東京地検特捜部が小沢氏から任意で事情聴取する方針

2010-01-06 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
東京地検、小沢氏に近く出頭要請 「陸山会」土地購入疑惑で聴取へ
産経ニュース2010.1.6 02:00
 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」が平成16年に購入した土地をめぐる疑惑で、東京地検特捜部が小沢氏から任意で事情聴取する方針を固めたことが5日、関係者への取材で分かった。近く聴取に応じるよう要請する。
 小沢氏は疑惑に関する告発の対象になっていない。しかし、小沢氏が土地取引をめぐる陸山会と関連政治団体間の複雑な資金移動に関与した疑いが強いことから、疑惑の全容解明には小沢氏本人の事情聴取が不可欠と判断したもようだ。
 特捜部は通常国会が18日召集予定となったことを踏まえ、来週中にも陸山会の会計責任者だった民主党の石川知裕衆院議員(36)=北海道11区=に対する政治資金規正法違反容疑での処分内容を最終判断する方針だが、その前に小沢氏に出頭を求め、土地取引の経緯や不記載の認識などについて説明を求めるとみられる。政権与党の幹事長が捜査機関から事情聴取を受けるのは極めて異例。
 関係者によると、陸山会は16年10月、東京都世田谷区の土地を約3億4千万円で購入。複数の関連政治団体を経由するなどして、土地購入の直前に現金約4億円が陸山会に入り、直後にも約1億8千万円が入金された。取引直後には4億円の定期預金が組まれ、小沢氏名義で4億円を借り入れていた。
 石川氏は特捜部の任意聴取に「小沢先生の指示で土地を購入した。運転資金が足りなくなり、小沢先生に相談して個人資金約4億円を貸付金として受け取り、土地代金に充てた」と供述したが、この資金を含む約5億8千万円は収支報告書に記載されていない。石川氏は不記載を認め、「ずさんだった」としている。
 また、翌17年3月にも別の4億円が陸山会などの口座に入金され、5月に引き出されていたほか、19年には陸山会が小沢氏に4億円を借入金返済名目で支出していたとされる。いずれも収支報告書に記載はなく、不記載の総額は10億円以上に上る可能性もある。
 特捜部は小沢氏本人しか分からない資金の移動が不記載となっていることなどから、事情聴取が不可欠と判断したもようだ。
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<陸山会資金移動>小沢氏に聴取要請へ 東京地検
(毎日新聞 - 01月06日 02:33)
 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の会計処理を巡る問題で、東京地検特捜部は小沢氏に対し、任意の事情聴取に応じるよう要請する方針を固めた模様だ。ただし小沢氏側が要請を拒否する可能性もある。
 陸山会を巡っては04年の土地購入を同年の政治資金収支報告書に記載せず原資も不明として、小沢氏の私設秘書だった同党の石川知裕衆院議員(36)=北海道11区=らが政治資金規正法違反容疑で刑事告発されている。
 石川氏は調べに「小沢氏の指示で土地取引した。小沢氏の手持ち資金から購入費を出した。小沢氏には『運転資金が足りない』と言って借り、(詳細は)知らなかったと思う」と供述。このため特捜部は小沢氏に説明を求める必要があると判断したとみられる。
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中日春秋
2010年1月6日
 十二支の中でも、今年の干支(えと)の寅(とら)(虎)にかかわることわざは多い。<虎うそぶけば風騒ぐ>は、英雄が立ち上がり天下に風雲を巻き起こす例え。<虎は千里行って千里帰る>は、一日に何千キロも往復できるほど勢い盛んな様子を示している
▼今の政界でこんなことわざが似合うのは、民主党の小沢一郎幹事長しかいないだろう。東京都世田谷区の私邸で開いた元日の新年会には、百六十六人もの国会議員が集結。権勢が絶頂にあることを見せつけた▼政府から、菅直人副総理や平野博文官房長官ら主要閣僚も訪問。終始上機嫌の小沢氏は、夏の参院選で単独過半数の獲得を目指す決意を表明したという▼党に所属する国会議員の約四割が「小沢詣で」したのだから、すごい求心力だ。側近議員の皆さんには<虎の威を借る狐(きつね)>にならぬようお願いしておきたい▼小沢氏にとって、盛大な新年会の裏で気がかりだったのは、年末年始に報じられた資金管理団体「陸山会」の土地取引疑惑だろう。東京地検特捜部はきのう、大手ゼネコン数社から一斉に事情聴取を始めた。今後は、四億円近い土地購入資金を貸し付けたとされる小沢氏本人の聴取が焦点になる▼<虎は飢えても死したる肉を食わず>。潔白な人はたとえどんなに困っても、不正なものは受けないという例えだ。小沢氏は堂々と聴取に応じ、疑惑を晴らしてほしい。
