滝法相:「死刑廃止、国民に遠い存在」政府主導の動き否定
毎日新聞 2012年09月28日 20時36分
滝実法相は28日の閣議後記者会見で、死刑制度の存廃について「死刑廃止といっても、国民の間では遠い存在だ」と述べ、政府が主導して廃止に向けた動きをすることはないとの考えを示した。
滝法相は、死刑を廃止している英仏両国が廃止に至った経緯について「(無実の人が処刑された)冤罪(えんざい)事件や精神障害のある少年の事件が契機となっており、具体的な事件の下地があった」と分析。「(日本でも)具体的な(事件の)場面を通じて国民の意識がどういう方向に向かうのかを見定める必要がある」と述べた。
また、政治主導で死刑制度について国民的議論を起こすことは「限界がある」と指摘。現在、日本弁護士連合会が死刑廃止検討委員会を設置して取り組んでいることについて「どこまで国民の皆さんの理解を得られるかということだと思う」と述べた。
一方、法務省内の政務三役会議で進行中の「執行方法を見直すかどうかの検討」については、米国での薬物注射の失敗例を上げ、現行の絞首刑からの変更に否定的な見方を示した。【伊藤一郎】
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◆ 松田幸則元死刑囚(2012/9/27 福岡拘置所で刑執行)手紙で「臓器提供希望 終身刑は死刑よりも酷い刑罰」
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◆ 滝実法相 2人の死刑を執行 2012.9.27 江藤幸子・松田幸則 死刑囚
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