日本で人気がある排除の論理=何かに反対することで自分を売り込む<アンチ左、アンチ右、反小沢>

2010-10-12 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
達増拓也:反小沢の背景にある冷戦思考の呪縛
日本一新の会 達増拓也(岩手県知事)

 検察審査会が小沢一郎氏の強制起訴を議決した。陸山会問題は石川、池田両氏の逮捕・起訴の妥当性すら疑わしいものであり、会計責任者だった大久保氏の起訴は、厚生労働省の村木局長事件をでっち上げた前田検事の取り調べによるものである。検察の暴走以上の暴走を、検察審査会がやってしまった。
 検察審査会に申し立てを行ったのは、「在日特権を許さない市民の会」の代表であると、本人がブログで公表している。ブログによると、「小沢一郎という巨悪を眠らせてはいけないこともありますが、外国人参政権実現のために誰よりも積極的なこの民主党大物政治家の動きを止めなければならないからです。」とのことであり、政治的目的のための申し立てであった。
 そもそも、西松事件、村木事件、陸山会事件と、検察特捜部が無理をしてまで小沢氏やその関係者(村木局長は石井一参議院議員を介して関係するという見立て)に罪を着せようと暴走したのは、どんなことをしてでも政権交代は阻止すべき、小沢一郎首相の実現は阻止すべき、という空気が検察組織を取り巻いていたからではないか。去年の春頃には、麻生首相も民主党のマニフェストをバラマキと批判し、「小沢一郎は社会主義者になった」と公言していた。首相が先頭に立って、小沢氏を保守主義の敵、日本の敵とみなす異常な空気を日本国内に広げていたのではないか。
 いわゆる保守主義者、愛国者が小沢氏に罵詈雑言を浴びせ続けている一方で、左翼的な立場からは、小沢一郎氏は自民党的な古い政治家でダーティであるというバッシングが続けてられている。右からも左からも叩かれるのである。
 実は、小沢一郎氏は、自民党幹事長だったころから、ポスト冷戦=冷戦後の日本のあるべき姿を真剣に考え、脱冷戦構造をめざす改革を強力に追求してきた一番の政治家である。小沢氏は新進党時代から世界各国の自由党の集まりである自由主義インターの会議によく参加していた。英国の今の自由民主党の系列であり、権威主義でなく、社会主義でない、という路線。ブレア労働党の「第三の道」を先取りする路線であった。規制改革と社会保障の充実、地方分権、国連中心の安全保障、等々、右と左の対立という冷戦時代の枠組みを超えていく改革を小沢氏は目指してきた。
 グローバル化でますます不安定になる経済社会に対応するため、市場メカニズムを尊重しつつもセーフティネットを強化する、右と左の合わせ技。日本の自民党が政権を手放すことになったのは、セーフティネット強化は社会主義的で良くないという冷戦思考の呪縛にとらわれ、右であることにこだわり、みすみす格差社会化を招いた事が本質的原因だったのではないか。
 一方、民主党で反小沢のスタンスをとる議員たちは、市場原理主義的な小泉−竹中路線に共感し、国民生活を守ることよりも財政再建を前面に押し出す向きがある。安全保障政策では、冷戦時代の日米同盟を維持できればよいという、対米従属的な姿勢が強い。政策面では右なのだが、保守政治家の行動様式を忌み嫌い、小沢氏にダーティのレッテルを張る点では左である。
 このように、冷戦時代の左右対立の思考にとらわれ、アンチ左とかアンチ右とかを行動原則にしている者たちが小沢バッシングに走るのだが、日本の政界関係者の多くがこのように動く。また、日本のマスコミや言論界も、左右対立の図式に乗っかって商売をする傾向が未だに強く、マスコミが右からも左からも小沢バッシングをするという異常事態が発生する。マスコミ論調=世論として迎合を旨とする者たちも多く、その中での今回の強制起訴騒ぎである。
 これは、日本に一番必要な改革路線を一番真剣にやろうとしている小沢氏を、寄ってたかって引きずり降ろそうとする、日本にとっての最大不幸である。
 小沢氏は、元自民党の政治家であれ、元社会党の政治家であれ、それぞれのいい所を合わせてグローバル時代に対応していけばよいとしており、排除の論理の正反対である結集の論理で動いてきた。一貫して、改革の旗の下に多数を形成する努力をしてきた。しかし日本で人気があるのは排除の論理である。アンチ左、アンチ右、そして反小沢。何かに反対し、攻撃することで自分を売り込む手法。そういう人たちが、偉くなり、頂点を極める日本である。
 レミングの集団自殺のように破滅に向かって狂奔する日本。しかし、「オザワ現象」を巻き起こした、自分で見聞きし自分で考え自分で判断する日本国民は、未だ少数ながら確かに存在する。「オザワ現象第二ステージ」で強制起訴騒動を乗り越え、脱冷戦=日本一新の改革へとつなげていかなければならない。
投稿者: よろんず 日時: 2010年10月10日 09:19 
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