100万種 絶滅の危機 「生態系喪失 かつてない速度」国連警告 2019/5/6

2019-05-07 | いのち 環境

 画像;サンゴ礁が広がるモルディブ沿岸を泳ぐタイマイ。サンゴ礁は多くの生き物を育むが、地球温暖化の影響が強く危惧されている(Andrey・Armyagov氏/Shutterstock.com提供)

2019年5月7日 中日新聞 夕刊

動植物100万種 絶滅の危機 「生態系喪失 かつてない速度」国連警告

 世界で100万種の動植物が絶滅の危機にひんし、人の活動に伴う生態系の喪失がかつてない速度で進んでいるとの評価報告書を国連の科学者組織が6日、発表した。人の暮らしを支えるさまざまな自然の恩恵が損なわれると警告しており、抜本的な保全強化を訴えた。

 報告書をまとめたのは、生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)」で、地球規模の総合的な評価は初。フランス北東部メッスで開かれた先進7カ国(G7)環境相会合は同日、生物多様性の損失を止める取り組みを加速し、2020年以降の保全目標の策定と実施を支援することをうたう「メッス憲章」を採択した。

 IPBESの報告書によると、人は自然から食料や薬、燃料を得ており、作物の75%は受粉を動物に頼る。サンゴ礁などの沿岸生態系は高潮被害のリスクを抑え、陸と海の生態系は人が排出する二酸化炭素を吸収する役割もあり「自然資源を持続的に利用するには社会や経済、政治などあらゆる分野で変革が必要だ」と指摘している。世界の陸地の75%が大幅に改変されており、湿地は85%が消失、海洋の66%が人の活動の影響を強く受けている。

 種の絶滅も深刻だ。絶滅の速度は、過去1千万年の平均と比べ数十~数百倍と推定され、評価対象の4分の1に当たる百万種が絶滅の危機にある。陸上の五十万種は生息地が脅かされ、両生類の40%以上と、サメと海洋哺乳類のそれぞれ30%程度が絶滅の恐れがあると見積もった。

 地球温暖化対策の「パリ協定」の目標を達成し、産業革命前と比べた気温上昇を2度に抑えても、サンゴ礁の面積は1%未満まで縮小すると予測。海洋プラスチック汚染は1980年から10倍に増え、ウミガメや海鳥、海洋哺乳類など260種以上に悪影響を及ぼしていると分析した。

 各国は2010年の名古屋市での生物多様性条約締約国会議で、20年までに種の絶滅を防いだり生息地の消滅速度を半減させたりするといった「愛知目標」を採択したが、報告書は「現状では達成できない」と指摘した。

* 生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)
 生物多様性や生態系サービスの現状や変化を科学的に評価し、政策提言する政府間組織。国連環境計画の主導で2012年に設立され、132カ国が参加する。これまでに花粉媒介生物と食料生産に関する報告書などを公表。今回の地球規模報告書は、50カ国145人の専門家が執筆を担当した。地球温暖化問題では、1988年に設立された「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が同様の役割を担っている。

 ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖)

----------------------

またもプラゴミがクジラの命奪う 胃に40Kgのゴミ飲み込み餓死 2019/3/20

   

-------------------------

海洋に投棄されたプラスチックのごみ…死んだ鯨の胃から大量に 生物の生態系に深刻な影響 2018/11/22

   

-------------------------

モンゴルの牧畜の死骸はプラスチックまみれ…腸もプラスチックで詰まって、死んでいった牛は何頭もいた NewsweekJapan 2019/2/9 

     

....................


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。