トヨタ「2月世界販売13%増 北米は2カ月連続前年割れ」「プリウス技術を供与、マツダと正式合意」

2010-03-30 | 社会
【自動車産業ニュース】
トヨタ、2月世界販売13%増 北米は2カ月連続前年割れ
2010年3月30日
 トヨタ自動車が29日発表したグループ全体(ダイハツ工業、日野自動車含む)の2月の世界販売は、前年同月比13・0%増の61万4000台で、5カ月連続で前年実績を上回った。国内が好調だった半面、北米や欧州での販売は2カ月連続で前年実績を下回った。
 北米は5・9%減の11万3000台、欧州は17・7%減の5万4000台で、ドイツが63・6%減と大きく落ち込んだ。米国も8・8%減と低迷したが、販売台数は10万台でほぼ前月並み。減少率は前月比7・0ポイント縮小した。
 世界最大の自動車市場の中国は29・7%増の4万5000台と高い伸びを示したが、増加率は50%を超えた前月から22・9ポイント低下した。
 トヨタ単体の国内販売は、前年同月比49・9%増の14万9000台。看板車「プリウス」のリコール(無料の回収・修理)を2月9日に発表したが、納車が3カ月待ちのため、2月の販売統計には直接的な影響がなかった。
 単体の世界生産は82・7%増の65万5000台で、大規模な生産調整を実施していた前年から回復した。2月1~5日にリコール対象8車種の生産を一時停止した米国も、前年の大減産の反動で69・6%増の8万4000台だった。
--------------------------------------------------
【自動車産業ニュース】
プリウス技術を供与 トヨタ、マツダと正式合意
2010年3月30日
 トヨタ自動車とマツダは29日、トヨタのハイブリッド車「プリウス」の技術を、マツダ側にライセンス供与することで合意したと正式に発表した。マツダはトヨタのハイブリッドシステムと、開発中の次世代エンジンを組み合わせた新型車を2013年までに国内市場に投入する。
 トヨタは技術供与で収入を得るとともに、関連部品の量産などでコスト削減につなげたい考え。また、自社のハイブリッド技術を広く標準化していく狙いもある。一方、マツダは開発費を抑えるとともに、急拡大しているハイブリッド市場に早期に新型車を投入できるメリットがある。
 マツダに特許使用を認めるのは制御システムやブレーキシステム、電池などのハイブリッド基幹装置。トヨタ系部品メーカーがマツダ向けに開発・供給していく形をとるとみられる。
 トヨタがハイブリッド技術を外部に供与するのは、米フォード・モーターと日産自動車に続き3社目。トヨタが筆頭株主の富士重工業も、トヨタと協力して12年にハイブリッド車を市場投入する準備を進めている。
◆思惑が一致
 ハイブリッド技術で手を結んだトヨタ自動車とマツダ。技術競争が激しさを増す中、コストの低減を図りたいトヨタ側と、開発中の新型エンジンとの相乗効果を狙うマツダ側の思惑が一致した格好だ。ハイブリッド技術で優位に立つトヨタの他メーカーの囲い込みが加速している。
 トヨタの内山田竹志副社長(技術担当)は29日「(量産化によって)値段が下がったり、性能の高い部品が供給される」と記者会見でメリットを強調した。
 トヨタは以前から「ハイブリッド車が普及すれば環境社会に貢献できる」との立場。他社へのハイブリッド搭載で量産化が進めば、さらに低コスト化が図れる利点がある。
 ライセンス供与の対象は、電気を制御するインバーターなど3代目プリウスの基幹装置。家庭用電源から充電できる次世代エコカー「プリウス・プラグイン・ハイブリッド」搭載のリチウムイオン電池については供与せず、技術競争力を維持する考えだ。
 一方のマツダ-。会見ではハイブリッド技術の採用は生き残りをかけた選択だったことをにじませた。マツダは「2010年代初頭にはハイブリッドに参入する」と宣言していたが、電池や制御装置などの開発には巨額の投資が必要となる。
 マツダの選んだ戦略は従来のガソリンエンジンで環境技術を磨きながら、ハイブリッド技術は先行するトヨタから供与を受けるというものだった。
 メーカーの枠組みを超えて普及が加速するハイブリッド車。内山田副社長は「他社の要望があれば環境技術の供与を検討する」と強調するなど、さらなるトヨタのハイブリッド拡大に意欲を示した。(荒間一弘、小野谷公宏)
--------------------------------------------------
【自動車産業ニュース】
国内生産7社大幅増 金融危機の反動で拡大
2010年3月30日
 国内の自動車主要8社が29日発表した2月の国内生産台数は、三菱自動車が前年同月の約2・7倍となる5万4638台、トヨタ自動車が2・2倍の30万9933台などダイハツ工業を除く7社が大幅に増加した。金融危機で昨年2月の生産が大きく減少した反動で拡大した。
 海外生産は8社とも大きく伸び、トヨタもリコール問題の影響は限定的だった。ただ08年2月と比較すると、国内と海外の生産を合計した台数が増えているのは中国やインド事業が好調なスズキだけで、本格回復には時間がかかりそうだ。
 国内販売はエコカー減税などが貢献し、主力車「アクセラ」が好調なマツダが32・1%増の2万1157台となるなど、スズキを除く7社が増加した。
 輸出も日産自動車が3・0倍、三菱が2・2倍とホンダを除く7社が大きく増えた。ホンダは現地生産へシフトしており、輸出は17カ月連続で減少している。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。