皆川達夫さん死去 ラジオ「音楽の泉」解説、「オラショ」とグレゴリオ聖歌のつながりを研究 2020.4.19

2020-04-22 | 日録

皆川達夫さん死去 ラジオ「音楽の泉」解説、「オラショ」とグレゴリオ聖歌のつながりを研究

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 立教大名誉教授の皆川達夫(みながわ・たつお)さんが19日、老衰で死去した。92歳。葬儀は近親者で営む。喪主は長男の瑞夫(みつお)さん。 

  

 中世・ルネサンス音楽研究の第一人者で、中世音楽合唱団を主宰。65年から85年までNHKFM「バロック音楽のたのしみ」、88年から今年3月29日までNHKラジオ第1放送の「音楽の泉」に出演して解説を担当していた。2011年にはテレビ「題名のない音楽会」に出演して、箏(こと)の名曲「六段」(八橋検校作曲)がグレゴリオ聖歌の「クレド」(信仰宣言)を基にしているとの研究成果を披露している。

 1927年、東京生まれ。51年、東京大学文学部西洋史学科卒業。53年、同大学院修了。55~58年、コロンビア大学とニューヨーク大学に留学。62~64年、ドイツとスイスに留学。68~93年まで立教大学教授のほか、東京大学や東京芸術大学、慶応義塾大学で講師を務めた。著書に『バロック音楽』(講談社、72年)、『中世・ルネサンスの音楽』(同、77年)、『オラシヨ紀行』(日本基督教団出版局、2006年)、『キリシタン音楽入門』(同、17年)などがある。

 4世紀以上にわたって隠れキリシタンによって歌い継がれてきた「オラショ」研究に携わり、グレゴリオ聖歌との関連を明らかにした。その功績により、78年、イタリア政府からイタリア共和国功労勲章勲五等(カヴァリエーレ章)を受ける。また、日本への洋楽の渡来とキリシタンについて考察を集大成した論文「洋楽渡来考」により、2003年、明治学院大学から芸術学博士号が授けられた。

 講演でもこのように語っていた。「キリスト教と音楽のつながりは深い。教会には常に音楽があり、また音楽の歴史を語るとき、キリスト教は切っても切れない。キリスト教は目で見る宗教ではなく、神の声を耳で聞く宗教。音楽もまた、形がなく捉えることができない。だから、神を賛美するために音楽を用いる。キリスト教が優れた音楽を生み出してきたのは、このような背景があるから」

 ◎上記事は[Christian Press]からの転載・引用です
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〈来栖の独白 2020.4.22. Wed  AM:10.20〉
 このところ、皆川先生についての弊ブログ記事へのアクセスが多くなっている。気になって検索してみたところ、上の記事。驚きと動揺とで、大学時代の友人に電話したが、生憎、留守のようだ。亡くなられたことは、お歳を思えば仕方ないが、しかしそれにしても、先月29日にNHKで最後の放送をなさったばかりではないか(私が聴いたのは、30日.再放送)。あの時、「高齢なので」とおっしゃり、「最後の放送」とおっしゃって、自ら身を御退きになった。見事すぎる。言葉がない。
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「音楽の泉、皆川達夫です。本日が私の最後の放送となります。バッハの・・・」 2020.3.30


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