平和安全保障研究所理事長・西原正 中国は尖閣取り軍事拠点にする
産経ニュース2012.10.4 03:06 [正論]
野田佳彦政権が尖閣3島の購入を決定したことで、中国政府は強硬な反対声明だけではなく醜悪な反日デモを誘導し、日本大使館、領事館、日系企業やレストランに大きな損害を与えた。尖閣海域にも公船や漁船を送り込み、海上保安庁の巡視船を威圧している。
≪望めぬ「平穏で安定的な管理」≫
図らずも、われわれ日本人は、こうした国家間対立に際して中国政府がどういう手に出るのか、改めて経験した。今回の反応は2年前、海保が、巡視艇に体当たりをした中国漁船の船長を拘束したときに、中国政府が取った船長釈放要求のやり方と酷似している。
自国の主張を押し通すため、相手国をまず非軍事的手段で脅す方法である。前回はフジタ社員4人を拘束したり、レアアース(希土類)の対日輸出を停止したり、日本観光予定者の旅行キャンセルをしたりして船長の釈放を迫った。今回も一部デモの暴徒化の容認、日系工場焼き打ちの放置、日本からの貨物検査での意図的遅延、公船や漁船の尖閣周辺海域遊弋(ゆうよく)の指示、国連総会の場での「日本は盗人」といった口汚い対日非難演説などをし、野田政権を脅かす。
今後は、徐々に軍事的手段を用いて、さらに威嚇を強めてくる可能性がある。南シナ海の領土紛争におけるやり方がそうである。9月21日付産経新聞は、尖閣から離れた所にフリゲート艦2隻が現れたと報じている。尖閣海域に哨戒機、戦闘機、駆逐艦、潜水艦、さらには新しく配備された空母「遼寧」などを展開してくる事態も想定しておいた方がいい。野田首相の言う「平穏かつ安定的な島の管理」は当分、望めそうにない。
≪パラセルは武力で支配下に≫
筆者は6月8日付の本欄「南シナ海に学び、『空白』を作るな」で、中国が南シナ海でやってきたことに、日本として学ぶべき教訓がある、と論じた。中国は紛争相手で実効支配力の弱い国には、武力を行使して屈服させる。
1974年、当時の南ベトナムが戦争で疲弊していたとき、中国は南部ベトナム領のパラセル(西沙)諸島を攻撃し、駐屯していた南ベトナム兵を殺害して、同諸島を自国支配下に置いた。また、昨年6月には、ベトナムが進めていた海底油田の掘削のための調査用ケーブルを、中国の監視船が切断した。今年4月には、フィリピンの公船がスカボロー礁で中国漁船を違法漁業のかどで逮捕した際、中国は大きな監視船を多数繰り出しフィリピン側を屈服させた。
≪太平洋の安全に向け防衛を≫
だが、尖閣の場合、もっと重要な点がある。尖閣が中国の実効支配下に入れば、中国はそこにレーダー基地をはじめ、さまざまな軍事施設をつくるであろう。そうなれば、沖縄本島の米軍および自衛隊基地、施設にとって面倒な存在となり、米軍の台湾防衛作戦を阻害することにもなるのである。
その意味で、尖閣防衛は、中国海軍の東シナ海や太平洋への進出を牽制(けんせい)するのに役に立つ。長い目で見て、尖閣要求に日本が譲歩することは、中国の「琉球列島」要求に繋がり、やがて、太平洋での米中海軍力のバランスを中国側有利に傾けかねない。1938年、チェンバレン英首相が、ヒトラーの領土要求に対して、宥和(ゆうわ)策をとったことが、第二次世界大戦の誘因となったことが想起される。
尖閣諸島の現状を維持するためには、巡視船に乗り組む海上保安官の交代や、船の燃料補給を確実にすることが必要である。那覇空港は、航空管制の権限が国土交通省にあるため、民間機離着陸を優先し、空港を共用する航空自衛隊の緊急発進(スクランブル)が妨げられているとも聞く。こうした態勢を早急に改善することが尖閣防衛で生きてくる。海上自衛隊の艦船を宮古島などに常駐させておくことも、将来的には魚釣島に何らかの警戒監視施設も必要だ。
中国は尖閣諸島に対する領有権の根拠として、最近は日本の軍国主義、植民地主義などの過去を持ち出している。これらに対して、日本政府は国連総会などで具体的に強く反論しだした。これは高く評価したい。中でも、「中国政府の領土要求は1970年代になって始まった」という反論は、極めて効果的である。この点を、何度も何度も、ネットや記者会見、講演などで繰り返すべきである。
