産経ニュース 2015.11.27 17:33更新
【菊地直子被告逆転無罪】「テロの認識あったと言えない」東京高裁 被害者は「罪の意識持っていたはず」
東京高裁での逆転無罪判決を受け、釈放される菊地直子元オウム真理教信者(中央)=27日午後5時12分、東京・小菅の東京拘置所
オウム真理教による平成7年の東京都庁郵便物爆発事件に関与したとして殺人未遂幇助(ほうじょ)罪などに問われ、1審東京地裁の裁判員裁判で懲役5年を言い渡された教団元信者、菊地直子被告(43)の控訴審判決が27日、東京高裁で開かれた。大島隆明裁判長は「菊地被告にテロ行為で人を殺傷する認識があったか疑問が残る」として1審判決を破棄、無罪を言い渡した。菊地被告は判決後、東京拘置所から釈放された。
菊地元信者は平成7年5月、爆薬の原料となる薬品を山梨県内の教団施設から東京都内のアジトに運搬。アジトで製造された爆発物は都庁に郵送され、開封した当時の都知事秘書、内海正彰さん(64)が指を失うなどの重傷を負った。事件は地下鉄サリン事件などに伴う教団への捜査を攪乱(かくらん)させる目的で行われた。
裁判の争点は「菊地元信者に、運搬した薬品が爆発物などの危険物の製造に使われるという認識があったかどうか」だった。
検察側は「アジトに頻繁に出入りし、教団幹部らと会話していたほか、爆薬の製造を手伝っており、危険物製造の認識はあった」と主張。一方、菊地元信者や弁護側は「薬品は教団が地下鉄サリン事件とは無関係であることを証明するための実験に使われると思っていた。爆薬の原料だとは認識していなかった」などと無罪を主張していた。
1審判決は、元教団幹部・井上嘉浩死刑囚(45)の「爆薬を菊地元信者に見せてねぎらった際、菊地元信者は『頑張ります』と答えた」とする証言などから、菊地元信者には危険物製造の認識はあったと認定、実刑判決を下した。
しかし、27日の東京高裁は「井上死刑囚の証言は事件から約17年後になされたにも関わらず不自然に詳細かつ具体的で、信用性には疑問が残る」と判断。「1審判決は、根拠の不十分な推認を重ねたもので、是認できない」と結論付けた。
被害者の内海さんは判決を受け、「菊地元信者は長年逃亡生活を続け、罪の意識を持っていたはずだ。無罪判決は残念だ」とするコメントを出した。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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2015.11.27 17:33更新
【菊地直子被告逆転無罪】「テロの認識あったと言えない」東京高裁 被害者は「罪の意識持っていたはず」
東京高裁での逆転無罪判決を受け、釈放される菊地直子元オウム真理教信者(中央)=27日午後5時12分、東京・小菅の東京拘置所
オウム真理教による平成7年の東京都庁郵便物爆発事件に関与したとして殺人未遂幇助(ほうじょ)罪などに問われ、1審東京地裁の裁判員裁判で懲役5年を言い渡された教団元信者、菊地直子被告(43)の控訴審判決が27日、東京高裁で開かれた。大島隆明裁判長は「菊地被告にテロ行為で人を殺傷する認識があったか疑問が残る」として1審判決を破棄、無罪を言い渡した。菊地被告は判決後、東京拘置所から釈放された。
菊地元信者は平成7年5月、爆薬の原料となる薬品を山梨県内の教団施設から東京都内のアジトに運搬。アジトで製造された爆発物は都庁に郵送され、開封した当時の都知事秘書、内海正彰さん(64)が指を失うなどの重傷を負った。事件は地下鉄サリン事件などに伴う教団への捜査を攪乱(かくらん)させる目的で行われた。
裁判の争点は「菊地元信者に、運搬した薬品が爆発物などの危険物の製造に使われるという認識があったかどうか」だった。
検察側は「アジトに頻繁に出入りし、教団幹部らと会話していたほか、爆薬の製造を手伝っており、危険物製造の認識はあった」と主張。一方、菊地元信者や弁護側は「薬品は教団が地下鉄サリン事件とは無関係であることを証明するための実験に使われると思っていた。爆薬の原料だとは認識していなかった」などと無罪を主張していた。
1審判決は、元教団幹部・井上嘉浩死刑囚(45)の「爆薬を菊地元信者に見せてねぎらった際、菊地元信者は『頑張ります』と答えた」とする証言などから、菊地元信者には危険物製造の認識はあったと認定、実刑判決を下した。
しかし、27日の東京高裁は「井上死刑囚の証言は事件から約17年後になされたにも関わらず不自然に詳細かつ具体的で、信用性には疑問が残る」と判断。「1審判決は、根拠の不十分な推認を重ねたもので、是認できない」と結論付けた。
被害者の内海さんは判決を受け、「菊地元信者は長年逃亡生活を続け、罪の意識を持っていたはずだ。無罪判決は残念だ」とするコメントを出した。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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菊地元信者、込み上げる涙=逆転無罪にざわめきも-オウム真理教・控訴審判決
「被告人は無罪」。東京高裁で開かれたオウム真理教の菊地直子元信者(43)の控訴審判決。大島隆明裁判長が逆転無罪を言い渡すと、ほぼ満席の傍聴席からはざわめきが起きた。被告人席に戻った菊地元信者は、込み上げてくる涙を抑えるかのように、何度もハンカチで口を押さえて鼻をすすった。
午後1時半ごろ、102号法廷に入った菊地元信者は、眼鏡を掛けグレーのパンツスーツ姿。判決主文が言い渡された際は、証言台の前に正面を向いて立ったままで表情はうかがえなかった。
その後、被告人席に座った菊地元信者。自らの主張を退けた一審判決について「不合理」「論理の飛躍がある」などと指摘する判決理由に耳を傾けながら、時折涙ぐむような様子も見せた。
約1時間15分に及んだ言い渡しの最後、大島裁判長が「法律的には無罪だが、あなたが運んだ薬品で重大な犯罪が起きた。当時は分からなかったとしても、教団内でのワークがどのような犯罪を生んだのか。きちんと心の中で整理してほしい」と語り掛けると、何度もうなずいて、法廷を後にした。(2015/11/27-18:54)
◎上記事は[時事ドットコム]からの転載・引用です *強調(太字・着色)は来栖
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「きちんと事実見てくれた」=菊地元信者、判決に謝意-オウム真理教・控訴審
オウム真理教の菊地直子元信者(43)は27日夜、逆転無罪とした東京高裁判決を受け、「きちんと事実関係を見ていただき、感謝申し上げます」とするコメントを弁護士を通じて発表した。
一方で、「私が運んだ薬品で作られた爆弾で、何の落ち度も責任もない方に、重篤な被害を与えてしまった。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪。被害に遭った内海正彰さん(64)が法廷で語った言葉と、大島隆明裁判長の判決後の説諭を「今後の人生で重く受け止めていきたい」と誓った。
17年間にわたり逃走を続け、自ら出頭しなかったことについても、「多くのご迷惑を掛けた」と謝罪した。(2015/11/28-00:43)
◎上記事は[時事ドットコム]からの転載・引用です
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◇ 元オウム菊地直子被告に逆転無罪判決 2015/11/27 東京高裁 井上嘉浩死刑囚の証言は「信用できない」
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