防空識別圏設定から見る習近平の焦燥 矢板明夫 『Voice』2014年1月号

2013-12-11 | 国際/中国/アジア

矢板明夫(産経新聞中国総局特派員)
防空識別圏設定から見る習近平の焦燥 〔1〕
Voice 2014年1月号掲載) 2013年12月10日(火)配信
<脆弱な?政権は少数民族の反乱に対し軍に迎合するしかない>
テロ組織は事?件に関与したのか
 中国共産党の重要会議である第18期中央委員会第3回総会(三中総会)が閉幕した4日後の2013年11月16日、北京から3000km以上離れた新疆ウイグル自治区マラルベシ県で、公安局の派出所が9人のウイグル族の若者に襲われ、計13人が死傷した。
 目撃者情報などによると、斧や刀、手製の爆弾などで武装した9人は、2台の自動車に分乗して同日夕方5時過ぎに派出所の敷地に突入した。庭にいた派出所の職員一人を殺害したあと、建物に入ろうとしたところ、中にいた警察官が発砲して交戦状態となった。しばらく対峙状態が続いたが、緊急連絡を受けたほかの派出所の警察官が次々と応援にやって来た。
 銃声を聞いて近くの市場にいた約50人の地元住民も派出所の近くに集まってきた。襲撃する若者のなかに知人や親族がいるかもしれないと考えた住民らは、派出所に入っていく警察官らに対し発砲しないように訴え続けた。「どうしても撃つなら、頭ではなく手と足を撃ってくれ」と懇願した老人もいたという。
 しかし、こうした訴えは聞き入れてもらえなかった。しばらくして9人は全員射殺された。事件後に現地に入って取材した米国人記者によると、9人のうち、いちばん若いのは17歳、最年長でも23歳にすぎなかった。彼らは同じ地下モスクに所属しているという。地下モスクとは、中国当局の許可を受けていない自宅などで秘密に礼拝を行なうイスラム教の集まりの俗称で、新疆全域で少なくとも数百はあるといわれている。地下モスクでは、過激な教義を教えられることが多いという。
 9人が派出所を襲った理由は明らかではない。4月に同県で起きた死者21人のウイグル族と警察の衝突事件への報復の可能性がある。
中国当局は事件の直後、「外国のテロ組織が関与した組織的、計画的なテロ事件」と断定し、地元で大規模な捜査を開始した。11月22日現在、すでに100人近くのウイグル族が拘束されたとの情報がある。
 一方、地元のウイグル族のあいだでは、外国テロ組織の関与を否定する声が多い。中国当局による少数民族政策への不満と、宗教弾圧への反発がもっとも重要な原因とみている。あるウイグル人は外国メディアの電話取材に対し「死んだ若者たちが襲撃したのは民間人ではなく、武装された警察官だからテロリストではない。われわれにとって彼らはウイグル独立のために戦った立派な軍人だ」と語ったうえで、「もし国際テロ組織の支援を受けたなら、彼らはもっとよい武器が手に入ったはずだ」とも指摘した。「私たちウイグル人はいま、政府に完全に追い詰められている。こういうかたちで反抗するしかなかった」と涙声で訴えた。
危機管理能力不足を露呈した習近平
 事件翌日の17日の『中国青年報』など中国の主要各紙は、この派出所襲撃事件について、国営新華社通信が配信した約100字の短い記事だけを掲載した。若者たちを「暴徒」と決め付け、事件の死傷者の数を伝えたうえ「社会秩序は回復された」と強調した。ある全国紙の編集者は「共産党宣伝部からこの件について取材も論評もしてはいけないといわれた」と語り、当局から情報規制が敷かれたことを認めた。
 中国の官製メディアが、三中総会の“偉大なる成果”の宣伝キャンペーンを展開する最中に、このような政府に公然と対抗する事件が起きたことで、習近平政権はメンツを失う結果となった。報道規制の背景には事件の影響を最小限に抑えたい当局の思惑があるとみられる。しかし、これほど大きな事件の詳細を検証せず、拙速に結論を出して、取材も論評をも禁止することは、今後に大きな火種を残すと指摘する声もある。
