コロナでデイサービス休業 身体・認知機能に影響 名古屋市のケアマネジャーが調査

2020-04-15 | 社会

 コロナでデイサービス休業 利用者調査 

  2020.4.15 Wed 中日新聞 朝刊 12面

 身体・認知機能に影響 

 名古屋市の要請で3月に実施されたデイサービスの休業で、利用者にどのような影響があったかを、緑区のケアマネジャー水野勝仁さん(38)が調査した。歩行速度が遅くなったり認知症が進行したりといった傾向がみられたという。県が独自に出した緊急事態宣言ではデイサービスの休業は求められていないが、水野さんは「今後、事態が深刻化し、再び休止する場合は対策を考えてほしい」と訴える。(白名正和)

■「対策必要」ケアマネ訴え

 市が要請した休業は緑区と南区の全126事業所が対象で、期間は3月7日から2週間だった。
 水野さんは期間が終わった3月下旬から、担当する高齢者のうち通っているデイサービス施設が休業した72~99歳の男女計21人について、身体や認知機能が休業前からどう変化したかを調べた。本人や家族への聞き取りを実施し、変化の内容は水野さんの主観で判断した。
 21人のうち、機能に何らかの影響が確認されたのは13人。認知症が進行したのか夜中に起きてみそ汁をつくることがある(98歳、女性)、日付や曜日が分からなくなった(94歳、女性)、立ち上がったり歩いたりするスピードが落ちた(75歳、男性)など、さまざまな変化がみられた。
 残る8人は、影響はみられなかった。多くは、休業中も定期的に喫茶店やスーパーへ外出する習慣があったという。
 介護を続けた家族がストレスを訴えるケースもあった。
 水野さんは「休業は感染拡大防止に一定の効果があったが、利用する高齢者の身体や認知機能にリスクも伴うことも、この調査で分かった。ほかのケアマネジャーからも、高齢者にさまざまな影響が生じていると聞いている」と話す。
 新型コロナウイルスの感染拡大を巡っては、10日に愛知、岐阜、三重の3県が「緊急・非常事態」を宣言しており、再びデイサービスを休業する事態になった場合を懸念する水野さん。
「屋外など開放的な場所に外出するサービスを用意するなどの、支援が欠かせない。デイサービスという生活のリズムを、休業中もどう維持していくかが課題になる」と強調した。

 ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖) 漢数字を算用数字に変更した箇所があります。


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