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不記載は10億円か? 土地代めぐり複雑な資金移動 小沢氏「陸山会」
産経ニュース2009.12.30 23:14
 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐり、政治団体間の不可解な資金移動や政治資金収支報告書の不記載の疑いが相次いで発覚している。告発されている平成16年の土地取引だけでなく、19年にも小沢氏本人に4億円を支出しながら収支報告書に記載していなかった疑惑も浮上。合わせて約10億円もの政治資金が不記載となっている可能性がある。東京地検特捜部は年明けに、会計事務担当だった民主党の石川知裕衆院議員(36)を政治資金規正法違反容疑で立件する方向で実態解明を進めている。
 ■特別な意図?
 問題となっているのは、東京都世田谷区にある小沢氏の自宅から約700メートルの土地476平方メートル。現在は小沢氏の秘書寮が2棟建つ。陸山会は16年10月5日、都内の不動産会社と約3億4千万円で売買契約を締結。手付金1千万円を支払い、同月29日に残金を支払うことで合意した。
 残金は29日に支払われたが、登記は石川氏の要望で年明けの1月7日に行われた。この支出を16年分の収支報告書に記載せず、17年分に記載したなどとして、石川氏らが政治資金規正法違反罪で告発された。
 小沢氏は会見で「事務方の単純ミス。売買と登記の時間がずれることはある」と釈明したが、不動産関係者は「手続き上、所有権の移転登記が1日遅れることは多々ある。しかし数カ月も遅れることはまれだ。特別な意図があるとしか考えられない」といぶかしむ。
 ■説明はうそ?
 さらに不可解なのは、土地代金約3億4千万円の調達をめぐる複雑な資金の移動だ。小沢氏側は「4億円の定期預金を担保に銀行から小沢氏名義で借りた4億円を充てた」と説明しているが、取材で判明した取引実態からは、この説明はうそだった疑いが強い。
 石川氏は土地代金について、特捜部の任意の事情聴取に「運転資金が足りなくなり、小沢氏の個人資金約4億円を充てた」と供述。実際、陸山会の口座には、29日の1、2日前に簿外で用意した小沢氏の個人資金とみられる約4億円が複数の関連政治団体を経由するなどして入金されていた。
 29日午前、陸山会が土地代金を振り込んだ直後、陸山会の口座には、さらに複数の関連政治団体から計約1億8千万円が入金されていたとされ、銀行で4億円の定期預金を組み、これを担保に4億円の融資を受けたのは同日午後だった。
 このため、小沢氏の個人資金が土地代金に充てられ、関連政治団体からの1億8千万円が定期預金の原資の一部になった可能性が高い。定期預金を担保にした借り入れは、簿外の小沢氏の個人資金を隠すためだった疑いがある。
 これら、政治団体などからの入金はいずれも収支報告書に記載がなく、計約5億8千万円について、不記載の疑いが浮上している。
 ■簿外原資は?
 こうした不可解な資金移動を実行していたのが石川氏だったという。石川氏とともに告発された当時の会計責任者で小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規被告(48)=規正法違反罪で公判中=は周囲に「土地は探したが、その後の契約手続きなどは石川氏がやった」と話しているという。
 また、陸山会は19年、小沢氏本人に4億円を支出していた疑惑も発覚。小沢氏からの借入金の返済とみられるこの資金も、複数の関連政治団体から入金された計4億円が充てられていた可能性が高いという。
 この4億円と16年の5億8千万円を合わせ、陸山会では約10億円が不記載となっている疑いがある。特捜部は、簿外資金の原資についても解明を進める。

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