中国政府=死刑執行通告、さらに3邦人に  外相=懸念伝達

2010-04-02 | 死刑/重刑(国際)

中国、日本人3人の死刑執行へ 日本政府に通告
 中国政府は2日までに、麻薬密輸罪で死刑が確定している日本人3人の刑を近く執行すると日本政府に通告した。日本の外務省が明らかにした。先月29日にも別の邦人死刑囚の執行通告があったばかりで、これで死刑が確定していた邦人4人全員の刑が執行されることになる。岡田克也外相は2日、程永華駐日中国大使を外務省に呼び、懸念を表明した。
 新たに死刑執行の通告を受けたのは、いずれも2007年に死刑判決が確定している武田輝夫(67)、鵜飼博徳(48)、森勝男(67)の3死刑囚。遼寧省外事弁公室が1日、在瀋陽日本総領事館に「8日にも刑を執行する」と伝えてきた。
 中国政府は先月、麻薬密輸罪で09年に死刑判決が確定している赤野光信死刑囚(65)の刑を5日にも執行すると通告している。執行されれば1972年の日中国交正常化後、日本人初となる。
 岡田外相は2日の記者会見で「日本人が4人続いて死刑になるということは国内世論にも影響を及ぼす」と述べ、対中感情が悪化しかねないとの懸念を表明。「世論の中には『果たして適正な(刑事・司法)手続きが行われているんだろうか』という声もある」とも指摘した。
 中国の刑法は覚せい剤50グラム以上の密輸について、懲役15年か無期懲役または死刑と規定している。現在、中国で判決が確定している日本人死刑囚は今回通告を受けた4人のみ。
 一方、日本の警察当局によると、武田死刑囚については、95年7月に東京都八王子市のスーパー「ナンペイ大和田店」でアルバイト従業員の高校生ら女性3人が射殺された事件で「知人が事件に関与した」と証言しているとの情報が中国公安当局から寄せられていた。
 警視庁八王子署捜査本部が昨年9月、捜査員を中国へ派遣して事情を聴いたところ、同死刑囚は「事件に関与した人物は知らない」などと供述。事件当時、日本国内の刑務所に服役中だったことなどから、捜査本部は事件に関与した可能性は極めて低いとみている。
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死刑執行通告、さらに3邦人に=覚せい剤密輸で中国政府
2010年4月2日(金)18:03
 【北京時事】中国政府は1日、同国で麻薬密輸罪で死刑判決が確定している日本人3人の刑を執行すると日本政府に通告した。日本の外務省が2日明らかにした。日本人死刑囚では、3月29日に赤野光信死刑囚(65)=大阪府=の執行通告があったばかり。これで日本人の死刑確定者4人全員について、刑が執行されることになる。
 中国で日本人に死刑が執行されるのは日中国交正常化後初めてで、岡田克也外相は2日、程永華駐日大使を呼び、懸念を伝達した。死刑執行が拡大することで、日本人の対中感情の悪化につながる恐れがある。新たに刑執行の通告があったのは、武田輝夫(67)=名古屋市=、鵜飼博徳(48)=岐阜県=、森勝男(67)=福島県=の3死刑囚。中国側は通告から1週間後に執行するとしており、赤野死刑囚は5日にも、残る3人は8日にもそれぞれ執行されるとみられる。
 武田死刑囚は2004年6月、広東省で覚せい剤3キロ余を所持していたとして拘束。複数の日本人らを「運び屋」にして覚せい剤を日本に運搬させる密輸組織の「元締」とされている。鵜飼死刑囚は03年7月、覚せい剤1.5キロを大連空港から関西空港に運ぼうとして拘束された。2人は07年8月に死刑判決が確定した。
 武田、鵜飼両死刑囚は、1995年に東京都八王子市のスーパーで女性3人が射殺された事件の情報を知っている可能性があるとして、警視庁が昨年9月に事情聴取した。[時事通信社]

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