 ウイグル族を支援する北京の人権派弁護士は「ろくな調査もせずに9人をテロリストと決め付けるやり方は無責任だ。彼らが派出所を襲った動機は何か。全員を射殺する必要があったのか。情報をすべて公開し、しっかり検証しなければ、また同じような事件が起きる」と指摘した。そのうえで「いまのやり方では、漢族によるウイグル族への差別がますます増長し、ウイグル族の当局への不信感もますます深まる。事態のさらなる悪化は避けられそうもない」と話した。
 習近平政権になってから、少数民族と当局の対立は以前と比べて深刻化したと証言する少数民族関係者が多い。前任者の胡錦濤氏は少数民族地域の貴州省とチベット自治区のトップを務めた経験があり、アメとムチを使い分けることがうまかったといわれる。
 胡氏は国家主席在任中、警察力を使って少数民族の反発を抑える一方、インフラ建設などで巨額な資金投入も同時に行ない、雇用をつくり出した。警察幹部など公務員に少数民族出身者をも積極的に登用した。インドに亡命中のチベット仏教の最高指導者のダライ・ラマ14世側と何度も対話を実施し、チベット独立派を懐柔した。胡氏は在任中の10年間、少数民族問題への対応で大きな失敗をしなかった。
 胡氏と比べて、習国家主席は少数民族地域で暮らした経験もなければ、指導者として危機を処理したこともない。2009年7月に、ウルムチでウイグル族暴動が起きた際、当時の国家主席の胡錦濤氏は欧州訪問中だったため、国家副主席だった習近平氏が暴動対策チームの責任者となった。
 しかし、事態を穏便に処理しようとした温和派と、武装警察の大量投入を主張する強硬派のあいだで右往左往し、事態を拡大させた。結局、胡錦濤氏はイタリア訪問の日程を途中で切り上げて早期帰国し、緊急政治局会議を開き、漢族のウルムチ市党委書記を更迭するなど一連の対策を講じて、事態はようやく沈静化した。
この件で、習近平氏は危機管理能力の不足を露呈させたかたちとなった。
 習氏のいまの少数民族政策は、「アメをほとんど与えず鞭打ちばかり」といわれている。2013年春から夏にかけてウイグル族地域で大きな暴力事件が3件連続して発生したことを受け、8月から同地域で、刃渡り15cm以上の刃物を強制的に回収する「刀狩り」キャンペーンを開始した。遊牧民族であるウイグル族には羊をさばくためにつねにナイフを持ち歩く習慣があり、ナイフを取り上げられることは成年男性にとって大きな侮辱にあたることから、反発が大きかった。
 また、新疆南部のホータン地域などで「男性は40歳までひげを蓄えてはいけない」という規定も設けられた。漢族の警察官から見れば、ひげを蓄えているウイグル人はみな同じように見えるため、犯罪が発生した際に捜査しにくい事情があるほか、ひげを蓄えることはイスラム教の伝統であるため、若者を宗教から切り離したい狙いもあるといわれている。
 こうした少数民族の文化、宗教伝統を破壊する習政権のやり方が、ウイグル族の政府への不満を募らせた。これまでに漢族と友好的だった多くのウイグル族が政府に協力しなくなる結果を招いた。
各地で急増する「陳情テロ」
 新疆ウイグル自治区での派出所襲撃事件をはじめ、2013年夏以降、中国各地で同じような大量殺傷を狙った暴力事件が相次いで発生している。
 7月20日に北京国際空港のターミナルで車椅子に乗った男が、爆竹の火薬を材料に造った手製の爆弾を爆発させ、二人をけがさせた。10月28日には北京市中心部でウイグル族の3人が400リットルの市販のガソリンを自動車に積み、天安門楼上に掲げた毛沢東の肖像画をめざして突入・炎上させて約40人が死傷した。実行犯の3人は、夫婦と70歳のその母親だった。一家の親族が警察に殺害されたとの情報もあった。
 さらに11月6日、山西省太原市の共産党委員会の庁舎ビル前で、連続爆発事件が発生。
手製の爆弾のなかに詰められたクギや金属玉が飛び散って、一人が死亡、8人が重軽傷を負った。数日後、地元政府に陳情を繰り返した41歳のタクシー運転手の男が逮捕された。中国の司法関係者によれば、この男は死刑判決を受ける可能性が高い。
