヨタ自動車は3日、ハイブリッド専用車「プリウス」のブレーキに対する苦情が国内と米国で相次いでいることについて「苦情は既に北米や日本の販売店から報告を受けているが、事実関係を確認中であるため、現時点でのコメントは差し控えたい」と説明した。
トヨタによると、販売店からの苦情は昨年末、日本と北米の販売店を経由して、計数十件が寄せられている。「凹凸がある道路や凍結路の走行時にブレーキを踏んでも、利きが悪く感じる」との内容が多いという。
プリウスの最新モデルは最低価格を205万円に引き下げたことや、エコカー減税などの支援策が追い風になり、国内では2009年5月の発売から12月までの約半年で20万8876台を販売、09年の車名別新車販売台数のトップになった。現在の受注分の納車は6月中旬以降になっている。
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トヨタ、米新車販売15%減 1月、月末からの停止響く
【ニューヨーク=小高航】2日まとまった1月の米新車販売台数は69万8346台と、前年同月に比べ6.3%増えた。市場が回復に向かう中、トヨタ自動車は15.8%減と、大規模リコール(回収・無償修理)に伴う主力8車種の販売停止の影響が表れた。米フォード・モーターなど米大手は2ケタ増だった。トヨタはリコール対応を優先する姿勢を示しているが、対応が長引けば販売や業績への影響が深刻化することになりそうだ。
米調査会社オートデータによると、1月の市場規模は年率換算で1078万台と、4カ月連続で1000万台を上回った。前年比での増加は、2009年1月が経済危機の影響で約28年ぶりの低水準だった反動もあるが、新車市場の回復基調は鮮明になっている。
シェアも大きく変動した。トヨタは14.1%と前年同月から3.8ポイント下落。一方、GMが1.5ポイント、フォードが2.4ポイントシェアを伸ばした。トヨタは7カ月ぶりにフォードに米2位の座を譲り3位となった。トヨタのシェアは約4年ぶりの低水準という。(日経新聞2010/1/3/11:06)
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【自動車産業ニュース】
トヨタ、15%減で3位転落 1月の米新車販売
2010年2月3日
【ニューヨーク=阿部伸哉】米調査会社オートデータが2日発表した1月の米新車販売台数によると、アクセル不良による大量リコール(無料の回収・修理)で販売を停止したトヨタ自動車は前年同月比15・8%減となり、4カ月ぶりに減少に転じた。
米国市場全体では、前年同月比6・3%増の69万8346台と、3カ月連続の増加。回復基調の市場で目立った落ち込みとなった。
トヨタは先月21日発表のリコールに伴い、「カムリ」「カローラ」など主力8車種の販売を同26日から停止中。トヨタの販売の6割近くを占めるこの8車種はすべて減少。特に昨年まで8年連続で米市場の販売首位だった「カムリ」はリコールのあおりをまともに受け、24%の大幅減となった。
トヨタ全体の販売台数では、米フォード・モーターに抜かれ、3位に転落。首位は米ゼネラル・モーターズ(GM)だった。今後も米議会などで問題追及の動きが強まることは確実で、当面はブランド力低下と販売への打撃を避けられそうにない。
一方、米メーカーではGMが14・6%増、フォード・モーターが24・4%増とそれぞれ伸ばした。日本勢ではホンダは5・0%減だったが、日産自動車は16・1%増に。韓国の現代自動車が24・4%増と大幅に伸ばした。
【ニューヨーク=小高航】トヨタ自動車が昨年発売したハイブリッド車の新型「プリウス」について、ブレーキの不具合に関する苦情が米運輸省高速交通安全局(NHTSA)に100件以上寄せられていることが3日わかった。滑りやすい路面などで低速で走っていると1秒前後ブレーキが利かなくなるという。トヨタは「北米や日本の販売店から報告を受けているが、技術関係を確認中なので現時点でコメントは差し控える」(広報部)としている。
苦情が寄せられているのは昨年5月に発売したプリウス。米国で販売された最新型は日本で生産している。
NHTSAによるとプリウスのブレーキの不具合に関する苦情件数は2日夕方までに102件。うち追突などの事故は4件で、うち2件でけが人が出た。「ブレーキを踏んだが減速できなかった」「道路のくぼみを通過する時にブレーキが利かなくなる」などの報告がある。日本でも同車種について1月末時点で国土交通省に14件の苦情(うち1件は事故報告)が寄せられている。日経新聞(2010/1/3/12:26)
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【自動車産業ニュース】
新型プリウス苦情130件 ブレーキ不具合、すべて国内生産
2010年2月3日
【ニューヨーク=阿部伸哉】トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」の最新モデルで、ブレーキが一時的に利かなくなるとの苦情が米道路交通安全局(NHTSA)に120件余り寄せられていることが分かった。日本国内でも、同様の苦情が国土交通省に14件寄せられ、千葉県松戸市では昨年7月、2人の軽傷者を出す事故があったとの情報があるという。事態を重くみた同省はトヨタに調査を指示した。
