<平成事件回顧・東北>(6)須賀川祈祷師殺人(7年)除霊名目集団で暴行
地下鉄サリン事件などオウム真理教による一連の事件に対する捜査が続いていた1995(平成7)年7月、福島県須賀川市の民家で、男女6人の遺体が見つかった。この家の祈祷(きとう)師江藤幸子死刑囚や信者ら4人が悪霊払いと称し、信者らを殴り殺していた。宗教の名を借りたカルト集団による凶行は世間を震撼(しんかん)させた。
女性信者がこん棒で殴られ、大けがをした傷害事件が発覚の端緒になった。家宅捜索で祈祷師宅に踏み込んだ捜査員が目にしたのは、8畳間の布団に横たわった男女6人の遺体だった。
民家では複数の信者が共同生活をしていた。江藤死刑囚らは日常的に「悪霊を追い出す」と称し、太鼓のばちやこぶしで信者を殴っていた。司法解剖の結果、亡くなった6人はいずれも棒のようなものでたたかれた痕が確認された。
須賀川署捜査本部は女性信者への傷害容疑で、江藤死刑囚と長女、信者の男2人の計4人を逮捕。その後、遺体で見つかった5人の殺害、1人の傷害致死容疑で4人を再逮捕した。
江藤死刑囚の死刑は2012年9月、執行された。長女と信者の男はともに無期懲役、もう1人の男は懲役18年の刑が確定した。
2019年04月14日日曜日
◎上記事は[河北新報]からの転載・引用です
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◇ 滝実法相 2人の死刑を執行 2012.9.27 江藤幸子・松田幸則 死刑囚
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