法廷のついたては取り外された 強制不妊訴訟の原告が「顔出し」で訴えた思い
中日新聞 2023年7月28日
旧優生保護法下で不妊手術を強制されたとして、聴覚障害のある名古屋市の70代の夫妻が国に計約3千万円の損害賠償を求めた訴訟の弁論が27日、名古屋地裁であった。法廷ではこれまで、本人の希望に基づいて原告の姿が傍聴席から確認できないようについたてが設けられてきたが、2人から「勇気を持って闘いたい」と申し出があり、取り外された。
中日新聞 2023年7月28日
旧優生保護法下で不妊手術を強制されたとして、聴覚障害のある名古屋市の70代の夫妻が国に計約3千万円の損害賠償を求めた訴訟の弁論が27日、名古屋地裁であった。法廷ではこれまで、本人の希望に基づいて原告の姿が傍聴席から確認できないようについたてが設けられてきたが、2人から「勇気を持って闘いたい」と申し出があり、取り外された。
二人は昨年9月の提訴以降、支援者らの集会などの場でも原告であることを伏せてきた。この日は記者会見を兼ねた閉廷後の集会で自ら原告だと明かし、手話通訳を通じて思いを語った。誹謗中傷への恐れがある一方、争う姿勢を崩さない国側への怒りから、夫は「このままではいけないと思い、顔を出すことにした」という。妻は「(国は)どうして分かってくれないのか」と訴えた。
訴状などによると、二人は1975年4月に結婚。妻は実母から「耳が聞こえない子が生まれたらどうする」と促され、同年5月に手術を受けた。旧優生保護法によって「自己決定権や平等権、個人の尊厳を侵害された」と主張している。
一方、国側は、妻の不妊手術について「不知」と主張。旧優生保護法に基づく手術だと立証するよう原告側に求めている。
同種の訴訟は全国の12地裁・支部で起こされ、一部は控訴、上告中。
◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用、及び書き写し。画像、略。(=来栖)