「容疑者国選弁護制度」--弁護士に払われる報酬は国費。水増し請求の再発防止、適正支出を担保

2009-08-01 | 裁判員裁判/被害者参加/強制起訴
30万円の不正請求きっかけ、年1300万円の公費投入
2009.8.1 14:24産経ニュース
  容疑者国選弁護制度をめぐり、弁護士が容疑者との接見回数を水増しし、報酬を過大請求していた問題を受け、日本司法支援センター(法テラス)が3日から、全国の警察署などに複写式の証明書を置き、報酬請求の際に写しの添付を義務づける制度をスタートさせる。報酬請求を透明化するためだが、わずか30万円余りの不正請求をきっかけに年間1300万円の公費が投入されることに疑問の声も上がっている。
 新制度では、留置施設のある全国の警察本部と警察署に複写式の専用用紙を置き、容疑者と接見した弁護士が日時などを記入。持ち帰った写しを法テラスへの報酬請求の際に添付する。これまでは法テラスに提出する活動報告書に接見回数などを記すだけで、証明書は不要だった。
 昨年10月、岡山弁護士会所属の弁護士が7事件の報酬請求で接見回数を水増しし、計約34万円を不当に受け取っていたことが発覚。森英介法務大臣は「あまりにも性善説に基づいており、何らかの検討が必要」と報酬手続きを批判した。
 法テラスは警察庁と調整し、複写式用紙を留置施設に置くことを決め、1年分として約5万6千冊(1冊100枚組)の用紙を1304万円で発注した。これに対し、一部の関係者からは「あまりも大がかりすぎる」との声も。ある弁護士は「たった1人の不正のために、という感じが否めない」と批判的だ。
 起訴前に公費で弁護人を付ける容疑者国選弁護制度は平成18年10月に導入。当初は殺人などの重大事件が対象だったが、今年5月から大幅に拡大。窃盗なども加えられ、依頼件数が約10倍に増えているという。法テラスは「弁護士に払われる報酬は国費。水増し請求の再発を防止し、適正支出を担保するために当然必要な措置」と話している。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。