プリウスの最新モデルは国内では2009年5月の発売。米国でも同月末から販売されている。国内、海外の販売分とも、すべて国内で生産されており、生産はトヨタの堤工場(愛知県豊田市)と、トヨタ車体富士松工場(同県刈谷市)の2工場で行われている。
NHTSAが公表している自動車の苦情一覧によると、最新モデルが発売された直後の昨夏から今月2日までに、ブレーキに関係する苦情は123件に上っている。
内容はほぼ共通しており、路面の大きなくぼみの衝撃を受けた時や、雪道など滑りやすい路面を運転中、一時的に「ブレーキが抜けた感じになる」「ブレーキを踏んでも勝手に加速する感じがする」と申し立てている。
トヨタの「カローラ」最新型ではブレーキ関連の苦情は2件。ホンダ「シビック」ではゼロなど、他メーカーの同クラスの車種ではほとんど同様のブレーキ関連の苦情は見当たらず、プリウス最新型に対する苦情件数は際だっている。プリウスの旧モデルでは同様の苦情は7件にとどまっており、NHTSAも急増の理由に関心を寄せている。NHTSAは本紙に「技術担当者が精査している最中。すべての苦情を真剣に受け止めている」とコメントした。
【プリウスのブレーキ】 プリウスは、ガソリンエンジンと電気モーターを使うハイブリッド車で、通常のガソリン車に採用されている油圧ブレーキと、減速時の力を使って発電し、電気を蓄える「回生ブレーキ」を併用している。無駄なエネルギーを再利用するので、燃費の向上につながる。だが、今回のブレーキの苦情では、この2種類のブレーキの連動に何らかの問題があったのではないかとの見方も出ている。
◆「事実関係を調査」
トヨタ自動車は3日、ハイブリッド専用車「プリウス」のブレーキに対する苦情が国内と米国で相次いでいることについて「苦情は既に北米や日本の販売店から報告を受けているが、事実関係を確認中であるため、現時点でのコメントは差し控えたい」と説明した。
トヨタによると、販売店からの苦情は昨年末、日本と北米の販売店を経由して、計数十件が寄せられている。「凹凸がある道路や凍結路の走行時にブレーキを踏んでも、利きが悪く感じる」との内容が多いという。
プリウスの最新モデルは最低価格を205万円に引き下げたことや、エコカー減税などの支援策が追い風になり、国内では2009年5月の発売から12月までの約半年で20万8876台を販売、09年の車名別新車販売台数のトップになった。現在の受注分の納車は6月中旬以降になっている。
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トヨタ、米新車販売15%減 1月、月末からの停止響く
【ニューヨーク=小高航】2日まとまった1月の米新車販売台数は69万8346台と、前年同月に比べ6.3%増えた。市場が回復に向かう中、トヨタ自動車は15.8%減と、大規模リコール(回収・無償修理)に伴う主力8車種の販売停止の影響が表れた。米フォード・モーターなど米大手は2ケタ増だった。トヨタはリコール対応を優先する姿勢を示しているが、対応が長引けば販売や業績への影響が深刻化することになりそうだ。
米調査会社オートデータによると、1月の市場規模は年率換算で1078万台と、4カ月連続で1000万台を上回った。前年比での増加は、2009年1月が経済危機の影響で約28年ぶりの低水準だった反動もあるが、新車市場の回復基調は鮮明になっている。
シェアも大きく変動した。トヨタは14.1%と前年同月から3.8ポイント下落。一方、GMが1.5ポイント、フォードが2.4ポイントシェアを伸ばした。トヨタは7カ月ぶりにフォードに米2位の座を譲り3位となった。トヨタのシェアは約4年ぶりの低水準という。(日経新聞2010/1/3/11:06)
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【自動車産業ニュース】
トヨタ、15%減で3位転落 1月の米新車販売
2010年2月3日
【ニューヨーク=阿部伸哉】米調査会社オートデータが2日発表した1月の米新車販売台数によると、アクセル不良による大量リコール(無料の回収・修理)で販売を停止したトヨタ自動車は前年同月比15・8%減となり、4カ月ぶりに減少に転じた。
米国市場全体では、前年同月比6・3%増の69万8346台と、3カ月連続の増加。回復基調の市場で目立った落ち込みとなった。
トヨタは先月21日発表のリコールに伴い、「カムリ」「カローラ」など主力8車種の販売を同26日から停止中。トヨタの販売の6割近くを占めるこの8車種はすべて減少。特に昨年まで8年連続で米市場の販売首位だった「カムリ」はリコールのあおりをまともに受け、24%の大幅減となった。
トヨタ全体の販売台数では、米フォード・モーターに抜かれ、3位に転落。首位は米ゼネラル・モーターズ(GM)だった。今後も米議会などで問題追及の動きが強まることは確実で、当面はブランド力低下と販売への打撃を避けられそうにない。
一方、米メーカーではGMが14・6%増、フォード・モーターが24・4%増とそれぞれ伸ばした。日本勢ではホンダは5・0%減だったが、日産自動車は16・1%増に。韓国の現代自動車が24・4%増と大幅に伸ばした。