鈴木宗男「前田氏を調べているのは、伊藤鉄男最高検次席検事で私を捕まえた時の特捜部長です」×佐藤優

2010-10-12 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
鈴木宗男×佐藤優:激白! 検察と外交、何が問題点か?
 10月6日、衆議院第一議員会館で新党大地代表の鈴木宗男氏と作家の佐藤優氏のシンポジウムが開かれました。外交問題と検察問題について触れられていた部分をレポートします。
<外交問題>
佐藤:尖閣の問題について鈴木さんがどうお考えか、もし事件が発生した当時外務委員長だったらどうしていたか教えて欲しいです。
鈴木:船舶の船長逮捕までの経緯をみていると、公務執行妨害の容疑で逮捕しています。あわせて領海侵犯もしていますね。なぜ一番大事な物証である船を返したのでしょうか。私は船長も船員も沖縄に連れて来て、十分に時間をかけて事情徴収し、粛々と水面下で外交交渉をする手があったと思います。北方4島でロシアの船が拿捕される時は、船舶と船員など乗っている人は全員連れて来ます。そして損害賠償をさせ、金を振り込ませます。船はそのまま置いておくという例が多いです。今回の場合はなぜ船を返したのでしょうか。船長だけ残して船員は船と一緒に返したのは、過去北方4島で行われてきた日本の経験を把握しておりません。どんな戦略・戦術があって取り組んだのかなという感じがします。
佐藤:あちこちフラフラ動いて何となく均衡を維持するような感じです。1つ思うのは、検察庁には「割り屋」と言われる優秀な検事がたくさんいます。今回の事件の場合は物証とビデオという動かざる証拠があるのに供述調書、自白調書を取れないのでしょうか。
鈴木:私は日経新聞で書きました。こういう時こそ前田主任検事をなぜつかわないのか。供述調書をとれば減刑にしてやるとか使い方はあったのではないかと話をしました。
佐藤:捜査能力にかかってくる問題です。
鈴木:不思議でならないのは、前国土交通大臣の前原氏が沖縄まで行き、ぶつかった巡視船に乗って「逮捕はよくやった」と鼓舞していました。船長釈放の時には外務大臣として釈放しています。誰が考えてもちょっとおかしいのではないでしょうか。私は中国の丹羽大使が日中関係はこの状態ではまずいぞと経済人を通じて前原さんに働きかけをしたと聞きました。
佐藤:私は中国側からその話を聞きました。今回の事件の絵をつかむことはできます。この状態で船長を無罪放免できるのでしょうか。よくないと思います。何か手がないでしょうか。
鈴木:弁護士さんと相談していますけど、この船長を告発しようと思ってます。
佐藤:告発しようとしても鈴木さんはこれからいなくなるじゃないですか。受理してもらえない可能性も...
鈴木:受理しない場合は検察審査会にかけます。
佐藤:もし検察が不起訴とした場合、タイムスケジュールからすると獄中から検察審査会に出さないといけませんよね。
鈴木:私がいなくても浅野貴博(あさの・たかひろ)新党大地代表代行に頼むことはできます。また、連名での告発もできます。
佐藤:この事件は筋を通してもらわないといけません。今後尖閣周辺が聖域にされ、日本の主権が事実上及ばないという領域にされてしまう可能性があります。日本国家の名誉と尊厳を維持し、真の日中友好を維持するためにやらないといけないと思います。今回の問題は民主党も反省して欲しいし、自民党も日本の領土をどうやって保全するんだという観点から国家という次元での議論をして欲しいです。
鈴木:佐藤さんがおっしゃられたように領土問題は国家主権に関わる問題です。国家主権に関する問題は与党も野党もありません。自民党からは与党政府の対応ばかり言ってきますけど、ではあなた方が政権与党の時はどうしていたかも問われます。ぜひとも国家主権に関わる問題は国益の観点からもきちっとしたものをつくるという議論にぜひつなげて欲しいと思います。
<検察問題>
佐藤:そして検察の話です。今回の大坪前部長、佐賀前副部長、前田主任検事の逮捕について、鈴木さんは率直にどう思いますか。
