「平和の祭典」 ウイグル不在 出身男性 五輪に疑念 2022.02.04

2022-02-02 | 国際/中国/アジア

「平和の祭典」ウイグル不在  出身男性 五輪に疑念 
 中日新聞 2022年2月2日 Wed
 北京冬季五輪は二日、開幕日の四日を前に一部の競技が始まる。ただ、中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権弾圧などを理由に、米国などは「外交ボイコット」を表明。日本も政府代表団を派遣しない。政治的な緊張が続く中、中国で開かれる「平和の祭典」を、日本で暮らすウイグル出身の男性は懐疑的な目で見つめている。 (多園尚樹)
 「いつ日本に来て、どこに住んで、何を学んだか。私の具体的な情報は絶対に記事にしないで」。中部地方の飲食店で向き合ったウイグル出身の男性は何度も念を押した。「たとえ小さな情報でもつなげば自分が誰なのか、中国当局には分かってしまう。故郷の家族は強制収容所行きです」
 男性は大学院に留学するために来日。当初は夏休みや春休みを利用して毎年のように帰省していた。故郷の様子が変わり始めたと感じたのは二〇一五年ごろから。検問が幾重にも設けられ、パスポートや所持品、スマートフォンの中の画像や通話データまで徹底的に調べられた、と語る。
 海外在住の知識人というだけで、警戒されていると感じるという。日本に戻り実家に電話すると、家族は「あなたから連絡があると、その後に警察が家にやってくるの」と不安を口にするように。それから帰省や連絡は自重している。家族の状況は、友人の友人、そのまた友人といったように複数を経由して、たまに知ることができるだけだ。
 19年夏には、同じウイグル出身で、東京大大学院を卒業後に日本で働いていた女性ミフライ・エルキンさんが帰国後に消息を絶った。在日ウイグル出身者でつくるNPO法人日本ウイグル協会(東京)によると、エルキンさんは「故郷の父が強制収容所に入れられた」との情報に触れ、帰国したとみられる。当局の発表はないというが、協会は、協力者の情報を基に「収容先で亡くなった」とデモなどで主張している。
 男性は今も週に1,2度は就寝中に夢を見る、とうつむく。エルキンさんと自らを重ね合わせ、「家族に会おうと故郷に戻り、手錠をはめられる。いつも同じ夢です」。
 北京冬季五輪で米国などが打ち出した外交ボイコットについても、男性は「ジョークだ。中国が態度を改めるわけがない」と冷ややかだ。「中国に最も効果があるのはお金。経済面でプレッシャーをかけていけば少しは状況が良くなるかもしれない」と語った。

 ◎上記事は[中日新聞]からの転載及び書き写し(=来栖)


時事ドットコムニュース 特集

>ウイグル問題

衆院、名指し避け対中決議採択 「人権侵害」盛らず、維・国不満(02月01日 19:24)
 衆院は1日の本会議で、中国の新疆ウイグル自治区やチベット、香港での人権侵害に懸念を表明する決議を、与野党の賛成多数で採択した。日本維新の会と国民民主党は賛成したものの、決議が日中関係に配慮して中国を名指しせず、「人権侵害」との表現も見送ったことに不満を示す文書をそれぞれ発表した。
 
対中人権決議を採択 ウイグル・チベットに懸念―衆院(02月01日 13:14)
 衆院は1日の本会議で、中国・新疆ウイグル自治区などでの人権侵害に懸念を表明する決議を与党と立憲民主、日本維新の会などの賛成多数で採択した。「国際社会が納得するような形で説明責任を果たすよう強く求める」と訴えているが、日中関係に配慮して名指しでの中国批判は避けた。

 ◎上記事は[時事ドットコムニュース]からの転載・引用です
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