光市母子殺害事件弁論補充書「殆ど全て破棄自判であり、原判決よりも被告人に有利な自判である」

2007-07-31 | 日録

http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/kiyotaka/hoju1-2-1.htm

 量刑不当を理由とする破棄には最高裁は極めて慎重であり、破棄事例は刑訴法施行以来永山判決に至るまでわずか19件しかなく、それら破棄事例のほとんど全て破棄自判であり、その内容はすべて原判決よりも被告人に有利な内容の自判である。
 永山判決は、最高裁が検察官の上告により量刑不当を理由に原判決を破棄した初めての事例として話題となったが、その後、検察官の上告により量刑不当を理由に原判決を破棄した事例は、死刑求刑検察官上告5事件のうち、福山市独居老人殺害事件(被告人において前刑が強盗殺人による無期懲役刑で仮出獄中に再度強盗殺人を犯した事案・最高裁第2小法廷平成11・12・10判例時報1701号166頁)だけである。

----------------------------------

<来栖のつぶやき>

http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/kiyotaka/colum10-because.htm 
「光市の母子殺害事件上告審~なぜ最高裁は破棄自判をしなかったのか?」

 ほぼ1年前である。光市事件が最高裁で差し戻しとなった。拙い感想を当ブログに書いた。それに対し、春霞さんからコメントとTBを戴いた。そのTBに導かれて春霞さんのサイトを訪問した。

http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/

 拝見するほどに、専門知識の豊かさ・識見の高さ・正しさに魅了された。私の真に貧しく拙いブログ開設の意義は、この御方と出会えたことに在ったと言ってもいいような気さえした。

 本日、補充書を書き写していて、一年前春霞さんが触れておられた「福山市独居老人殺害事件」や「破棄自判」という言葉を、光市事件の弁論という新たな場で再び目にすることとなった。昨年来、この文字を私は幾たび目にしたことだろう。感慨深い。司法への知識と理解を、私は多く春霞さんに負うている。幸いな者である。

  ところで、最近この拙いブログとサイトは、私の感知しない所でまでURLがコピペ或いはリンクされ、千客万来の様を呈するようになった。時に、怖いような気がする。けれど私には、春霞さんを始めとして、お尋ねすれば教えてくださる人がいる。

 ご来訪の皆様に、心より感謝している。

 このところ、rice_showerさん御推奨の『反転』(田中森一著)を面白く読んでいる。『キリストの棺』も、手元にある。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。