中国、フィリピン孤立化図る…首脳会談応じず

2013-10-02 | 国際/中国/アジア

中国、フィリピン孤立化図る…首脳会談応じず
 読売新聞 10月2日(水)8時4分配信
 【北京=牧野田亨】中国の習近平(シージンピン)国家主席は2~8日、インドネシアとマレーシアを公式訪問し、バリ島で7、8日に予定されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合に出席する。
  習政権が3月に本格始動して以来、東南アジア諸国連合(ASEAN、10か国)の中で、首脳級指導者の往来がないのはフィリピンだけとなる。南シナ海の領有権問題で対立する同国の孤立化を図り、外交圧力を強める構えだ。
  外交筋によると、李克強(リークォーチャン)首相も9、10日にブルネイで開かれるASEAN・日中韓首脳会議などに出席し、タイとベトナムを公式訪問する。習政権の発足後、習氏も李氏も東南アジアを歴訪するのは初めてとなる。
  習、李両氏は国内での経済フォーラムなどを利用し、ASEAN首脳と会談してきたが、インドネシア、マレーシアとはまだ実現していなかった。領有権問題でフィリピンと並んで対中強硬派だったベトナムとは、国家主席らの訪中を通じて懐柔策に出ている。
  一方、中国の領有権主張は不当として国連海洋法条約に基づく仲裁裁判を申請したフィリピンとは会談に応じていない。外交筋によると、9月に開いた中・ASEAN博覧会ではアキノ比大統領訪中の条件として裁判の取り下げを求め、決裂。フィリピンが米国と新たな軍事協定の協議を始め、中国に対抗しようとしていることも影響している。
  中国がフィリピンの孤立化を図るのは、全会一致を原則とするASEANを分断し、法的拘束力を持つ南シナ海の「行動規範」策定を中国ペースで進めようとする思惑もある。複数のASEAN筋は、「中国はバリでもブルネイでも、アキノ大統領との会談に応じないだろう。ASEAN内で孤立化させようとしている」との見方で一致する。
 最終更新:10月2日(水)8時4分
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南シナ海の「牛の舌」 清水美和の【アジア観望】
 中日新聞夕刊2011/08/02Tue.
 中国の地図を見ると、自分の縄張りのように南シナ海のほぼ全域を点線で囲んでいる。その形から「牛の舌」と呼ばれる区域を、中国は「管轄海域」と主張している。
*国際法の根拠不明
 しかし、海外からは、国連海洋法条約が認める領海や排他的経済水域(EEZ)でもなく、意味が分からないと批判されてきた。
 「南シナ海で島々の領有権を主張する関係国は、国際法の根拠を明確にすべきだ」
 先月下旬、インドネシアで開かれた東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)で、米国のクリントン国務長官は主張した。名指しこそ避けたが、主に中国に向けた発言であることは明らかだ。
 中国は南シナ海の南沙(スプラトリー)、西沙(パラセル)諸島の領有権を巡り、対立するベトナム、フィリピン、マレーシアなどの漁船や調査船を自らが主張する管轄海域から追い立ててきた。
*中国に身構えた米
 2009年3月には米海軍の調査船を中国艦船が取り囲み、調査を中止させた。10年3月に、中国は米国に南シナ海の海洋権益を交渉の余地がない「核心的利益」と見なすと通告したといわれる。
 米国は中国に身構え、昨年7月のARFで、クリントン長官は領土紛争には中立を保つとしながら「航海の自由」を断固として守ると表明した。
 中国外務省は「南シナ海の諸島は古代から中国領」と主張しているが、国際法の根拠について明確に説明していない。中国で発表された学術論文で主流の意見はこうだ。
 南シナ海の島々は1930年代からフランスや日本が一時占領したが、日本は敗戦で領有権を放棄した。その後、国民党政権が現地を測量し「中華民国行政区域図」(48年)で南シナ海を点線で囲うことによって中国の管轄海域であることを宣言した。
 当時、周辺諸国はこれに異を唱えなかったが、60年代から海洋資源が発見されたことで、次第に島々の領有権を主張するようになった。
 南シナ海について、中国は国連海洋法条約(82年採択)も、関係国の協議で領海やEEZを画定する作業は必要がないと認める「歴史的所有権」を持っているという。
*とんでもない地図
 南シナ海の管轄権を宣言したという「中華民国行政区域図」は、モンゴル全域も中国領としている。日本の尖閣諸島をはじめロシアやインドなど隣接する9か国との係争地域をすべて自国領としているとんでもないシロモノだ。
 国際的に受け入れられるはずもなく、南シナ海の領有権をめぐって、中国は新たな主張を展開する必要に迫られるだろう。(しみず よしかず・東京論説主幹)
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