鈴木:朝日新聞が第1面でスクープしたその日の夜に前田氏は逮捕されました。早すぎると思いました。素人から見ても、口封じだと思いました。検察にとっては情報は広げない方がよく、朝日新聞だけにささやいてあのような記事になったのではないかと思います。そして前田氏の身柄さえとってしまえばあとは誰も追いかけることはできません。検察はそこまで考えて動いたと思います。
佐藤:メディアの方々も目を覚ました方がいいです。検察官僚や外務官僚は重要な情報を新聞は朝日と読売、テレビはNHKにしか流しません。外務省については、今まで重要な情報は朝日新聞に流してきました。外務官僚と朝日新聞の記者たちの体質が似ているからです。リークがいけないという話に私は乗りません。嘘をついてでも脅しても情報をとってくるのがメディアの仕事です。ただ、リークされた情報が正しくない場合、メディアはリークした人のことをバラすべきだと思います。なぜならば、国民の知る権利は国民の真実を知る権利だからです。嘘を知らされた場合、再発防止の責任はメディアが取らなければならないと思います。そして検察庁、あるいは検察官をやめたヤメ検弁護士やコメンテーターが「青天の霹靂です。こんなことがあるとは思えません。あってはならないことです」というコメントをすることがあります。私はこれらは真実からかけ離れていると思います。検察官諸氏も本当のことを言って本当のことをやった方がいいのではないでしょうか。
鈴木:大坪前部長、佐賀前副部長、前田主任検事にしても引き継ぎで仕事をしています。先輩たちに教えられたやり方で仕事をしています。今前田氏を調べているのは、頻繁にテレビに出ている伊藤鉄男最高検次席検事で私を捕まえた時の特捜部長です。その部下は八木宏幸元副部長です。
佐藤:八木氏は『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』にも出ています。
鈴木:八木氏は私を捕まえようと特別チームまでつくり、最初から三井物産から3億円抜いているというつくりで捜査しました。そんな人が前田氏を正確に調べられますか。
佐藤:珍しい話ではないと思います。1929年の世界恐慌で、金輸出解禁をしました。日本の経済がものすごく悪くなり、農村恐慌で娘の身売りも起きました。世の中が腐ってる、二大政党制といえども両党とも腐っている、財閥は金儲けだけしている、官僚もおかしい、世の中を直さないといけないと思った人がいました。二・二六事件の青年将校たちです。
 二・二六事件で失敗し、このままでは陸軍全部がつぶれるということで粛軍しました。二・二六事件と現在を照らし合わせると、青年将校役が前田主任検事、部隊長役は大坪氏や佐賀氏、石原莞爾役が伊藤鉄男氏になり、陸軍の統制派と皇道派の闘いであり日本ファシストの闘いだと感じられます。その結果はどうなりましたか。大川周明氏が「北一輝をしのんで」の中で、「老人4人を殺して何が変わったか、その結果世に点取り虫のような出世主義の軍人が中枢に入り日本は破滅の道を歩んでいった」と言いました。
 このような経緯があるから私は特捜検察を断固擁護しなければならないと言っているのです。どんな国でもどんな時代でも政治犯罪はあります。我が国は政治犯罪がないということでしたから、政治犯罪は経済に変えなければなりませんでした。だから贈収賄や政治資金規正法など経済犯で捕まえました。もし特捜部をなくせば、その機能は警察が出します。警察は行政により直結しているので、上の方を見て考えますよ。警察に白紙委任状を渡すよりは、距離を持っている検察の方がいいでしょう。
 そして可視化の導入は不可欠だと思います。被疑者のための可視化は言わずもがなですが、検事に無理をさせない、助けるためにも必要です。見られている状況だと、人は無理をしません。検察官のためをもう少し考えて、最高検は可視化の議論をした方がいいと思います。
鈴木:可視化に反対する最高検、検察がいますが、いま捕まっている大久保氏や佐賀氏が全面可視化で取り調べてくれと言っています。
佐藤:特に佐賀氏が言っていることは説得力があります。佐賀氏の弁護人は特捜の調べについて、冤罪をつくり出す温床になってきたと言っています。
