産経ニュース 2015.8.7 05:03更新
【主張】戦後70年談話 首相は「過去の断罪」排せ
安倍晋三首相が戦後70年談話の作成に向けて設置した有識者会議「21世紀構想懇談会」が、報告書を提出した。
これを受け、首相は終戦の日の直前に談話を発表する意向とされる。
談話には米国や中国なども関心を抱いている。国際秩序の守り手として日本が世界に寄与する姿勢を示す、未来志向の内容となることを期待したい。
未来へ進む土台となる歴史をめぐる表現には、英知の発揮が必要である。過去を一方的に断罪した村山富市首相談話は、日本の名誉と国益を損なってきた。その轍(てつ)を踏んではなるまい。
首相は6日の広島市での記者会見で、「日本が今後どのような国になるかを世界に発信する」と談話の目的を表明した。さらに「先の大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、アジア太平洋や世界へのさらなる貢献を書き込む」と語った。妥当だろう。
報告書は、日本が取り組むべき課題として、平和や法の支配、自由貿易などからなる「20世紀後半の国際的公共システム」を維持する重要性を訴えた。
そうした価値観に反し、国際秩序を力によって変更しようとする大国の動きが顕在化している。海洋覇権をねらう中国や、ウクライナ南部クリミアを併合したロシアである。国際秩序安定のため、日本が一層の貢献を果たすのは重視すべき視点だ。
一方、報告書は満州事変以降の日本の戦争を「侵略」と記したが、国際法上の定義が十分でないとの指摘や、日本だけを侵略と断定することへの異論が複数の委員から示され、注記された。
有識者会議の議論自体、歴史にはさまざまな見方があることを示したものだ。独立を全うしようとした日本の苦難の歩みなどを軽視する傾向は残念だ。
中国、韓国は村山談話を念頭に、「植民地支配と侵略に対する心からのおわび」の表現を要求している。だが、謝罪の繰り返しは関係改善を生まない。かえって、歴史カードによる日本攻撃を招いたことを忘れてはなるまい。
首相が4月に米上下両院で行った演説は、村山談話の表現を用いずとも高い評価を得た。同談話を含め歴代内閣の立場を全体として引き継ぐというが、特定の歴史観に政府が踏み込むことは回避すべきだ。
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〈来栖の独白 2015.8.7 Fri.〉
案じるには及ばない。見事な「談話」が出されることを確信している。「侵略」の「し」の字もないだろう。楽しみである。
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