闇サイト事件 神田司死刑囚の死刑執行 2015.6.25 上川陽子法相

2015-06-25 | 死刑/重刑/生命犯

「闇サイト事件」神田司死刑囚の死刑執行 法務省
 朝日新聞デジタル 2015年6月25日11時54分

   
  神田司死刑囚への死刑を執行し、会見する上川陽子法相=25日午前11時32分、東京・霞が関の法務省、林敏行撮影
 法務省は25日、名古屋市の会社員女性が殺害された「闇サイト事件」で強盗殺人罪などに問われ、死刑が確定した元新聞セールススタッフの神田司死刑囚(44)の死刑を執行した、と発表した。昨年8月以来、約10カ月ぶりの執行で、昨年12月の第3次安倍政権発足以来初めて。2012年12月の自民党への政権交代後では、執行は7度目、計12人目となった。
*残虐な犯行、極刑望んだ遺族
 法務省によると、神田死刑囚の死刑は同日朝、名古屋拘置所で執行された。確定判決によると、神田死刑囚は07年8月、携帯電話の闇サイトで知り合った2人と共謀し、名古屋市内で会社員の磯谷利恵さん(当時31)を車で拉致し、現金6万2千円やキャッシュカードなどを奪ったうえ、頭部をハンマーで多数回殴打。首をロープで絞めるなどして窒息死させ、岐阜県瑞浪市の山林に捨てた。
 09年3月に名古屋地裁で死刑判決を言い渡されると、一度控訴したものの、同年4月に自ら取り下げ、確定した。
 昨年10月に就任した上川陽子法相にとって初の執行となった。上川法相は就任会見で、死刑制度について「歴代大臣が現行法を尊重してきたことを引き継いでいく」と語り、執行には肯定的な姿勢を見せていた。
〈闇サイト殺人事件〉
 名古屋市で2007年8月、会社員磯谷(いそがい)利恵さん(当時31)が男3人に拉致、殺害された。面識がなかった3人が、インターネットサイト上の「闇の職業安定所」を通じて知り合い、犯行に及んだことから、犯罪請負などの情報があふれる「闇サイト」が社会問題となった。名古屋地裁は09年3月、神田司(44)、堀慶末(40)の両被告に死刑、川岸健治被告(48)に無期懲役の判決を言い渡した。神田死刑囚は控訴を取り下げて確定していた。残り2人は12年までに無期懲役が確定している。

 ◎上記事は[朝日新聞デジタル]からの転載・引用です *強調(太字)は来栖
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 中日新聞 夕刊 2015年6月25日
「殺人、罪悪感ない」 神田死刑囚、公判前面会で
 「罪悪感を感じないですよね」。名古屋市で2007年8月に起きた「闇サイト殺人事件」で死刑執行された神田司死刑囚(44)。逮捕後に面会した記者にそう語り、遺族への謝罪の言葉はなかった。インターネットの闇サイトを通じて集まり、何の罪もない女性を拉致、殺害した残虐な犯行。極刑を求めた遺族の声が、凶悪犯罪への厳罰化に影響を与えた。控訴を取り下げて死刑を受け入れた後も、神田死刑囚が真摯(しんし)に反省した様子はなかったという。
 静かに、口の端を神経質そうにあげて笑う顔が印象的だった。2007年の冬以降、複数回、名古屋拘置所にいた神田司死刑囚と面会した。
 当時は、丸刈りで青白くやせて、車いすに乗っていた。持病の頭痛がつらいと嘆き、他の共犯者ら2人を「言い逃ればかりしている」と批判した。
 遺族への謝罪について聞くと、「根本的な考え方が普通の人とは違う。血を吸っている蚊をたたいて殺した。罪悪感を感じますか?感じないですよね」と淡々と述べ、「人を殺すことや泥棒、詐欺をすることは悪いことだとは思わない」と言い切った。
 面会後、記者に寄せられた手紙には、カクカクとしたきちょうめんな字が並んでいた。取材が殺到しているが、そのうちの一社だけに「本当に起きた出来事」や心情を語ると述べつつ、「私の現状を察して、どうか許してください」と書かれていた。この時は「まだ話す気になりません」とも。
 死刑判決前に、拘置所で自殺を図ったこともあった。その後、公で心情を語ることはなく、名古屋地裁の一審判決後、控訴を取り下げ、死刑を受け入れた。当時取材した関係者によると「淡々としていた」と言う。
 死刑確定後の様子を知る関係者は「事件のことを本人から聞いたことはない。主犯格とみられていることに不満の思いは強かったようだ」と語る。
 面会で神田死刑囚の手紙の最後部分にはこうあった。「『地獄のさたも何とやら』これから先、永い旅となる身上どうか察してください」。凶行に走らせた動機、死刑を受け入れた理由は、ついに明らかにされなかった。 (社会部・長田弘己)

 ◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です
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◇ 死刑か無期懲役か/刑事裁判は、遺族のためにあるのではない 後藤昌弘(弁護士) 2011-04-18 
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「闇サイト殺人事件」存在感増す遺族 自首によって残りの2人が早期に逮捕されたことは確かだ 2009-03-25 
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闇サイト殺人事件判決の要旨  記事(闇サイト殺人判決/上・中・下)
【讀賣新聞 連載「死刑」第4部 闇サイト殺人「極刑を」32万人署名2009/06/06 】を考える
闇サイト殺人「極刑を」32万人署名…連載「死刑」第4部 
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闇サイト殺人事件:堀慶末被告、無期確定へ 最高裁、上告棄却 2012.7.11付 
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堀慶末容疑者(「闇サイト殺人事件」で無期懲役刑確定)再逮捕 名古屋・守山の強盗殺人未遂と住居侵入 2013-01-16 
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碧南夫婦強殺事件 証人尋問…馬氷一樹さん「倒れた父、馬乗りの男」 名古屋地裁 2015/11/4
98年愛知碧南夫婦強殺事件 DNA枝豆から検出 堀慶末容疑者(闇サイト殺人事件で無期懲役確定)ら 2012-08-07
98年 碧南夫婦強殺事件 堀慶末容疑者(闇サイト殺人事件で無期懲役が確定)ら3名を逮捕 送検 2012-08-06 