 一連の凶悪事件で共通しているのは、身近な材料で簡単につくれる凶器が使用されたことだ。それほど殺傷力は高くないことから、犯人はプロのテロリストではなく、当局に不満をもつ一般民衆であることを強く印象づけた。
 ウイグル族の事件も漢族の事件も、背景には、政府の理不尽なやり方や党官僚の横暴や腐敗に対する一般庶民の不満があった。今回の三中総会の期間中、土地の強制収用や冤罪などの不満を最高指導部に訴えるため北京に集まった陳情者は数万人にも及んだといわれる。
 当局へ陳情を繰り返したにもかかわらず解決の見通しが立たないため、絶望状態に陥った陳情者が世間の注目を集めるために大量殺傷を狙った事件を、北京の人権派弁護士のあいだでは「絶望型陳情事件」または「陳情テロ」と呼んでいる。
 2012年11月に習近平政権が発足して以降、「陳情テロ」が急増している。その原因について、ある弁護士は「政権交代によって、施政方針が変更されたことと関係している」と指摘している。2012年まで続いた胡錦濤政権は、貧富格差の解消などをめざし「和諧(調和のとれた)社会」という政策スローガンを掲げていた。
 たとえば、2005年に「陳情評価制度」を全国で導入し、北京で全国からの陳情を受け付け、集計をする。同じ地域から来る陳情者の数が多ければ、その地方指導者の責任を問うというやり方を実施した。陳情者の問題を早期解決するように地方政府に圧力をかける目的だった。
 結果として、北京に陳情者が多く集まり、地方政府が彼らを強引に連れ戻す暴力事件が頻繁に発生した。「陳情評価制度」はうまく機能したとはいえないが、弱者にとって問題解決の窓口があることは大きな救いだったといえる。
 また、温家宝前首相は在任中よく各地の陳情者が集まる場所に出かけ、要望を聞き入れた。パフォーマンスともいわれ、実際問題が解決されることは少なかったが、政権が陳情者たちに対し一定の配慮を示したことで、弱者たちにとって大きな希望となっていた。
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防空識別圏設定から見る習近平の焦燥 〔2〕
 PHP Biz Online 2013年12月10日 公開 矢板明夫(産経新聞中国総局特派員)
『Voice』2014年1月号より》〔1〕からのつづき
トラブルの解決を地方政府に丸投げ
 習近平政権が誕生して以降、「和諧社会」のスローガンが消え、富国強兵を目的とする「中国の夢」「中華民族の偉大なる復興」といった民族主義を煽るスローガンを唱えるようになった。「弱者たちは切り捨てられた」と感じる陳情者が多い。2013年になってから「陳情評価制度」は実質的に廃止された。新最高指導者のなかに、温家宝氏のようなパフォーマンスをする人もいなくなった。
 今回の三中総会後に発表されたコミュニケ(広報)のなかでは、陳情制度の改革についても言及しており、「地元で解決するシステムの構築」が強調された。具体案は不明だが、中央政府は今後、地方からの陳情者を受け付けなくなり、トラブルの解決を地方政府に丸投げするとも読み取れる。
 近年、多くの陳情者が北京に集結し暴力事件を起こすなど、北京の治安当局の圧力は毎年のように大きくなったことが背景にある。習近平主席は10月ごろから、各地方政府に対し、社会矛盾の緩和について「楓橋経験を学べ」と指示している。1960年代に浙江省の楓橋という小さな町の政府が、地元のさまざまなトラブルを上級政府に迷惑をかけず、すべて自力で解決したことを当時の毛沢東主席に高く評価された経緯がある。
 習主席は死語となっている楓橋経験という言葉を50年ぶりに持ち出し、「トラブルを地元で解決するシステム」を強調したのは、北京に集まる陳情者の数を減らそうとした狙いがあると指摘される。しかし、陳情者を応援する北京のNGO関係者は「陳情者たちは地方政府に対する不満があるから北京に来ているのであって、トラブルの当事者に問題の解決を任せるようなやり方は、逆に対立を激化させる」と指摘している。
