死刑執行[2017/7/13]の住田紘一死刑囚「自分は生きているという罪悪感があります」 / 「娘は生き返らず喜びなどない」被害女性の父

2017-07-14 | 死刑/重刑/生命犯

産経WEST 2017.7.13 11:50更新
死刑執行の住田死刑囚「自分は生きているという罪悪感があります」控訴取り下げ、遺族に謝罪
 13日に死刑が執行された住田紘一死刑囚(34)は、控訴を取り下げ、一審の死刑判決が確定した後に「被害者の命を奪ってしまったのに自分は生きているという罪悪感があります」との思いを遺族側に伝えていた。
 平成25年2月の岡山地裁の裁判員裁判初公判で「間違いありません」と起訴内容を認めたが、謝罪の意思はないと主張。殺害された加藤みささん=当時(27)=の父親は証人尋問で「娘と同じように苦しんでほしい。最低でも死刑にして」と訴えた。
 しかし、3回目の公判で住田死刑囚は「謝らせてください」と涙を流して頭を下げ、「加藤さんと遺族のために死刑になるしかないと思っていた」と、意図的に裁判員の心証を悪くしようとしていたと説明。だが、裁判員らは死刑判決後の記者会見で「残虐で酌量の余地はない」「心に響く言葉がなかった」と語っていた。
 住田死刑囚は25年3月28日、控訴取り下げの申立書を岡山刑務所長に提出。翌29日に接見した弁護人を通じ、遺族側に「今後はみささんに対して思いをはせ、自分にできる供養をしていきたいと思います」と伝えた。
 これに対し父親は「やっと反省する気になったのかと思う」と語る一方、「娘は帰ってこないという苦しい思いがある」と心境を明かしていた。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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「娘は生き返らず喜びなどない」 住田死刑囚刑執行で被害女性の父
2017/7/13(木) 23:33配信  山陽新聞デジタル 
 「殺された子が生き返るわけもなく喜びなどない。加害者から守ってやれなかったことが悔やまれる」。2011年に岡山市で元同僚の加藤みささん=当時(27)=を殺害した住田紘一死刑囚(34)の刑が執行された13日、みささんの父裕司さん(64)=岡山市東区=は同市内で会見した。「1日たりとも最愛の娘を思い出さない日はありません」と、かみ締めるように心情を吐露した。
  報道関係者から死刑執行の一報を受けたのは、この日午前10時ごろだった。その後、自宅近くにあるみささんの墓前でそっと手を合わせ「やっと死刑になったよ。父さんは頑張ったよ」と語り掛けたという。
  岡山地裁で死刑判決が確定した13年3月から4年余り。日課にしている墓参りの最中に涙がとめどなく流れることがある。「今でもみさは自分が殺害されたことに気付いていないはず。娘の無念を思い知らせ、罪を償わせてやりたい」との気持ちはずっと消えなかった。
  住田死刑囚は死刑判決確定後、弁護人を通じて「みささんに対して思いをはせ、自分にできる供養をしていきたい」と遺族側に気持ちを伝えていたが、「花の一輪も線香の一本も届いたことはない。最後まで反省していなかったのだと思う」と裕司さん。手紙を送ったり、面会を求めたりもしたが、返事はなかった。
  被害者が1人で初犯の被告の死刑が確定したのは裁判員裁判では全国初のケース。弁明できない娘のために意見陳述するなど、一貫して極刑を望む姿勢を示してきた。「同様の事件で無期懲役の刑となることで、多くの家族が苦しめられている」。そうした思いにも報いることができたと考えている。
  事件の後、同じ境遇にある人たちを支えるため講演活動などに力を入れている。「彼(住田死刑囚)にエネルギーを費やすよりは、残された家族や他の犯罪被害者のために使いたい。娘は復讐など望んでいないとも思うようになった。支援活動を続け、娘の分まで生きていく」と語った。
 最終更新:7/13(木) 23:33

 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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遺族、消えない無念「娘の墓前に報告」
琉球新報 2017年7月14日 00:38