中国は1950年代、60年代には、尖閣を日本の領土だと認めていたことを、中国発行の地図や人民日報の記事(例えば、1953年1月8日付)で紹介するキャンペーンを大々的に行うことも有効である。そうすれば、中国国内でも、自国政府の立場への批判や、「愛国無罪」への反省を促せるかもしれない。事実、8月25日に、広東省の民間企業の幹部がツイッターでこれらの資料を提示して、「尖閣諸島は日本領土」という議論を展開したとの情報もある。
中国へのしたたかな反論とともに、今後、両国関係が相当悪化することに備え、日系工場の「要塞化」や、対中投資を抑えての対東南アジア・インド投資戦略が必要である。日本経済の過度の中国市場依存はリスクが大きすぎる。(にしはら まさし)
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◆ [石平のChina Watch] 習近平氏の罠に要注意/中国の沖縄工作の狙い~日本属国化 2012-09-27 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉
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◆『最終目標は天皇の処刑 中国「日本解放工作」の恐るべき全貌』 ペマ・ギャルポ著 飛鳥新社 2012-04-28 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉
Professor PEMA News and Views ペマ・ギャルポ この国、日本に生き、一握の土となることを願う者のひとりとして
2012年4月26日 (木)
中国の下心は「天皇の処刑」
尖閣、沖縄に食指をのばした中国は、在日華僑に日本国籍取得を勧めはじめた。細胞増殖に着手した中国の「日本乗っ取り計画」の青写真とは──。
中国の覇権主義はいまや世界の脅威となっています。最近は、海洋における覇権を確立しょうと、南シナ海の南沙諸島や西沙諸島の領有を主張して、 関係各国と緊張が高まっています。
日本も尖閣をはじめとする島嶼、そして沖縄までこうした中国の軍事的脅威にさらされています。今でこそ中国は海洋国家に脱皮すべく海軍力を増強していますが、本来中国は大陸国家であり中央アジアにその矛先を向けていました。私の祖国・チベットを狙ったのは、地政学的に中国が南アジアや南西アジアに進出するために重要な拠点だったことと、 豊富な地下資源と水資源を獲得するためでした。地政学上の重要さや、海底資源・地下資源の豊富さで日本はチベットと酷似しています。
「始めは処女の如く、後には脱兎の如し」という兵法がありますが、中国のチベット侵攻はまさにそれでした。
一九五一年、 チベット代表団に偽造した国璽を捺印させて締結した「一七カ条協定」で〈(チベット人の)宗教信仰自由の政策を実行して〈チベットに進駐する人民解放軍は、人民の針一本、糸一本といえども取らない〉と謳いました。しかし中国によって僧侶は虐殺され、僧院は破壊され、人民裁判が行われ、七九年までにチベット人百二十万人が犠牲になりました。
ひるがえって日本外交は「自分が約束を守れば、相手も守るはずだ」という能天気ぶりです。これも国際法の盲点を突く研究に余念のない中国には、世迷言でしかないでしょう。
そして今、沖縄です。
中国のデモでは「琉球を返せ」というスローガンが叫ばれ、「中国は琉球に対する権利がある」という論文も出てきています。学者の論文も中国当局の管理下にあります。ちなみに中国は琉球と呼び、沖縄とは言いません。 たしかに琉球処分で日本になるまで、琉球王国は明・清に朝貢する冊封関係にありました。一部の沖縄県民は、仲井員弘多知事もそうですが、中国大陸にルーツを持つことを誇りとし、中国に親近感を感じているようです。
中国がこれを見逃すはずはありません。沖縄の県民感情に働きかけて、揺さぶりをかけています。
