徳洲会事件 よくある話 事件の表面化は内部抗争から 能宗(のうそう)克行容疑者と徳田ファミリー

2013-12-11 | 政治

徳洲会事件 発端は組織の“汚れ仕事”担った金庫番
 dot.(更新 2013/12/10 16:00)
 公職選挙法違反や横領などで世間を賑わしている徳洲会事件。特捜部などが11月に徳田虎雄前理事長(75)の娘2人を含むグループ幹部6人を逮捕したのを皮切りに、警視庁が12月3日、元専務理事兼事務総長の能宗(のうそう)克行容疑者(57)を、グループ関連会社から3千万円を横領したとして業務上横領の疑いで逮捕。その翌日、特捜部は、次女・スターン美千代容疑者(46)らを公選法違反容疑で再逮捕すると同時に、懸案であった虎雄氏の妻・秀子容疑者(75)の逮捕にも踏み切った。
 よくある話だが、これらの事件が表面化したのは、ドロドロの内部抗争からだった。長らく虎雄氏の最側近として政界工作をはじめとする“汚れ仕事”を一手に担ってきた能宗容疑者は、徳洲会の元「金庫番」として、カネの流れのすべてを知り尽くす存在だ。ところが、10年ほど前に虎雄氏が難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患って以降、病院経営への関与を強める徳田ファミリーと対立。昨年9月に事務総長職を解かれ、今年2月に懲戒解雇となりグループから追放された。
「抗争に敗れた能宗氏は、一矢報いることを考えます。事務総長として経営や実務を取り仕切ってきた内部資料を、ごっそり検察に持ち込んだのです。そして事件化したのが、虎雄氏の次男・毅衆院議員(42)が3選を果たした昨年12月の衆院選をめぐるカネの問題でした。猪瀬直樹・東京都知事に現金5千万円を渡した問題が明るみに出たのも、ここが発端。しかし同時に、ネタ元である能宗氏も逮捕してしまうあたり、検察はやはり冷酷ですね」(司法記者)
 選挙違反事件と横領事件。この同時並行する二つの事件は、いわば“ケンカ両成敗”なのだ。
 徳田ファミリーが能宗容疑者に対して抱いた疑惑は、億単位の使途不明金の着服や、暴力団との交際などだった。帳簿や契約書類を徹底的に洗った結果、虎雄氏を失脚させ、グループ乗っ取りまで画策していた形跡があったという。
「能宗氏の解雇は、ファミリーたちがそこまで気が付いて決断した。これによって最悪の事態は免れた」(徳洲会関係者)
AERA 2013年12月16日号より抜粋
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◇ 徳洲会事件「能宗(のうそう)メモ」どこまで波及 亀井静香氏・石原慎太郎氏・猪瀬直樹氏・徳田虎雄氏 2013-11-24 | 政治 
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三島由紀夫が東京・市ケ谷の自衛隊に乱入、自決して43年 / 三島の生涯を描いた猪瀬直樹著『ペルソナ』 2013-11-24 | 政治 
 【産経抄】11月24日
 産経新聞2013.11.24 03:1
 明日25日で三島由紀夫が東京・市ケ谷の自衛隊に乱入、自決して43年になる。この事件に至る三島の生涯を描いた作品に、猪瀬直樹氏の『ペルソナ』がある。樺太庁長官だった祖父の代から、官僚の日常性と三島の生き方とを対比させた力作だ。▼猪瀬氏は事件で三島自身が作った「自死の設計図」が、いくつか狂ったことを指摘する。切腹前バルコニーから自衛官に決起をうながした場面もそうである。三島の意に反し、自衛官たちは決起に応じるどころか「ばかやろう」「引っ込め」と罵倒するばかりだった。▼『ペルソナ』によれば当日、市ケ谷の主力部隊は富士の演習場へ行っており、残っていたのは通信などにあたる隊員らだった。三島はそのことを知らず誤算のもととなった。その上で猪瀬氏は、最期まで自らの設計図通りにいかなかった三島の心境を思いやるのだ。▼その事件の日を目前に、今や東京都知事となった猪瀬氏が金銭スキャンダルの渦中の人となった。知事選前、医療法人「徳洲会」から5千万円を受け取っていた。猪瀬氏は借金ですでに返したと説明している。だが道義的に厳しい立場に追い込まれたことは間違いない。▼猪瀬氏も知事になるため自ら設計図を描いていたのだろう。その中に5千万円の「借金」もあったのかもしれない。ただ最大の誤算は徳洲会が大がかりな選挙違反事件を起こし、司直の手にかかったことである。その捜査の過程で5千万円が浮かび上がったのだ。▼一方で、会見では借金が「選挙のため」だったかについて説明を転々とさせた。政治家として未熟さもうかがわせている。緻密な考証で知られたノンフィクション作家からの「転身の設計図」が妥当だったのかと、ついつい思ってしまう。
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〈来栖の独白 2013/11/24 〉
 同感だ。作家としての猪瀬氏は、好ましかった。『ペルソナ』の末尾、以下。
“ 三島が切腹して6時間後、六本木の防衛庁本館で事務次官の送別パーティが開かれて、五百本のビールの栓がつぎつぎに抜かれた。その日のパーティをなぜ延期しなかったかと問われた広報課長は「三島事件のようなハプニングに左右されることは全然ない」と答えた。官僚たちはひたすら<彼らの日常性を“防衛”したのである。> ”
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