安保法案審議…今国会で確実に成立させたい / 安保法制と政治…脅威への備えは怠れない

2015-09-13 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

安保法案審議 今国会で確実に成立させたい
 2015年09月13日 03時00分
 安全保障関連法案の参院審議が、いよいよ大詰めを迎える。
 過去最長の95日間の延長をした通常国会も、27日に閉幕する。会期中に確実に成立させねばならない。
 特別委員会での法案採決の前提となる中央公聴会が15日に設定された。与党が来週後半の特別委と本会議の採決・成立を目指すのに対し、民主など野党6党は、法案の成立阻止に向けて「あらゆる手段を講じる」ことで一致した。
 民主党などは、安保法案を「違憲」と決めつけている。しかし、この批判は当たらない。
 法案は、集団的自衛権の行使の要件を、あくまで日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある「存立危機事態」に厳しく限定した。日本周辺有事における米軍艦船の防護などを想定したものである。
 過去の最高裁判決や政府見解の基本的論理を踏襲し、法的安定性も確保されている。
 「違憲」論者は、存立危機事態という極めて限定的かつ重大な危機を脱する目的であっても、武力行使を否定するのだろうか。
 日本の安保環境の悪化を踏まえれば、同盟国の米国や友好国の豪州などと防衛協力を強め、抑止力を高める必要性は増している。
 参院審議は既に、80時間を超した。審議を尽くし、最後は採決で法案の可否を決するのは、議会制民主主義の基本ルールである。
 疑問なのは民主党の対応だ。
 4月に、将来の集団的自衛権の行使容認に含みを残す党見解をまとめた後、どんな状況なら容認するかの党内論議を回避し、ひたすら法案反対を唱え続けている。
 非現実的な「徴兵制の復活」への国民の不安をあおるようなパンフレットを作成したことには、党内からも批判が相次いだ。
 岡田代表は10年以上前から、米艦防護を可能にすることに前向きだったのに、なぜ反対一辺倒になってしまったのか。
 維新の党と、日本を元気にする会など3党は、それぞれ政府案の対案や修正案を参院に提出し、与党と協議を重ねている。
 民主党は、領域警備法案を維新と共同提出しただけで、集団的自衛権などの対案は出していない。細野政調会長は「安保政策は本来、与野党が対立すべきでない」とし、対案作成にも前向きだったが、党全体の方針にはならなかった。
 3年以上も政権を担当した野党第1党として、無責任ではないか。政府案に反対するだけでは、「抵抗野党」のそしりを免れない。
 2015年09月13日 03時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

 ◎上記事は[讀賣新聞]からの転載・引用です
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2015.9.13 05:02更新
【主張】安保法制と政治 脅威への備えは怠れない
 現実の脅威をしっかり認識し、国の守りに努めることなくして国民の負託にどう応えるのか。安全保障関連法案の国会審議を通じて浮かび上がった国政の一面である。
 集団的自衛権の限定行使を認め、日米同盟の抑止力を強めなければ、日本の平和と安全を守りきれない時代になった。安倍晋三政権が安保関連法案の成立を急いでいるのはそのためだ。
 「戦争ができる国」になるなどとレッテル貼りに終始する、反対派の発想とは全く無縁だ。必要なのは、日本の危機をいかに減じるかという現実の政策論である。
 法案が5月15日に国会提出されてから約4カ月のうちにも、日本を取り巻く安保環境は悪化してきたことを、与野党の議員は直視してほしい。
 最大の懸念要因は中国である。日米を射程に収める弾道ミサイルや米空母攻撃用の対艦弾道ミサイルを披露した、先の軍事パレードを警戒するだけでは足りない。
 中国海軍の5隻からなる艦隊が今月初旬ごろ、アラスカ沖で米国領海に進入した。オバマ大統領がアラスカ州を訪問中だった。
 軍艦は他国の領海でも平和や安全を害さなければ通過できる無害通航権を持つ。だが、習近平政権が米国の出方を試した可能性が高いと日本政府もみている。
 南シナ海では、中国は人工島の軍事拠点化を進めている。米国に対して、中国が一層挑戦的になっているのは明白である。
 8月下旬には日本海で、中露両国海軍が合同演習を行った。上陸訓練も含まれ、日米や台湾を牽制(けんせい)する意図が読み取れる。
 これらは現実の脅威の高まりを示す。日米が協力関係を強め、地域の秩序を保ち、平和に備えようとするのは当然のことだ。
 安保法案に対し、「日本が米国の戦争に巻き込まれる」といった議論が行われている。中国を刺激して危険だという主張もある。
 国民の安全に責任を負うこととはかけ離れた議論が国会では繰り返されているが、集団的自衛権の限定行使は、あくまで日本を守るための行動だ。外国軍への後方支援は世界の平和にも寄与する。
 参院で採決をめぐる攻防が続いているが、新たな安保法制の下で日本が合理的に防衛努力を進め、同盟の抑止力を強めることこそ欠かせない。その責務は政府与党が果たすしかない。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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