沖縄ではすでに中国の総領事館を作って二百万人の観光客を中国から呼び込もうとすることが既定路線になっています。すでに中国は、観光客が沖縄と往来できる三年有効の数次ピザの特権も獲得しています。私が沖縄で会った多くの地方議員や商工会議所など政財界は、これが地元の経済振興になると前向きでした。
でも、それは甘い。
わが半生を振り返れば、チベットに生まれ、六歳でインドに亡命、十二歳で来日した後は、師に恵まれ多くの日本人に支えられてきました。そして二〇〇五年、私は日本国籍を取得しました。
最新刊の『最終目標は天皇の処刑』(飛鳥新社)は、中国によって祖国を奪われた者として、また日本をこよなく愛する者としての視座から著したものです。
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◆ 「中華人民共和国 琉球自治区」/尖閣の次は「沖縄乗っ取り」を目論む中国に甘い地元メディア 2012-06-19 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉
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◆ 尖閣のみならず沖縄までも 領有権を主張する中国の領土観念 2012-08-07 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉
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◆『帝国の終焉』(「スーパーパワー」でなくなった同盟国・アメリカ)日高義樹著 2012年2月13日第1版第1刷発行 PHP研究所
◆p146~
第1部 日本列島周辺が世界でいま最も危険である
ワシントンの軍事消息筋によると、2012年から13年にかけて起きると懸念される最も危険な戦いは、中国による台湾攻撃である。(略)
中国軍はここ数年、莫大な費用を注ぎ込んで近代化に力を入れ、2011年にはJ20と呼ばれるステルス戦闘機の開発に成功しただけでなく、アメリカの多くの専門家の予想に反して、ソビエトから買い受けた空母の実戦航海も開始している。台湾海峡を越えて攻撃できるミサイルを大量に配備し、在日米軍基地を攻撃できるミサイルや、アメリカ本土を攻撃できる長距離ミサイルも実戦配備を終えている。
中国軍は2010年に第11次5か年計画を完了して、実戦態勢を完全に配備し終わっている。(略)
中国が大方の予想を裏切って、2011年、早々と空母の実戦航海を始めたのは、アメリカ海軍に対する対抗措置を早期につくりあげるためであるといわれるが、これと並行して、小型艦艇にミサイルを搭載してアメリカ艦艇を攻撃する態勢を急速に充実させている。アメリカの艦艇を近寄らせず、中国の周辺を安全にしておく態勢とミサイル態勢を完備した以上、中国は必要とあらば、いつでも台湾を軍事的に占領できると考えている。
中国政府はむろん、その考えをオクビにも出していない。アメリカ政府の首脳も、中国が台湾周辺で危険な行動を始めれば、世界中から非難され資源の輸入に支障が出ると見ている。
p148~
したがって、中国は台湾を攻撃することはないと思っている。だが考えてみると必要があるのは、これから中国の指導者が代わり、国内の政治情勢も大きく変化すると予想されることである。
「中国が軍事的な圧力を強化し、台湾を戦わずして占領するか、あるいは短い時間内で軍事的に制圧すれば、日本はもとより東南アジア諸国、そしてアメリカも中国の軍事力の前にひれ伏して、南シナ海も、東シナ海、尖閣諸島も中国の影響下におさまる」
中国がこう考えてもおかしくはない。中国側が最も懸念しているのは、戦闘が長引き、西太平洋から極東にかけての海上輸送に支障が出た場合、中国経済に重大な危険が及ぶだけでなく、世界中から批判されて輸出に大きな支障が出ることである。中国の台湾制圧が成功するかどうかは、短期間にやれるかどうかにかかっているが、中国はいま述べた第1次軍事力整備計画の完成によって自信を強めているはずだ。
