今日はカローラで最後のピアノのレッスンに行った。30日に、新しい車、ホンダ・インサイトが来る。
カローラとは96年2月から生活を一緒にした。思い出がいっぱいある。だからカローラとは、走れなくなるまで一緒にいるつもりだった。ところが、先月ペーパードライバーの長男が運転の稽古の際、ギアの入れ間違いで、バンパーやボンネットをへこませてしまった。夫は数年前から新車に替えようと折りあるごとに云っていたので、エコカーに替えようと即座に言った。13年以上乗っているし、減税も勘案すれば、好機だと云う。
振り返れば、ワープロもパソコンもその他色んな多くのものは、初期は私の意思ではなく、夫が一存で我が家にもたらしたものだ。
カローラは私を拘置所へ連れて行ってくれた。裁判所や福信館や教会や修道院や、すべてカローラが私を運んでくれた。日曜日のミサの後は、毎週シスターたちを修道院へお送りした。
清孝の死から3年ほど経った頃、実家の母がアルツハイマー病を発症し、私は定期的に自宅と実家を往復するようになった。自宅では夫の車に乗ればいいと思い、カローラを実家へ置いた。庭に置きっぱなしにした。すると、2度パンクさせられた。「夜は、門を閉めてね」と母に頼んでも、なかなか応じてもらえず、カローラがかわいそうでならなかった。結局、不憫さに堪えきれず、実家へは軽自動車を買って置いた(カローラを連れ戻した)。
カローラは、格別の車だ。
今日はレッスンの帰りに往時を偲んで官庁街やお城の辺りを走ってみようかと思ったが、もっと辛くなりそうで、やめた。哀しくてならない。ごめんね、カローラ。あなたのナンバーは、そのままインサイトが引き継ぐよ。ごめんね。ほんとうにありがとう。
画像は、近くの緑地公園で。