新日鉄とヴァーレ、4―6月期の鉄鉱石価格100―110ドルで暫定合意=関係筋
2010年03月30日08:55[東京30日 ロイター]
新日本製鉄とブラジルの資源大手ヴァーレは、2010年4―6月期の鉄鉱石価格について、1トン当たり100―110ドルにすることで合意した。ただ、正式合意ではなく、暫定合意だという。関係筋が明らかにした。
値上げは2年ぶり。100―110ドルは、前年度比で90%前後の値上げとなる。
鉄鋼原材料では、原料炭も前年度比55%値上げで合意している。今後、原材料高を自動車メーカーなどに向けた鋼材価格にどの程度転嫁できるかが焦点となる。
また、別の関係筋によると、住友金属も4─6月期の鉄鉱石価格について90%の引き上げでヴァーレと暫定合意した。
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新日鉄、鉄鉱石90%値上げで暫定合意 ブラジル大手と4~6月
2010/3/30/2:02日経新聞
新日本製鉄はブラジルの資源大手ヴァーレと、2010年4~6月期の鉄鉱石価格を09年度より90%前後高い1トン約105ドルとすることで暫定合意した。値上げは2年ぶり。鉄鋼原料を巡っては石炭(原料炭)も一部で55%値上げが決まっている。鉄鋼各社は今後、自動車会社などに鋼材価格の引き上げを要請する見通し。交渉の結果次第では家電や造船など幅広い業種にも影響が広がる可能性がある。
新日鉄とヴァーレが主張する値段には開きがあるため、今後も交渉は続ける。正式価格は4月中にも決め、4月初めにさかのぼって適用する。最終的には過去最高だった08年度の約79ドルを超える公算が大きい。新日鉄と共同で価格交渉に臨む韓国のポスコも90%値上げで暫定合意した。
日本が購入する鉄鉱石が仮に年間を通して9割値上がりすると、鉄鋼業界にとって単純計算で約5700億円(08年度の輸入量ベース)のコスト増要因になる。
鉄鉱石の海上貿易で世界最大手であるヴァーレは新興国での需要増や世界的な生産回復を背景に、3月に大幅値上げと、これまで年1回だった価格改定を四半期ごとに変更するように求めた。新日鉄は改定期間の短縮にも反発しているが、今後値決め方式は3カ月ごとの交渉に変わる可能性が高い。
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新S.「くらべる一面」 編集局から
朝日新聞
90年代、モスクワ支局に勤務しました。「ルビャンカ」と言えば旧ソ連KGBの代名詞。多くの人がその名前を口にする時、恐怖と憎悪の感情が込められていました。夕刊1面に突っ込んだルビャンカ駅を含む地下鉄連続テロの背景にある北カフカス情勢について、「時時刻刻」でたっぷり解説しました。ミャンマーのアウン・サン・スー・チーさんの野党が総選挙ボイコットを決めたのも大きな国際ニュース。1面と3面でその意味を分析しました。(陽)
日本経済新聞
新日本製鉄がブラジル資源大手のヴァーレと、2010年4~6月期の鉄鉱石価格を09年度より90%前後も高い1トン約105ドルとすることで暫定合意したことが29日、分かりました。他の鉄鋼大手の鉄鉱石買い取り価格も同じ水準で上昇する見込みです。 鉄鋼原料を巡っては石炭(原料炭)も一部で55%の値上げが決まっています。鉄鋼各社は今後、自動車メーカーなどに鋼材価格の引き上げを要請すると見られ、交渉次第では家電、建設など幅広い業種に影響が広がる可能性があります。デフレ一色に見える日本にも、資源価格上昇の波が迫っています。(井)
読売新聞
熊本県水俣市の丘に建つ水俣病資料館から望む不知火海(八代海)は穏やかです。しかし昭和30年代、この海は死の一歩手前でした。チッソが垂れ流すメチル水銀で汚染され、多くの住民が苦しみました。資料館では今、語り部が当時の悲惨な状況を語ってくれます。それから半世紀、水俣病不知火患者会と国、県、チッソは熊本地裁が示した和解案に合意しました。水俣病は公害の原点。二度と悲劇を繰り返してはいけません。(三)