明石歩道橋事故:改正検察審査会法に基づく初の強制起訴

2010-04-20 | 裁判員裁判/被害者参加/強制起訴

明石歩道橋事故:元副署長を20日に起訴
 兵庫県明石市で死者11人を出した歩道橋事故(01年7月)で検察官役を務める指定弁護士は19日、県警明石署の榊和晄(さかき・かずあき)元副署長(63)=退職=を業務上過失致死傷罪で20日に強制起訴(在宅)すると発表した。昨年5月施行の改正検察審査会法に基づく初の強制起訴。
 神戸第2検察審査会は今年1月27日、「警備本部副本部長として事故を予見できたのに、不十分な雑踏警備計画を是正しなかったうえ、当日も、歩道橋の状況を把握し通行規制などの事故防止策を指示しなかった」と指摘し、榊元副署長を起訴すべきだと議決(起訴議決)した。
 県警は02年5月、当時の署長(07年に病死)ら11人とともに榊元副署長を書類送検したが、神戸地検は「事故防止に必要な一応の措置は講じた」などとして、榊元副署長や元署長らを不起訴とした。遺族は2度にわたって審査を申し立て、神戸検察審査会(当時)はいずれも「起訴相当」と議決したが、地検は不起訴を繰り返した。
 遺族は法改正を受けて昨年5月、起訴を求めて3回目の審査を申し立て、神戸第2検審は同7月、起訴相当を議決した。地検は同9月に改めて不起訴としたが、検審は今年1月、起訴すべきだとする法改正後2度目の議決をし、強制的に起訴されることが決まった。
 神戸地裁から指定された弁護士3人は、榊元副署長を任意で取り調べるなど補充捜査も行って、起訴状や証拠書面の作成を進めた。【重石岳史、吉川雄策】
毎日新聞 2010年4月19日 21時31分
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明石歩道橋事故
 2001年7月21日夜、兵庫県明石市の花火大会会場の公園と最寄り駅の間の歩道橋で、滞留した多数の見物客らが折り重なって転倒し、11人が死亡、247人が負傷した。起訴議決制度の導入前を含め、神戸地検は榊和晄元県警明石署副署長を4回不起訴とし、検察審査会は起訴相当を3回議決。制度導入後、今年1月に全国初の起訴議決をした。(時事通信2010/04/19-19:45)
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強制起訴
 検察の不起訴処分に対し、検察審査会が起訴すべきとする議決をした場合、検察は起訴・不起訴の適否を検討しなければならない。検察が結論を変えなかった場合、審査会が2回目の審査をし、再び起訴すべきとする議決をした場合、法的強制力を持つ「起訴議決」となる。起訴は、裁判所により選任された検察官役の指定弁護士が行い、公判で起訴内容を立証する。(時事通信2010/04/19-21:03)

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検察審査会 厳正で公平な運用が肝要
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