 また、三中総会後に発表された陳情制度改革のもう一つの目玉は「インターネットにおける陳情受け付けの実施」だが、これに対し陳情者たちの反応は冷ややかだ。農地を地元政府に強制収用され賠償金をもらえなかった遼寧省の女性は、「私たちが毎日のように役所の前で土下座しても問題は解決しないのに、ネットに書き込むだけなら彼らは無視するに決まっている。役人を楽にさせるだけだ」と話している。
高圧姿勢は自信のなさの裏返し
 習主席が高圧的な姿勢を取っているのは少数民族と陳情者だけではなく、自由派、改革派知識人もその対象となっている。米国に本部を置く国際人権団体の統計によると、2002年から12年まで続いた胡錦濤政権時、国家政権転覆扇動罪などの容疑で投獄した政治犯、思想犯は10年間で計66人いた。これに対し、習近平政権が発足してから1年で、拘束者はすでに200人を超え、胡時代の約3倍を数えた。
 しかも胡錦濤時代に逮捕されたのは、2010年度のノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏のように、共産党一党独裁体制を批判する活動家が多かったが、習時代になってから、共産党政権を否定しない温和な体制内改革派も弾圧の対象となった。
 共産党幹部の資産公開を求める署名運動を展開した北京郵電大学の講師、許志永氏とその仲間、計16人が8月までに全員拘束された。翌月に許氏の活動を応援した著名な投資家、王功権氏も、公共秩序を乱した容疑で北京の公安当局に逮捕された。許氏と王氏はいずれも著名人で、政府に反対せず、理性的な行動で法治や民主、人権擁護などをめざす新公民運動を提唱していた。
 習政権の一連の強硬政策は、共産党一党独裁体制の強化を図るためであり、その政治的手法も毛沢東を真似したものと指摘されている。毛沢東時代の「反腐敗」「反浪費」などの政治運動も最近になって復活した。
 習近平氏の父親である習仲勲元副首相は、中国の改革開放に大きく貢献した改革派で、毛沢東が主導した文化大革命中に激しい迫害を受けた人物である。習氏が父親の政治スタンスと一線を画し、その“敵”である毛沢東の継承者になろうとしている背景には、毛沢東の威信を借りて、自らの支持基盤である軍と保守派を固め、政権の求心力を高めたい政治的な打算があると指摘される。
 習政権が強権政治を進めるもう一つの理由は、強いリーダーを演出し、自身の政権基盤の弱さを補強したい思惑がありそうだ。習氏に近い共産党筋によれば、各派閥間の妥協によって最高指導者に選ばれた習氏はいま、江沢民、胡錦濤両氏が率いる二つの大きな派閥からにらまれている。政権中枢に習氏の側近が少なく、もっとも支持を頼っているのは強硬派といわれる軍や保守派であり、いまの政権運営はその意向を強く反映している。
 習政権が誕生して1年近く経ったが、成果といえるものはまだ何もない。株価も景気も低迷し、外資が次々と中国から引き揚げ、多くの地方政府は財政破綻の危機に瀕している。物価も高騰し、北京を中心に中国北方で空気汚染などの環境悪化が目立った。
 外交面では対米や周辺国との関係が一向によくならず、中国包囲網が完成されつつある。習政権が国民に対し胸を張って自慢しているのは、沖縄、尖閣諸島に定期的に公船を派遣し、日本に対し強硬姿勢を続けたことだ。「国際秩序を挑発する行為」と一部の改革派から批判されているものの、中国の世論、とくに若者を中心としたネット世論の支持を受けている。
 11月23日、習政権は国際社会や周辺国への事前の説明なく突然、東シナ海で防空識別圏を設定したのも、こうした世論に迎合する狙いがあるといわれている。朝鮮半島の南側から台湾の北側、日本の南西諸島に沿うように設けられた中国の防空識別圏は、日本の防空識別圏と多くの部分が重なり、自衛隊や在日米軍が日頃の訓練や演習を行なう空域が含まれている。中国国防省は、圏内に入る飛行機に対し飛行計画を中国側に事前通告することを義務付けたうえで、「不審機に対し中国軍は緊急措置を取る」と語っているから、穏やかではない。
