山口県光市の母子殺害事件で、殺人などの罪に問われ、最高裁が1、2審の無期懲役判決を破棄した元会社員の男性被告(26)=事件当時(18)=に対する差し戻し控訴審の第9回公判が19日、広島高裁(楢崎康英裁判長)で開かれ、この日も弁護側の被告人質問が行われた。
被告は被害者の本村弥生さん=当時(23)=を死亡させた経緯をめぐり、上告審での主張と差し戻し控訴審での供述が異なる点について「頭の中でのできごとと実際に起こったことの区別がついていなかった」と供述した。
最高裁に提出した上申書で、弥生さんへの性的暴行を「絶望の中での行為」としたことに関しては、この日の公判では「死者を生き返らせるためという記憶はあったが、裁判長がこわくてばかにされると思い、上申書には書けなかった」と説明した。
また、広島拘置所で教戒を受け始めた動機を「当時はもうすぐ23歳になろうとしていた。亡くなった弥生さんが23歳だったことは認識していたので、いたたまれなくなった」と明かし、「(教戒師に話したことで)受け入れてくれる安心感と、もう一つは失礼なんだけど、しょいきれない責任の重みを感じていた」と述べた。
(2007/09/19 12:02)