「闇サイト殺人事件」死刑執行 「再審請求準備中で極めて遺憾」日弁連会長が抗議声明
弁護士ドットコム 6月25日(木)17時24分配信
 2007年の「闇サイト殺人事件」の主犯として死刑判決を受けた神田司死刑囚に対する刑が6月25日、執行された。上川陽子法務大臣の公表を受けて、日本弁護士連合会の村越進会長は同日、死刑執行に抗議する声明を発表した。
 この事件では、携帯電話の闇サイトを通じて知り合った3人の男性が、名古屋市の路上で女性を連れ去り、現金を奪ったうえで殺害。神田死刑囚は、強盗殺人罪などで死刑が確定していた。
 村越会長は、神田死刑囚が控訴を取り下げたことについて、弁護人が無効だと主張していたことや、再審請求の準備中であったことを指摘。「このような状況における死刑の執行は極めて遺憾」と非難した。
 また、いったん死刑が確定したが、静岡地裁の再審開始決定を受け釈放された袴田巌さんの事件に触れ、「もし死刑の執行がなされていたならば、まさに取り返しのつかない事態となっていた」と問題点を指摘した。
 声明の全文は以下の通り。
●死刑執行に強く抗議し、改めて死刑執行を停止し、死刑制度の廃止についての全社会的議論を求める会長声明
 本日、名古屋拘置所において、1名に対して死刑が執行された。上川陽子法務大臣による初めての死刑執行であり、第2次安倍内閣以降、死刑が執行されたのは、2014年8月以来7回目で、合わせて12人になる。本件は、弁護人が被執行者の控訴の取下げ無効を主張していた事案であり、また再審請求の準備中であった。このような状況における死刑の執行は極めて遺憾であり、当連合会は改めて死刑執行に強く抗議する。
 当連合会は、2014年11月11日、上川法務大臣に対し、「死刑制度の廃止について全社会的議論を開始し、死刑の執行を停止するとともに、死刑えん罪事件を未然に防ぐ措置を緊急に講じることを求める要請書」を提出して、死刑制度とその運用に関する情報を広く公開し、死刑制度に関する世界の情勢について調査の上、調査結果と議論に基づき、今後の死刑制度の在り方について結論を出すこと、そのような議論が尽くされるまでの間、すべての死刑の執行を停止すること等を求めていた。
 2014年3月、静岡地方裁判所が袴田巖氏の第二次再審請求事件について、再審を開始し、死刑及び拘置の執行を停止する決定をした。現在、東京高等裁判所において即時抗告審が行われているが、もし死刑の執行がなされていたならば、まさに取り返しのつかない事態となっていた。袴田氏は48年ぶりに釈放されたが、その心身に不調を来しており、袴田事件は、えん罪の恐ろしさはもちろんのこと、死刑制度の問題点を浮き彫りにしている。
 死刑の廃止は国際的な趨勢であり、世界で死刑を廃止又は停止している国は140か国に上っている。死刑を存置している国は58か国であるが、2014年に実際に死刑を執行した国は更に少なく、日本を含め22か国であった。いわゆる先進国グループであるOECD(経済協力開発機構)加盟国(34か国)の中で死刑制度を存置している国は、日本・韓国・米国の3か国のみであるが、韓国は17年以上にわたって死刑の執行を停止、米国の19州は死刑を廃止しており、死刑を国家として統一して執行しているのは日本のみである。こうした状況を受け、国際人権(自由権)規約委員会は、2014年、日本政府に対し、死刑の廃止について十分に考慮すること等を勧告している。
 2014年11月に実施された死刑制度に関する政府の世論調査の結果、「死刑もやむを得ない」との回答が80.3%であったものの、そのうち40.5%は「将来的には、死刑を廃止してもよい」とした。また仮釈放のない終身刑が導入されるならば、「死刑を廃止する方がよい」37.7%、「死刑を廃止しない方がよい」51.5%と回答している。この結果からも死刑廃止について議論する必要性があると言える。
 当連合会は、これまでの死刑執行に対しても強く抗議してきたところであるが、今回の死刑執行に対し強く抗議するとともに、改めて死刑執行を停止し、死刑に関する情報を広く国民に公開し、死刑制度の廃止についての全社会的議論を求めるものである。
 2015年(平成27年)6月25日
 日本弁護士連合会
 会長 村越 進
  弁護士ドットコムニュース編集部 最終更新:6月25日(木)17時24分

 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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〈来栖の独白〉
 定型文。新味も無ければ、説得力もない。再審請求というが、準備中では歯止めにならぬし、どこまで純粋な再審請求か。再審が目的ではなく、死刑執行阻止目的の請求が多い。「延命のため」と公言して憚らない弁護士もいる。執行阻止のために再審請求する死刑囚の身代わりのように、請求していない死刑囚が殺されて(執行されて)ゆく。そういえば本日執行された神田司死刑囚と宮崎知子死刑囚とは、同じ名古屋拘置所在監ではないか。
 * 富山長野連続誘拐殺人事件 宮崎知子死刑囚 2回目の再審請求/「延命の企図も」弁護人 2011-11-26 
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富山長野連続誘拐殺人事件 宮崎知子死刑囚の3回目再審請求棄却 富山地裁 2015.3.30 即時抗告 2015.4.1
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