弁護人安田好弘さんの講演(2006/6/19)から。
「自白調書から見える検察の意図」続き
驚くことに、第1審も控訴審も、何の躊躇もなく、検察官の主張通りの事実を認めたんです。もちろん、弁護人も争いもしませんでした。弁護人が唯一争ったのは、強姦目的を持って被害者宅に行ったのではない、家に入った後、強姦の故意を抱いて、被害者を襲ったんだと主張したんです。しかし、それでさえ、事実と違っていたのです。
しかし、被告人がそのように供述しているにもかかわらず、検察官も弁護人も裁判官も、全員が、彼の供述に反応しなかったんです。その鈍感さは一体何なんでしょうね。もっとも、最高裁の段階になって、そのことに検察官が気がつきました。検察官はこのように言っているんです。控訴審の判決は、被告人が反省していると認定しているが、現に被告人は1審の法廷で、否認しているじゃないかと。つまり否認しているということは反省していないことの何よりの証左ではないかと言っているんです。しかし、1審の論告あるいは控訴審では全然そこに触れていないんです。つまり本人が法廷で否認したのが全部無視されてしまったわけですね。⇒
⇒ 光市最高裁判決と弁護人バッシング報道〔3〕自白調書から見える検察の意図 事件は少年法改悪に利用された