安倍元首相銃撃事件 山上徹也容疑者の近況…そして鑑定留置が延長された理由【2022年 あの事件・騒動の今】
2022/12/30(金) 9:06配信
長期にわたる異例の身体拘束(山上徹也容疑者)/(C)日刊ゲンダイ
【2022年 あの事件・騒動の今】 「捜査上の必要から」
奈良地検は11月17日、鑑定留置の延長を請求した「理由」をこう説明したという。
7月8日に起きた安倍晋三元首相の銃撃事件で、逮捕された山上徹也容疑者(42)の鑑定留置期間が、当初の11月29日から1月10日まで延長された。地検は2月6日まで約2カ月間の延長を請求したが、弁護側の不服申し立てにより、約1カ月に短縮された。そもそも4カ月間の鑑定期間も長期だが、さらなる延長も異例の措置だった。
精神鑑定は脳波や知能など医学的検査に加え容疑者や家族への面接も経て総合的に鑑定され、司法判断の参考にされる。
大阪拘置所に収容されている山上容疑者は鑑定人に対して、きちんと受け答えをしているという。
「『統一教会がどこまで考え方や行動に影響力を及ぼしたか』という質問の繰り返しで、いいかげんうんざりしているようです。これ以上聞くこともないのに、延長までして鑑定留置を続けることに何の意味があるのか」(山上容疑者を知る関係者)
■検察が「時間稼ぎ」をした理由は
山上容疑者の代理人を務める小城達弁護士も言う。
「普通に考えたら、鑑定人が『この件を調査するのに4カ月欲しい』と言ったのでしょう。裁判官はそれに乗っかってしまったのではないか。当初、『4カ月欲しい』と言い、それが期間内に終わらなくて『あと2カ月欲しい』とは、『随分じゃないですか』と不服を申し立てたら、2カ月の延長が1カ月に短縮された」
しかし、12月中旬、地検はさらに13日間の再延長を請求し、いったん認められたものの、結局それも取り消しとなった。
鑑定留置となれば勾留の執行が停止され、それだけ長い期間拘束される。
「通常、逮捕されると勾留期間は最大で20日間と厳格に決められています。その一方で、鑑定留置になった途端、裁判官の裁量によって留置期間が決まるというバランスの悪さ。いくら裁量といっても拘束期間は必要最低限にしないといけないはずです。勾留とのバランスからしても、当初の4カ月は長すぎますし、延長するのもおかしい。弁護人からしても分からないことが多過ぎます」(小城弁護士)
検察が「時間稼ぎ」をした理由は何だったのか。裁判所が延長理由を明かすことはないというから、真相はヤブの中だ。
◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です