北朝鮮外務省「シリアの化学兵器開発を支援していない」
2018年3月2日(金)10時30分
3月2日、北朝鮮政府は、同国がシリアの化学兵器開発を支援しているとする米政府の見解を否定し、北朝鮮に圧力をかけるためのでっち上げだと主張した。写真は北朝鮮国旗。昨年3月マレーシアで撮影(2018年 ロイター/Edgar Su)
北朝鮮政府は、同国がシリアの化学兵器開発を支援しているとする米政府の見解を否定し、北朝鮮に圧力をかけるためのでっち上げだと主張した。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)が1日遅く、外務省報道官の話として伝えた。
米国のロバート・ウッド軍縮大使は今週28日、ミサイル開発や化学兵器の部品を巡り北朝鮮とシリアが関係してきた歴史があると発言した。
KCNAによると、北朝鮮外務省米国研究所の報道官は米国の主張は「ばかげている」と反論。「何度も説明している通り、北朝鮮は化学兵器の開発、製造、保管をしておらず、化学兵器自体に反対の立場だ」と述べた。
北朝鮮の制裁決議違反に関する国連の機密報告書によると、昨年には、シリアの化学兵器プログラムを担う政府機関あての北朝鮮からの貨物輸送が複数件阻止されている。
[ソウル 2日 ロイター]
◎上記事は[NewsweekJapan]からの転載・引用です
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◇ 『ユダヤとアメリカ 揺れ動くイスラエル・ロビー』立山良司著 中公新書
(抜粋)
p58~
幅広い軍事協力
シリアが現在のような悲惨な内戦に陥る前の2007年9月、イスラエルがシリア北部の(p59~)何らかの施設を空爆したとの報道が世界を駆け巡った。シリアはイスラエルを非難したが、イスラエルは空爆した事実を認めただけで、何が標的だったかはいっさい公表しなかった。しかし、7ヵ月後の2008年4月下旬、米政府がこの件で突然、声明を発表した。イスラエルが空爆した施設はシリアが北朝鮮の協力を得て秘密裏に建設していた原子炉だったというのである。米政府が公開した資料には建設中の原子炉内部や、技術協力をしていた北朝鮮の専門家とされる写真も含まれていた。米政府はこうした写真をどのようにして入手したかを明らかにしなかったが、イスラエルの情報機関モサドが施設内部に協力者を送り込んでいたというのがもっぱらの見方だった。
この施設が本当に北朝鮮の協力を得てシリアが建設していた原子炉だったとの確証は今のところない。国際原子力機関(IAEA)も調査に乗り出した。しかし空爆直後にシリア政府自身が破壊された施設の残骸を完全に撤去し、証拠を“隠滅”してしまった。更にその後の内戦で、IAEAは十分な調査ができていない。
いずれにしても米国政府の発表はかなり詳細を極めたものだった。
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