米、シリアに巡航ミサイル アサド政権に初の攻撃 2017/4/7 ■『暗闘』山口敬之著 幻冬舎刊

2017-04-07 | 国際

米中首脳会談 1日目は信頼関係構築に努める
NHK NEWS WEB 2017/4月7日 12時43分
 アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席による初めてとなる米中首脳会談が南部フロリダ州で始まり、両首脳は夫人を交えて夕食会を開き、信頼関係の構築に努めました。
夕食会の終了直後、トランプ政権はシリア国内にあるアサド政権の軍事施設を巡航ミサイルで攻撃するという異例の展開となるなか、首脳会談は2日間の日程で行われる予定です。
 トランプ大統領と習主席との初めての首脳会談は6日(日本時間7日)、フロリダ州にある大統領の別荘で始まりました。
トランプ大統領は、メラニア夫人とともに、習主席と彭麗媛夫人が別荘に到着すると入り口で出迎えました。続いてトランプ大統領と習主席2人が並んでソファーに座り、2日間にわたる首脳会談がスタートしました。
 夜は、別荘でおよそ30人が出席して夕食会が行われ、トランプ大統領夫妻が習主席夫妻をもてなし、習主席夫妻の隣にはトランプ氏の長女、イバンカ氏とクシュナー大統領上級顧問夫妻が並びました。
 夕食会の冒頭、トランプ大統領は「習主席とすばらしい夫人をお迎えして大変光栄だ。すでに長時間論議しているが、今のところ収穫はない。でもわれわれは友情関係を築いており、今後も発展させていく」と述べたのに対して、習主席も笑顔で応え、夕食会は和やかな雰囲気の中でおよそ1時間30分余りにわたって日本時間の7日午前9時半ごろまで行われました。初日の首脳会談は初の顔合わせとなったため、両首脳は、まずは関係の構築に努めたもようです。
 一方、アメリカのトランプ政権は、夕食会の終了直後、シリア国内にあるアサド政権の軍事施設を巡航ミサイルで攻撃するという異例の展開となりました。
 首脳会談は2日間の日程で行われる予定で、核とミサイルの開発を続ける北朝鮮への対応や貿易不均衡の是正などをめぐり、どのようなやり取りが交わされるのかが焦点です。

 ◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です
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〈来栖の独白 2017.4.7 Fri 〉
 このたびのシリア軍事施設攻撃はアサド政権への攻撃は無論であるが、いま一つ、習近平に対するアメリカの力の誇示という意味あいがあると思う。覇権主義的海洋進出を繰り返す習近平のアメリカ訪問に、アメリカがおのが「総合国力」を見せつけぬはずがない。

  

『暗闘』山口敬之著 幻冬舎刊 2017年1月25日 第1刷発行
p87~
 「総合国力」とは、経済・教育・技術・人的資源・研究開発といった国家が持つ個々の力に軍事力を総和した値のことで、ある国とある国が戦った場合は、総合国力の強い方が必ず勝つという考え方である。そしてこの考え方に立てば、総合国力で一方が明らかに他方を凌駕していれば、総合国力に劣る国は戦争という選択ができなくなるというのである。この発想の根底には、「戦わずして人の兵を屈するは善の善なり」という「孫子の兵法」があり、現在の中国指導層や人民解放軍幹部にもそれが連綿と受け継がれていると指摘する。
 これに関してナヴァロは、中国人民解放軍軍事科学院の戦略家・呉春秋の言葉を引用している。
 「戦わずして勝つとは、全く戦わないことを意味するものではない。政治戦、経済戦、科学・技術戦、外交戦など戦わなければならない戦争は数々ある。これを一言でまとめれば、総合国力戦である」
 さらにナヴァロは、中国が総合国力を 算定する際の方程式にも言及しており、ペンタゴンのアナリストの言葉を引用して、中国では軍事力は総合国力の10パーセント程度にしか評価されていないものと推定している。
 この考え方に基づいて中国側の戦略を分析し、米中両国の総合国力を中国流に算出した(p87~)結果、トランプ政権は「現段階では総合国力でアメリカは中国をはるかに上回っていて」「中国側も同じ認識を持っている」と断じた。中国が「総合国力が強い方が必ず勝つ」と信じている以上、米国の総合国力が中国を上回っている限りにおいては、中国はアメリカとの全面的な武力衝突を回避すると見切っているのである。

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米、シリアに巡航ミサイル アサド政権に初の攻撃 
日本経済新聞 2017/4/7 12:58
 【ワシントン=川合智之】トランプ米大統領は6日、サリンなどの化学兵器を使用したとみられるシリアに対し、米軍に攻撃を命じたと発表した。米軍によると米東部時間6日午後8時40分(現地時間7日午前4時40分)、地中海の米海軍艦船からシリアの空軍基地に59発の巡航ミサイル「トマホーク」を発射した。アサド政権に対し米が実施した初の攻撃となる。アサド政権を支援するロシアとの対立は必至だ。
 トランプ氏はフロリダ州で声明を読み上げ「今夜、私はシリアの空港を目標とする空爆を命じた」と述べた。「致死的な化学兵器の使用防止は米国の国家安全保障の重大な利益だ」と強調。シリアでの殺りくや流血を止めるため、米国と協力するよう「すべての文明国家に要請する」と訴えた。
 米軍によると、攻撃対象はアサド政権が空爆に使用したとされるシリア西部の軍用飛行場や航空機、倉庫、防空システム、レーダーなど。米軍は攻撃結果について、シリア航空機や空軍基地、支援施設を破壊し、アサド政権の化学兵器使用能力の弱体化に成功したとしている。
 空爆は事前にロシアに通告した。このほか中東には米空母ジョージ・ブッシュが展開しているほか、シリア国内に過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦への助言のため数百人の米軍要員が駐留している。
 これに先立ちトランプ氏は6日、中国の習近平国家主席との首脳会談のため南部フロリダ州に向かう機内で、記者団に対し「何らかの措置が必要だ」と述べたが、具体策は明らかにしていなかった。マティス国防長官とマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)、ティラーソン国務長官らが6日午前、シリアへの対応策について協議した。
 ティラーソン氏は6日、軍事行動について「化学兵器攻撃に適切な対応を検討している」と指摘。「これは深刻な問題であり、深刻な対応が求められる」と記者団に語った。ティラーソン氏は3月末にアサド氏の将来は「シリア国民が決める」と関与しない意向を示していたが、今回はアサド氏退陣に向けた「措置が進行中だ」と述べた。
 トランプ氏は5日の記者会見で、化学兵器とみられる空爆について「いくつもの一線を越えた」と指摘。「シリアとアサド氏への私の考え方は大きく変わった」と述べ、シリア政策を転換する意向を表明していた。
 オバマ前大統領は2013年、アサド政権が化学兵器を使用したとして「一線を越えた」と軍事介入を予告したが、議会の支持が得られないことを理由に直前で見送った。その後、アサド政権は反体制派に攻勢をかけ、過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭を招いたとの批判がある。トランプ氏は4日の声明で「(空爆は)前政権が何もしなかった結果だ」とオバマ氏の対応は弱腰だったと批判していた。

 ◎上記事は[日本経済新聞]からの転載・引用です
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【米中首脳会談】 「太平洋を分け合おうぜ」と、談合をもちかけたような「太平洋には十分な空間がある」 2013-06-12 
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