<朝霞少女誘拐>寺内樺風被告 責任能力の程度が争点か 2017/8/29に判決言い渡し さいたま地裁

2017-08-28 | 社会

 埼玉新聞 2017年8月27日(日)
 <朝霞少女誘拐>責任能力の程度が争点か、検察15年を求刑 29日判決、量刑判断も注目
 朝霞市の少女(16)が昨年3月、2年ぶりに保護された誘拐事件で、未成年者誘拐と監禁致傷、窃盗の罪に問われた寺内樺風被告(25)の判決が29日、さいたま地裁(松原里美裁判長)で言い渡される。検察側は「巧妙かつ悪質な犯行」と懲役15年を求刑している。寺内被告は「数日から数週間は監視したが、それ以降は監視した意識はない」と述べたものの、起訴内容をおおむね認めており、責任能力の程度が争点。2年にわたる異例の長期監禁事件に対する量刑判断も注目される。
 起訴状によると、寺内被告は2014年3月10日、朝霞市で下校途中だった当時中学1年で13歳だった少女に「両親が離婚することになった」などとうそを言い、車に乗せて誘拐。昨年3月27日まで、千葉市や東京都中野区の自宅マンションで監禁し、重度の心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負わせたなどとされる。「中学生の頃から、女の子を誘拐したいという願望があった」と供述していた。
 昨年9月に始まった公判で犯行経緯や監禁の実態が明らかになり、「周到な計画」をうかがわせた。検察側によると、寺内被告は新潟県の少女が9年間監禁された事件の記事データ、警察の交通取り締まりファイルなどをパソコンに保存。複数の中学校の場所をネット上に登録して物色を繰り返していたという。誘拐後は少女に「捨てられた。帰る場所がない」と文字で書かせたり復唱させ、心理的に孤独状態に陥れたとされる。
 公判途中で、弁護側の請求で精神鑑定を実施。約7カ月ぶりに出廷した今年6月の公判で、寺内被告は「頭に何かしろという指令が送られた」などと供述し、薄笑いを浮かべる奇異な動きも見受けられた。
 検察側は「洗脳の手法を用いた巧妙かつ悪質な犯行」と計画性を強調。精神鑑定結果から「自閉スペクトラム症の傾向にとどまる。犯行はいじめの加害者に対する怒りの感情のはけ口、その劣等感の代償として行われ、責任能力に欠けるところはない」と懲役15年を求刑した。弁護側は中学時代のいじめを機に、「人間としての情愛が欠如した」と指摘。「統合失調症のため、物事の是非を判断する能力が著しく減退している」と限定責任能力を主張している。
 2年間という長期の監禁事件で、少女に残した傷は大きい。両親の意見陳述などによると、少女は現在も一人で外出することができず、パニックに陥ることもあるという。「一生刑務所から出てこないでほしい」。被害者参加制度で公判を見届けている両親は厳罰を訴えている。
 新潟少女監禁事件を契機に改正刑法が施行され、監禁致傷罪の刑期の上限が懲役10年から懲役15年に引き上げられた。併合罪により求刑の上限は懲役15年の1・5倍となる懲役22年6月だが、検察側は懲役15年を求刑した。両親は「改正の趣旨が、必ずしも反映されていないと感じ、とても残念に思います」とコメントしている。

 ◎上記事は[埼玉新聞]からの転載・引用です

埼玉少女誘拐 「森の妖精です」寺内樺風被告が奇声 2017/8/29 判決公判休廷  判決言渡しの延期
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2年にわたり少女誘拐の寺内樺風被告に懲役15年 論告求刑公判 さいたま地裁2017/7/25
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