 取調べの時に怒鳴ったっていいです。筋書きをつくることは間違いではありません。しかし、筋書きが間違っていることはいけません。間違ったときに軌道修正ができなければいけません。例えば私が鈴木宗男さんからお金をもらっている、鈴木さんが三井物産からお金を抜いているという見立てをするのは勝手です。もし調べて何もなければ、「ありませんでした、すいませんでした」と言うだけの話だと思います。なぜできないのでしょうか。
鈴木:「俺たちが世直しをする」という間違った正義感を持ちすぎているんだと思います。
投稿者: 《THE JOURNAL》編集部 日時: 2010年10月 9日 12:08
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ムネオ日記 
2010年10月11日(月) 鈴 木 宗 男

 一日、網走管内新党大地・鈴木宗男後援会の拡大役員会を開く。
 10時紋別ブロック、12時遠軽ブロック、14時北見ブロック、16時美幌ブロック、18時網走ブロックと順次行った。
 出席者は大阪地検特捜部の資料調書改ざん隠ぺい事件があり、さらに脅迫的、強圧的な取り調べが明るみに出て、私が常に言ってきた、特に1月16日民主党大会で言った「検察は正義ではない、勘違いするな」「検察はシナリオ、ストーリーを作り、そこに追い込んでいく」「将来、参考人、証人になる人への『調書や取り調べの可視化』が必要」だと訴えてきたが、どこでも「鈴木さんの言うとおりでしたね」と理解を戴く。
 私は検察が憎くて言っているのではない。一部検察官が暴走し、小さな出世や自己保身の為事件を作り上げる事は恐ろしいと言っているのである。
 逮捕と起訴の両方の権限を持つ検察に、独りよがりの正義感で間違った判断をされ、狙われるとどうしようもないのである。国民は徐々にこの怖さを判ってきている。
 国会議員には「明日は我が身、民主主義の危機だ」という認識で対処して戴きたい。
 日本経済新聞30面に「不信の連鎖、他の事件へ」「最高検が調査対象拡大 捜査の検証急務」という記事がある。
取り調べが不適切でやり方がひどいという声は以前からあったが、皆、権力に潰されてきた。それを知らせるとマスコミが検察から情報が入らなくなるので書かないのである。
 今回、新聞協会賞に朝日新聞の村木事件での改ざんスクープが選ばれたが、その朝日新聞も村木さんが逮捕された時は、検察の言う通りの村木悪人論だった。
 私のやまりん斡旋収賄事件、島田事件の受託収賄事件も検察のシナリオ、ストーリーに沿って作り上げられたものだ。
 村木事件の弁護人である弘中惇一郎先生は「特捜部は取り調べ室という密室の中で自己が描いた、ストーリーに沿った供述だけを集めます。都合の悪い供述は無視し、調書にしません。(中略)村木さんの事件だけが異常だったのではありません。特捜部の捜査手法の問題はずっと以前からありました。私が二審から弁護を担当した鈴木宗男前衆議院議員の事件もまったく同じです。特捜部は開発局の役人や業者を脅かしたり、なだめすかしたりしながら、筋書き通りに鈴木さんを『悪人』に仕立てる調書を取りました。否認を続けた業者幹部は、意に反した調書に無理やりサインさせられた後、脳梗塞で倒れ、公判で反論できなくなってしまいました。検察を持ち上げるだけで、捜査の問題を検証してこなかった報道機関にも、重大な責任があります。供述調書を証拠採用する裁判官の質も問われています。裁判官はもっぱら、調書に『迫真性、具体性』があればいいとして、強引な取り調べの実態はあまり問題視してこなかったのです。」(北海道新聞 10月10日 2面)と言っている。
 一度、特捜の取り調べを受けた事がある人ならば、この弘中弁護士の言葉に誰しも納得するだろう。何が事実か真実か、公平・公正とは何かを私は自分の経験から世に問うていく。
 読者の皆さんのご理解を、切に、切にお願いしたい。
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「村木さんの事件は例外じゃない。鈴木宗男さんも本当なら無罪だ」特捜部という組織、捜査の手法が問題だ
三井環事件、鈴木宗男事件でハードルが下がり、郵便不正事件へ。裏金問題の総括なくして検察改革なし

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