「死刑大国」米国で、死刑判決数が90年代後半の約3分の1に減少

2009-11-24 | 死刑/重刑(国際)

米国:死刑が急減 90年代の3分の1に DNA鑑定普及、誤審判明続出が影響
 【ニューヨーク小倉孝保】「死刑大国」と呼ばれる米国で死刑判決数が90年代後半の約3分の1に減少していることがわかった。死刑の執行数が最も多いテキサス州は10年前の5分の1に減り、同2位のバージニア州では08年3月以来、死刑判決が出ていない。DNA鑑定によって誤審が判明したケースが続出、終身刑を創設した州もあることから、陪審員が死刑回避傾向を強めているとみられる。
 統計によると、全米の死刑判決(1審の陪審裁判)数は95~99年には年間約300件だったが、07年115件、08年111件と10年で3分の1に減少。今年の数字はまだ出ていないが昨年並みになるとみられている。
 76年に米国で死刑が復活して以来、446件を執行したテキサス州の場合、99年に47件だった死刑判決は昨年13件、今年はこれまで9件に減少した。また76年以降、105件を執行したバージニア州は94年10件、98年にも9件だったが、08年3月以来、死刑判決が出ていない。バージニアは95年、テキサスは05年に仮釈放の可能性のない終身刑を設け、凶悪犯罪に陪審員が終身刑を評決しやすくなった。
 また、死刑囚が再審のDNA鑑定で無罪を勝ち取ったり、すでに死刑が執行された者について、DNA鑑定で冤罪(えんざい)の可能性が指摘される事例が相次いだことが死刑判決減少につながっているという。死刑囚が再審請求などをしやすいよう弁護士費用を税金でまかなうなど、死刑維持のために高額の公費を使うことにも批判がある。 毎日新聞2009年11月24日 東京朝刊


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