26年前の殺人、真犯人が供述書 終身刑から自由の身

2008-04-28 | 死刑/重刑(国際)

「26年前の殺人、真犯人が供述書 終身刑から自由の身」
  産経ニュース2008/04/21
■弁護士、守秘義務で“見殺し”
 【ロサンゼルス=松尾理也】米シカゴで26年前に起きた殺人事件で犯人とされ、終身刑を宣告され服役中だったアルトン・ローガンさん(54)が、「実は私が殺した」という別の服役囚の供述書の存在が明らかになり、このほど自由の身となった。真犯人は告白はしたものの、自らの死後までは秘密とするよう弁護士に指示。このため、弁護士はローガンさんの無実を知りながら、守秘義務規定により「見殺し」にせざるを得なかったという。
 ローガンさんは82年1月に起きた警備員射殺事件の犯人として起訴され、一貫して無実を主張したものの検察側は死刑を求刑。判決は仮釈放なしの終身刑となり、服役していた。
 ところが射殺事件発生のわずか1カ月後、別の警官殺害事件で逮捕されていたある男が自らの弁護士と面会中、「あれは自分がやった」と告白した。
 弁護士は驚いたが、この男は同時に、自らの死後まで秘密とするよう求めたため、ローガンさんの無実を申し出ることはできなかった。弁護士は告白に基づいて宣誓供述書を作成した上で、厳重に封印。そのまま歳月が流れた。
 真犯人の男は同じく終身刑を受け服役していたが、昨年11月に死去。その後、弁護士はようやく事実を明らかにし、ローガンさんの釈放手続きを進めていた。
 地元紙シカゴ・トリビューンによると、18日、1000ドル(約10万円)の保釈金を納めて出所したローガンさんは、報道陣に「気分はいい」と短く答え、涙を流した。検察側は今後、ローガンさんの無罪を求め裁判をやり直す見通し。
 弁護士は「無実であることは、26年前から知っていた。彼はもっと早く自由になるべきだったが、私にできることはなにもなかった」と語った。
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