一握の砂〔5〕

2006-06-17 | 本/演劇…など

気の変わる人に仕へて つくづくと わが世がいやになりにけるかな

龍のごとむなしき空に躍り出でて 消えゆく煙 見れば飽かなく

空寝入生呿呻(そらねいりなまあくび)など なぜするや 思ふこと人にさとらせぬため

しっとりと 水を吸ひたる海綿の 重さに似たる心地おぼゆる

死ね死ねと己を怒り もだしたる 心の底の暗きむなしさ

つかれたる牛のよだれはたらたらと千萬年も尽きざるごとし


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