 北京に駐在する欧州の外交官は、「北東アジアの軍事的緊張はこれで一気に高まる。中国政府は火遊びをしている」と中国を批判している。中国の防空識別圏設定後、日本、米国、韓国、台湾などから「覇権主義」などとの批判が上がっているが、中国は「防空識別圏の設定は中国の権利」と主張。強気な姿勢を崩していない。
 防空識別圏の設定で中国の外交環境はさらに悪化し、孤立が深まったが、「いま、習政権は国内をまとめるのに精一杯で、外交環境を改善するゆとりはない」と共産党関係者が証言している。
 「防空識別圏は、習政権が軍の支持を固めるための手段だ」と別の党関係者が指摘する。「空軍の同空域における活動範囲は以前の12倍に拡大した。防空のミサイル部隊の装備も補強される。2014年の予算の大幅拡大が予想され、軍幹部たちは大いに喜んでいる」と指摘している。
権力闘争の弾みで尖閣諸島の急襲も
 中国政治を研究する北京の学者は、「習主席はいま、軍と保守派、治安機関の支持を固めつつあるが、逆に知識人や改革派には政権への失望感が広がっている」と話す。
 中国共産党政権はいま、軍と警察機構をしっかり掌握しているため、最近の一連の弱者の反乱が直ちに政権崩壊につながることはないと見る人が多い。しかし、党内の権力構造に影響を与える可能性は大きいといわれている。習政権が特権階級、国有企業を優先する政策を主導しているため、一般庶民の生活は苦しくなり、人権状況も悪化している。「1年前と比べて、国民のあいだで習主席の人気が落ちはじめた。改革派への支持が高まりつつある」と指摘する党関係者もいる。
 暴力事件が相次いで発生したことは、習主席が主導した高圧政策が裏目に出たかたちとなった。政敵に口実を与え、習主席にとって大きな痛手となったことは否めない。三中総会と前後して、習主席と距離を置く改革派の温家宝前首相や汪洋副首相らは地方視察や外国要人との会談を積極的にこなし、活動を活発化させている。
 汪副首相は11月19日、訪中した日中経済協会(張富士夫会長)とも会談し、日本との経済交流の大切さを強調した。これまでの習政権の対日姿勢と一線を画した行動として国内外で注目された。
 2014年3月の全国人民代表大会に向け、改革派が習主席に近い張春賢新疆ウイグル自治区書記に対し一連の暴力事件の責任を問う準備をしているとの情報もある。張氏の更迭が実現すれば、習近平氏はさらに求心力が弱くなるとみられる。共産党内の事情に詳しい関係者によると、党内で習氏の政治、外交、経済政策に対し大きな不満をもつ人が多い。政権発足してからまだ間もないという事情もあり、いまは静観している。今後、習主席が大きな失敗をしたとき、改革派が一気に政権の主導権を奪う動きに出てくる可能性があるという。
 内政、外交の足並みがそろわず、権力闘争が激化する可能性をはらむ中国にとって、日本との外交は重要テーマではない。日本がいますべきことは、中国国内の混乱に対応できるようにしっかり準備することだ。権力闘争の弾みで尖閣諸島を急襲攻撃するスキを与えないように、法整備を含めて尖閣防衛体制を急いで構築するほか、日米同盟を再び強固なものにすることが大事だ。
<掲載誌紹介>
 『Voice』2014年1月号
<読みどころ>中国が尖閣諸島上空に防空識別圏を設定したことで、日米は強く反発し、各国メディアは東アジアが「世界の火薬庫」になったと報じた。いま中国国内では、果たして何が起こっているのか。総力特集では、中国評論の第一人者石平氏と中国ウォッチャーの福島香織氏が緊急対談。天安門への車両突入事件や共産党委員会ビル前での連続爆破事件など、国民の不満が爆発している背景を深読みする。また、世界ウイグル会議総裁のラビア・カーディル氏に緊急インタビュー。事件が頻発する新疆ウイグル自治区で何が起こっているのかを伺った。さらに、防空識別圏、シャドーバンキング、環境汚染の実態など、世界第二の経済大国が抱える内憂外患を各方面から分析している。第二特集は「真珠湾とヤルタ」。そのほか注目記事として、リフレ派の代表的な論客岩田規久男氏に、日本銀行副総裁としての立場からその本音を語ってもらった。
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