9社中7社が純減益 トヨタグループ9月中間

2008-11-01 | 社会

世界販売、前年割れ公算 トヨタ08年単体
2008年10月17日
 トヨタ自動車の2008年の世界販売台数が、07年実績を下回る可能性が高まった。先進国市場での販売不振に加え、米国発の世界金融危機の直撃を受けた。前年割れすれば10年ぶりとなる。ダイハツ工業と日野自動車を含めたグループ全体でも、07年実績の937万台を上回るのは困難との見方が強まっている。
 右肩上がりで販売台数を伸ばしてきたトヨタの経営が重大な転機を迎える。
 トヨタ単体の07年販売実績は843万台。計画では、08年は当初、884万台だったが、ガソリン高などに伴う日米欧市場の低迷を受け、7月下旬に34万台減らし、850万台に修正。前年実績は約1%上回るとしていた。
 今年1-8月の世界販売台数はグループ全体で前年同期比約1%増だったが、ダイハツと日野の伸びに支えられた面もあり、トヨタ単体では同0・5%増の564万台。08年後半に向け、北米市場などが回復に向かうとの見方もあった。
 だが、9月中旬の米証券大手リーマン・ブラザーズの破たんに端を発した金融危機で、世界経済が急速に悪化。米国などの販売不振がさらに深刻化、長期化する見通しとなり、これまで堅調だった新興国の市場拡大にも歯止めがかかった。9月の販売実績は集計中だが、トヨタ幹部は「世界経済の劇的好転がない限り、通年での前年超えは極めて困難」と話した。
 トヨタのグループ全体での08年世界販売計画は950万台。既に「達成は無理」(首脳)との見方が強まっていた。
 トヨタ単体の販売台数が前回、前年割れしたのは1998年で、前年比約4%減の464万台。同年には旧日本長期信用銀行が破たんしたほか、アジア通貨危機の影響で販売が伸び悩んだ。グループ全体で前年割れすれば、ダイハツに続いて日野が傘下に加わった01年以降で初めてとなる。
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トヨタ営業益半減へ 09年3月期、1兆円超で最終調整
2008年10月22日 朝刊
 トヨタ自動車は21日、2009年3月期連結決算(米国会計基準)の営業利益予想を、1兆-1兆2000億円程度とする方向で最終調整に入った。前期実績2兆2703億円から半減する。当初は前期比29・5%減の1兆6000億円と見込んでいたが、9月以降の世界金融危機で市場が縮小、円急伸により為替差損が膨らんで、さらなる大幅減益が避けられないと判断した。
 営業利益を初めて1兆円台に乗せた02年3月期(1兆1234億円)程度に後退することになる。
 トヨタは7月、08年(暦年)世界販売台数計画を当初の985万台から950万台に下方修正。8月に発表した第1・4半期決算では、販売台数減の影響を織り込んだ上で、通期予想を変更しなかった。
 だが9月中旬以降、米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破たんに端を発した米国発の金融危機が拡大。先進国に加え、堅調だった中国など新興国でも販売が落ち込み、グループ全体で前年販売実績(937万台)を下回ることが確実。930万台程度まで下がるとの見方が強まりつつある。
 さらに、為替はドルとユーロに対する信用収縮から急速に円高が進んでおり、通期の想定レート1ドル=105円と1ユーロ=161円の変更は必至。トヨタは年換算で、1円の円高に対し、ドルで約400億円、ユーロで約60億円の為替差損が生じる。他通貨に対しても軒並み円高が進んでおり、数千億円の減益要因となる見通しだ。
 また、ガソリン高騰に伴う大型車から小型車への需要シフトで、1台当たりの利益率が低下。9月に国内で実施した一部車種の値上げやコスト削減を考慮しても、販売台数減と為替差損のマイナスを補えない。
 通期の営業減益は2000年3月期以来、9年ぶり。トヨタは今後、為替動向などを慎重に見極めた上で、業績見通しについて詰めの検討を急ぎ、来月の第2・4半期決算発表で公表する予定。
 主力の北米市場については「来年いっぱいは厳しい」(トヨタ首脳)との見方が強く、来年度以降の業績回復も不透明な状況だ。
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9社中7社が純減益 トヨタグループ9月中間
2008年10月31日 朝刊
 トヨタ自動車グループの部品メーカーなど主要9社は30日、2008年9月中間連結決算を発表した。北米でのトヨタの減産や急激な円高進行のあおりを受け、デンソーなど7社が純利益を減らした。7社が純増益だった前年同期から一変して、09年3月期の業績予想でも下方修正が相次ぎ、東海地方の経済を支えてきた自動車産業への深刻な打撃が鮮明となった。
 デンソーは純利益が半減。北中南米でトヨタや米ビッグスリー(自動車大手3社)向けの部品販売が落ち込んだ。豊田合成は中国やタイなど新興市場で収益を伸ばしたが、北米販売が低迷。両社とも中間ベースでは1998年の開示以来、初の減収減益となった。
 豊田自動織機は北米で営業赤字化。産業車両の販売低迷などが響いた。アイシン精機は大型車から小型車への需要シフトに伴う利益率低下が減益につながった。
 豊田通商は原油や金属の市場価格上昇で取扱額が増え、売上高、経常利益、純利益とも過去最高となった。
 09年3月期の業績予想について、デンソー、豊田自動織機、アイシン精機、豊田合成、関東自動車工業の5社が売上高、経常利益、純利益とも下方修正。10月以降の為替レートは主な企業が1ドル=100円、1ユーロ=135円と想定。今後も金融市場の混乱が続けば、さらに業績が悪化する可能性もある。 


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