神戸連続児童殺傷15年 犠牲者の父 土師守さん「地元で活動模索」 / 加害男性からの手紙

2012-05-23 | 神戸 連続児童殺傷事件 酒鬼薔薇聖斗

神戸連続児童殺傷15年 犠牲者の父「地元で活動模索」 
 中日新聞2012/5/23Wed.朝刊
 神戸連続児童殺傷事件で土師(はせ)淳君=当時(11)=が犠牲となってから24日で丸15年。父親の守さん(56)が神戸新聞社のインタビューに心境を語った。犯罪被害者の権利確立に走り続けた日々。「求めてきた成果はあった」とする一方、「これからは地元を主体に継続的に活動したい」と口にする。「(被害者と同じ分だけ)苦しみ抜いてほしい」。社会復帰した加害男性(29)への憤りは今も消えない。最愛の家族を亡くした悲しみを抱えたまま15回目の命日を迎える。(飯田 憲、前川茂之)
 今月18日、代理人弁護士から、加害男性の手紙を受け取った。医療少年院仮退院中の2004年に初めて届き、今年で9通目。当初は開封にためらったが、ようやく目を通せるようになった。
 男性は7月で30歳。結婚しているのか、子どもはいるのか。文面から具体的な生活状況はうかがえない。しかし、「近況を知る権利と義務がある」と明言する。顔を合わす気はないが、罪の償いに被害者の存在が欠かせないと考えるからだ。
 ここ数年、事件をめぐり、周囲の記憶の風化を感じる。医師として勤務する病院では、自身を事件の被害者遺族と知らない職員が多くなった。
 「家族さえ忘れなければいい。その分、普通の家族より絆は深まった」。妻と淳君の兄の長男(28)との3人暮らしは、事件後も変わらない。職場で淳君と同い年の職員を見たりすると、ふとこれまでの歳月を考えてしまう。
 「全国犯罪被害者の会(あすの会)」の幹事を務め、司法から取り残された被害者の現状を訴えてきた。犯罪被害者基本法をはじめ、刑事裁判や少年審判への被害者参加、公訴時効の延長・廃止…。この15年で取り巻く環境は劇的に変わった。
 依然、経済補償など課題はあるものの、「被害者の“象徴”になる時期は終わった」と守さん。「24時間365日、被害者ではいられない。僕にも仕事や家族がある」。そう言えるようになった。
 次の目標は、自分が得た経験を地域に役立てること。「目に見える範囲の被害者の支えになりたい」。継続的な支援の難しさを痛感しているがゆえに、可能な限り、かかわるつもりだ。 
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