        
       住田紘一死刑囚の刑執行の知らせを受け、「娘の墓前に報告しました」と語る、殺害された加藤みささんの父裕司さん=岡山市東区の県警赤磐警察署で2017年7月13日午後3時10分、林田奈々撮影
  1991年に女性4人を相次いで殺害した西川正勝死刑囚(61)=大阪拘置所=と、11年に元同僚の女性を殺害した住田紘一死刑囚(34)=広島拘置所=の刑が執行された13日、事件の遺族・被害者は怒りや悲しみを振り返った。
 住田死刑囚に殺害された加藤みささん(当時27歳)の父裕司(ひろし)さん(64)=岡山市東区=が13日、同区内で報道各社の取材に応じ「執行は意外に早かったが、うれしいとか悲しいという気持ちはない。娘は帰ってこない。今も無念で、(住田死刑囚を)許すことはない」と憤りの思いを語った。
 死刑の執行はこの日午前、日課としている娘の墓参りから帰る途中に知った。墓前に戻り「死刑執行されたよ。お父さん、今まで通り頑張るから」と報告した。
 住田死刑囚は、みささんの勤務先のIT関連会社の元同僚。会社倉庫で犯行に及んだ。遺体は切断されて川などに捨てられ、一部しか戻らなかった。
 事件後、住田死刑囚を苦しんで死なせたいと思い詰めた。罪に向き合わせようと、みささんの成長ぶりをつづった手紙を拘置所に送った。そんな時、友人に「お嬢さんがそんなことを望んでいるのか?」と問い掛けられ、思い直した。「住田死刑囚に向けてエネルギーを使うより、同じ境遇で苦しむ人を救うべきだ。天国にいる娘に恥をかかせたくない」。約4年前から事件を伝える講演を始めた。各地で犯罪被害者が精神的にも経済的にも苦しむことを訴え、回数は約80回に上る。
 被害者が1人の殺人事件の場合、裁判所は死刑を回避することが多い。今回の事件で殺害されたのはみささん1人だが、裁判員裁判での結論は死刑だった。裕司さんは「被害者が1人であるために死刑が回避され、多くの遺族が苦しんできた。判決は社会的に大きな意味がある」と話す。
 今も娘の墓前で時折、大泣きしてしまう。「娘を守るという親としての義務を果たせなかった」との思いがこみ上げてくるからだ。「犯罪被害は多くの人にとって縁遠いものかもしれないが、一人でも多くの人に『自分にも何かできるのでは』と気付いてもらえれば」と活動を続ける決意を語った。【林田奈々】(毎日新聞)
 
 ◎上記事は[琉球新報]からの転載・引用です
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住田紘一被告(被害者1名・前科無し)に死刑判決 岡山地裁 裁判員裁判2013/2/14 ⇒ 控訴取り下げ 


裁判員判決、破棄率1割超 裁判員の辞退増加「雇用情勢の変化が影響か」 制度開始8年 2017/5/21
産経WEST 2017.3.10 12:32更新
【神戸女児殺害】減刑5例目「裁判員死刑」覆る…”市民感覚とのズレ”浮き彫りに
 神戸市長田区の小1女児殺害事件で、大阪高裁は10日、1審裁判員裁判の死刑判決を覆し、被告に無期懲役を言い渡した。高裁が裁判員裁判の死刑を破棄するのは、前日の心斎橋通り魔事件に続き、これで5例目となる。「国民の常識を刑事裁判に反映させる」というのが裁判員裁判の主眼だったが、「究極の刑罰」の選択にあたって、市民感覚と職業裁判官の考え方が大きく違うことが浮き彫りになった。
 殺人事件の被害者が1人の場合、昭和58年に最高裁が示した「永山基準」に照らして、これまでも死刑が回避される傾向にあった。永山基準は、結果の重大性(特に被害者数)など9項目を総合的に考慮し、やむを得ない場合に死刑選択が許されるとした。
 今回を除いて、被害者が1人の事件で、裁判員裁判で死刑が言い渡されたのは過去3件。うち1件は被告側が控訴を取り下げて死刑が確定したが、他の2件はいずれも上級審で死刑が破棄されている。

  

 破棄1例目の東京・南青山の強盗殺人事件は「1審は前科を重視しすぎた」と指摘。2例目の千葉県松戸市の強盗殺人事件は、殺害の被害者が1人で犯行に計画性がないことを被告に有利な事情とした。
 この2件の上告は、いずれも最高裁が棄却。死刑の是非については、「永山基準」に基づいて検討が重ねられてきたことを考慮し「公平性の確保も踏まえて議論を深める必要がある」と指摘した。裁判員裁判でも先例を重視するよう求めたと解釈されている。
 神戸小1女児殺害事件の控訴審では、検察側と弁護側が同種事件の先例を提示して死刑の是非を争った。検察側は量刑判断のポイントとして、わいせつ目的であることや犯行が残虐である点を挙げ、「これらをあわせ持つ事例は他に例がない」と主張。一方、弁護側は、死刑選択で最も重視されるべきは被害者の数だとした上で、わいせつ目的や計画性がなかったことを強調していた。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です  * リンクは来栖  
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