金嬉老元受刑者、日本で埋葬へ 母親の眠る静岡に
先月26日に前立腺がんのため死去した「金嬉老事件」の金嬉老(本名・権禧老)元受刑者の遺骨が、5月22日に日本へ運ばれ、母親の眠る静岡県掛川市の墓地に埋葬される見通しとなった。1999年に仮釈放され、韓国南部の釜山市に永住帰国した元受刑者は今年2月、日本への渡航を希望していた。願いは果たせなかったが、約11年ぶりに日本に戻ることになる。
事件は68年2月に発生。静岡県内で暴力団員2人を射殺した金元受刑者が、同県・寸又峡温泉の旅館で泊まり客や経営者ら13人を人質に88時間にわたって籠城。在日韓国・朝鮮人差別を糾弾し、社会的に大きな関心を集めた。75年に無期懲役が確定し服役、仮釈放の直後に釜山入りした。
2月共同通信とのインタビューで、日本政府に対し入国を認めるよう要請する考えを表明した。一方で、同市内の病院で最期をみとった支援者の男性は「亡くなる数日前、立てこもった旅館の人たちに『悪いことをしたと伝えてほしい』と頼まれた」と話す。(ソウル共同)
2010/04/19 19:38【共同通信】