トランプ米大統領「米国を移民キャンプにしない」 批判に反発 2018/6/19

2018-06-21 | 国際

トランプ米大統領「米国を移民キャンプにしない」 批判に反発
2018年06月19日
 ドナルド・トランプ米大統領は18日、移民をめぐる「ゼロ寛容」政策への批判を受け、米国は「移民キャンプ」にはならないと発言した。
 ホワイトハウスでの記者会見でトランプ大統領は「米国は移民キャンプにはならない。難民をとどめておく施設にもならない」と話した。
 トランプ政権が推進する移民政策では、米国境を越えた不法移民の親子を別々に収容する措置が取られており、国内外から批判が噴出。国連のザイド・フセイン人権高等弁務官は「恥知らずな」政策だと非難している。
 トランプ氏は政策を擁護するなかで、「欧州で起きたこと、他の場所で起きたことを見てみろ」と話した。
 「私の在任中に米国であのようなことが起きるのは許さない」
 また、欧州諸国が何百万人もの移民を受け入れたのは大きな間違いだと指摘した。
 特にアンゲラ・メルケル独首相を批判しており、ツイッターで「すでにぼろぼろのベルリンの連立政権を移民が壊しているから、国民は政権に背を向けている。力ずくで文化を変えようとする何百万人もの人々を受け入れたのは欧州全体の大きな間違いだ!」」と矛先を向けた。
 メルケル首相は政権内のホルスト・ゼホーファー内相ともこの問題をめぐって争っている。
 トランプ氏はまた、民主党が移民政策の交渉に応じないと批判した。
■「ゼロ寛容」政策とは?
 トランプ政権の「ゼロ寛容」政策では、不法入国した成人を刑事裁判にかける。これには亡命を求める人も含まれる。その結果、何百人もの未成年が収容センターに送られ、親と引き離されている。
 子供だけの収容が増えたことで、シェルターや里親家庭の数が足りなくなっているとの報道もある。
 米国では最近の6週間で2000近い家族がこうした状況に置かれた。
 こうしたなか、トランプ政権はテキサス州の砂漠地帯に子どもたちを収容するテントの仮設住宅地を建設する計画を立てている。この地域では、気温が40度にまで上がる。
■政策を批判しているのは?
 米国内では民主党だけでなく、共和党内からも強い批判が飛び出している。
 メラニア・トランプ大統領夫人は先週末、「子供たちが家族と引き離されるのを見たくない」と述べて夫の政策を批判した。
 また、ジョージ・W・ブッシュ元大統領の夫人、ローラ・ブッシュ氏もワシントン・ポストへの寄稿でこのやり方は「非人道的」で、第2次世界大戦中にあった日系米国人の強制収容所を思い起こさせると批判した。
 民主党からはバラク・オバマ前大統領の妻のミシェル・オバマ氏が、ローラ・ブッシュ氏のツイートを引用し、「時に真実は党派を超える」と加勢した。
 大統領選でトランプ氏と戦ったヒラリー・クリントン氏は、家族を引き離す政策は法律に定められているという、各方面から反証されているトランプ氏の主張は「まったくの嘘」だと話した。
 このほか、チャーリー・ベイカー・マサチューセッツ州知事(共和党)は18日、この「非人道的な」政策に反発し、米南部の国境警備隊を支援する決定を取り消した。
 しかし、共和党議員のほぼ全員はこの政策をめぐってトランプ氏を批判するのを拒んでいる。
 保守派のコメンテーター、アン・コルター氏は、カメラに捉えられた国境で親と引き離され泣いている子供たちが「子役」だと主張した。
 コルター氏はフォックス・ニュースでトランプ大統領に「だまされないで」と呼びかけた。
■トランプ政権の主張は?
 キルステン・ニールセン国土安全保障長官は18日、身分証明のない子供たちは米国の保護下で「しっかり世話されている」と話した。
 その上で、「報道を信じないように」と付け加えた。
 ニールセン長官はルイジアナ州ニュー・オーリーンズで行われた全国保安官協会の年次総会で、「米国民が我々に期待している役割を果たすために、我々が果たしている職務あるいは法執行当局が行う職務について、謝罪するつもりはない」と述べた。
 「違法行為は罰せられなければならない。国境のフリーパスも、刑務所から自由に出られるカードももうない」
 ニールセン氏は17日にも、「国境で家族を引き離す政策などない。以上」とツイートし、大きな批判を浴びていた。
 年次総会にはジェフ・セッションズ司法長官も出席し、オバマ政権が子供連れの成人の不法入国を許していたことを非難した。
 「すぐに釈放され刑罰を受けないと分かっていて、子どもを連れて来ないわけがない」
 (英語記事Trump: US will not be a migrant camp)

 ◎上記事は[BBC NEWS JAPAN]からの転載・引用です *強調(=太字)は来栖 
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〈来栖の独白〉
 アメリカのメディア、日本のそれに勝るとも劣らず。反米・反日左翼。「難民」と、一括りにして云うが、果たして・・・。
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米・不法移民対策で引き離される2000組の親子 トランプ政権の迷走でみえた「アメリカの偉大さ」 六辻彰二 
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『帝国の終焉 「スーパーパワー」でなくなった同盟国・アメリカ』日高義樹著 2012/2/13第1刷発行
(抜粋)
p225 第5部 アメリカが社会主義国家になる
p228~
 オバマ大統領の新しい国民健康保険制度は、オバマ大統領が推進している社会主義的な政策の象徴である。アメリカは、もともとがチャンスの国といわれ、成功した人々が途方もない報酬を手にすることができる。機会は平等だが、結果は平等でないのがアメリカという国なのである。
p229~
 アメリカ政府の統計によると、アメリカ人が支払っている2兆㌦の税金のうち、半分に近い41%を1%のアメリカ人、つまり300万人が支払っている。そしてその300万人の人々は、アメリカの国民総生産のほぼ5分の1、1兆㌦を稼ぎ出している。日本のGDPは5兆㌦あまりといわれているが、ほぼそれに匹敵する国民総生産を300万人のアメリカ人がつくりだしているのである。
 すでに述べたように、アメリカ人の半分近くの人は税金を払わず、アメリカ政府から生活保護費、医療費、それに食糧クーポンまでもらっているのである。
 「これはまさに社会主義」
 『ウィークリー・スタンダード』のノミエ・エネディ記者はこう述べているが、こうした状況が、アメリカを窮地に追い込んでいるのである。
p230~
 アメリカ人の3分の1にのぼるヒスパニックやアフリカ系のアメリカ人が全てではないが、その多くが「アメリカに行けば、ただで国が養ってくれる」と考えて、アメリカにやってきた人々である。オバマ大統領が推し進めている福祉拡大政策は、民主党特有のものであると同時に、三つ目のアメリカを構成している人々の考え方を反映しているのである。
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