中国が、南シナ海から東シナ海、そして日本周辺での軍事力を強化していることは、冷戦が終わった現在、世界で最も危険な地域が日本周辺であることをはっきりと示している。中国が大量に配備しているクルージングミサイルや中距離弾道ミサイルは、日本を簡単に攻撃できる。ミサイルの多くは、在日米軍基地を標的にしている。
p149~
(略)
日本では、アメリカの軍事力が中国を封じ込めているので日本は安全だと信じられてきたが、情勢は逆転しつつある。中国国内の政治が不安定になれば、中国の新しい戦略が発動されて、日本を脅かす危険は十分にある。しかも中国だけでなく、北朝鮮も軍事力を強化している。ワシントンの軍事消息筋は、北朝鮮がすでに数十発の核弾頭を保有し、地対地ミサイルや小型艦艇に装備したミサイルで日本を攻撃する能力を持ったと見ている。
p150~
(略)
北朝鮮はすでに述べたように、世界各国にノドン、テポドンといったミサイルを売り、核爆弾の材料である濃縮ウランの製造にも協力をしている。北朝鮮は、軍事技術の輸出国として莫大な資金を稼ぎ始めているが、その北朝鮮の仮想敵国はまぎれもなく日本である。北朝鮮は中国の政治的な支援を背景に、日本を攻撃できる能力を着実に高めている。
中国と北朝鮮だけではない。いったんは崩壊したと見られるロシアが再びプーチン大統領のもとで軍事力を増強し、極東の軍事体制を強化している。
p151~
ソビエトは共和国を手放し、ロシアと名を変えたが、冷戦が終わって資源争奪戦の時代に入るや、国内に大量に保有している石油や地下資源を売って経済力を手にし、それによって軍事力を強化し始めている。(略)
ロシアは現在、石油や地下資源で稼いだ資金をもとに、新しい潜水艦やミサイルの開発に力を入れ、ヨーロッパではNATO軍に対抗する姿勢を取り始めている。2009年と10年には、日本海で新しい潜水艦の試験航海を行ったのをはじめ、偵察機や爆撃機を日本周辺に飛ばしている。
ロシアもまた、極東における新たな軍事的脅威になりつつある。ロシアの究極の敵は国境をはさんだ中国といわれているが、海軍力では中国に勝るロシアが、日本列島を越えて中国と海軍力で対立を深めていくのは当然のことと思われる。
p152~
中国はアメリカに対抗するため、大陸間弾道弾や核兵器の開発に力を入れている。すでに55発から65発の大陸間弾道弾による態勢を確立している。この大陸間弾道弾のなかには、固形燃料で地上での移動が可能な長距離ミサイルや、液体燃料を使う中距離ミサイルなどがある。
中国は潜水艦から発射するミサイルの開発も終わっている。これは中国の核戦略の対象がアメリカであることを示しているが、日本を攻撃できる射程3,000キロのミサイルの開発にも力を入れている。日本が中国の核ミサイルの照準になっていることに、十分注意する必要がある。
中国がアメリカに対抗できる核戦略を持ち、アメリカの核抑止力が日本を守るために発動されるかどうか分からなくなっている以上、日本も核兵器を持つ必要がある。「日本が平和主義でいれば核の恫喝を受けない」という考えは、世界の現実を知らない者の世迷い言に過ぎない。
すでに述べたように、中国は、民主主義や自由主義、国際主義といった西欧の考え方を受け入れることを拒み、独自の論理とアメリカに対抗する軍事力によって世界を相手にしようとしている。第2次大戦以降続いてきた平和主義の構想がいまや役に立たないことは明らかである。日本を取り巻く情勢が世界で最も危険で過酷なものになっているのは、中国が全く新しい論理と軍事力に基づく体制をつくって、世界の秩序を変えようとしているからである。
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◆ 日本抹殺を目論む中国 「日本は取るに足るほどの国ではない。20年後には地上から消えていく国となろう」 2012-10-04 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉
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