行方不明の高齢男性 神奈川県警の警察犬が発見 投入後わずか13分 2頭を表彰へ 2023/5/12

2023-05-13 | Life 死と隣合わせ

行方不明の高齢男性 神奈川県警の警察犬が発見 投入後わずか13分 2頭を表彰へ
2023/5/12 19:29 

 神奈川県逗子市で今月、散歩にでかけた73歳の男性が人通りの少ない道で脳出血で倒れ「行方不明」となり、県警が警察犬2頭を使った捜索で見つけ出して救命していたことが12日、逗子署への取材で分かった。自宅からにおいをたどり、警察犬投入からわずか13分で男性を発見した。夜間で気温が下がり、低体温症のリスクもあったとされ、同署は2頭を17日に表彰する。
 同署などによると、今月2日午後6時半ごろ、散歩に出かけた男性が帰宅しないことを不審に思った妻が逗子署に通報した。署員らが捜索したが見つからなかったため、県警鑑識課の警察犬、「グロリア号」と「ムート号」に出動要請がかかった。

雌のグロリア号(県警提供)

 2頭は男性の自宅で靴のにおいをかぎ、午後11時半ごろ、2手に分かれて捜索を開始。わずか13分後、自宅から約400メートル離れた場所にある寺の参道で靴が脱げた状態で倒れている男性をムート号が見つけた。住宅街から抜け、人通りが少ない場所だった。
 男性は病院に救急搬送され、脳出血と診断された。男性が見つかった時間帯の逗子市の気温は14・6度。病院側からは発見が遅れれば低体温症などのリスクがあったと説明されたとしている。
 さらに男性は持病で薬が欠かせず、妻は同署に「その時、見つかっていなければ、命が危なかったかもしれない」と感謝しているという。
 2頭の犬種はともにジャーマンシェパード。繊細な性格だというムート号は昨年11月に〝デビュー〟し、今回が初手柄となった。今月17日の表彰では2頭に署長賞とおやつのジャーキーが贈呈される予定だ。(梶原龍)

昨年の出動500件超
 県警に現在所属している警察犬はジャーマンシェパードなどの15頭で、担当の警察官とともに行方不明者、容疑者の捜索にあたる。昨年の出動回数は508件。出動要請がかかれば、横浜市栄区の県警警察犬訓練所の犬舎から三浦半島最南端の三浦市、県西部の山々を擁する山北町など県内のどこへでも駆け付ける。
 県警の警察犬は3交代勤務で24時間体制をとっている。昨年の出動のうち7割が行方不明者の捜索、3割が容疑者の捜索だった。行方不明者や容疑者、その遺留品の発見件数は計26件だった。
 鑑識課の警察犬担当者によると、犬の嗅覚は人間の数千倍優れているとされ、捜索対象のスリッパや衣類、枕などのにおいをかがせ、同じにおいのものを探させる。認知症の行方不明者は5キロ、10キロと遠くまで歩いてしまうこともあるといい、離れたところで目撃情報があれば場所を移して捜索に当たることもある。
 警察犬は同じにおいのものを見つけると、ご褒美としておもちゃのボールや餌を与えてもらえる。担当者は「働いているというよりは、同じにおいのものを探して遊んでほしいという気持ちですね」と話す。(橋本愛)

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です


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