櫻井よしこ氏「憲法改正 ぐずぐずしている暇は一瞬もない」 2021.5.3

2021-05-04 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

櫻井よしこ氏「憲法改正ぐずぐずしている暇は一瞬もない」 改憲フォーラム講演全文
 2021.5.3 16:21   

 ジャーナリストの櫻井よしこ氏は3日、オンライン形式で行われた憲法フォーラムで憲法改正について「ぐずぐずしている暇は一瞬たりともない」などと述べた。全文は次の通り。

          ◇

 会場の皆さま、こんにちは。そして全国でこの放送をごらんくださっている皆さま、こんにちは。今日、23回目の公開憲法フォーラムを開くことになりました。ただいま、菅義偉首相よりメッセージをいただきました。そして、この憲法の中に自衛隊を書き込むことなど自民党の4案をご紹介くださいました。
 私たち民間憲法臨調は、以前より、一日も早く憲法改正をしなければならない。そして今の国際情勢を見るとですね、もうぐずぐずしている暇は一瞬たりともないのだということを申し上げてきました。時間がたてばたつほど、国際情勢は難しくなります。
 そして憲法改正という論点から見るとですね、むしろ今は米国も日本の憲法改正に対して、非常に前向き、むしろ「ちゃんとやってください」という姿勢であることがわかります。私たちの国での憲法改正議論は、国内の世論がまだそこまで成熟していないという論点と共に、国際社会がどう見るかということを非常に気にしてまいりました。この2つともに、私は憲法改正を望む声が圧倒的に強くなっているのではないかと思います。
 まず国際情勢から見てまいりたいと思います。私たちはあの明治維新で国を開いて以来、今日のような厳しい状況に直面したことはないと思います。その意味で、この日本を取り囲む国際情勢の厳しさは、まさに100年、200年に一度のものだと言わざるを得ません。
 先月、菅首相が訪米なさり、バイデン米国大統領との首脳会談をなさいました。私はこの首脳会談は、数多くなされた日米首脳会談の中でも、最も重要な意味を持つ会談の一つであると思います。それは、国際情勢のあまりの厳しさに米国も国際社会も日本国にお願いだから、もっとまともな、自立した国になってほしいという大きな大きなメッセージが背景にある、そのような会談だったと思うからです。
 今まで、数多くの首脳会談がなされましたけれども、その時々の焦点は、経済であり、いろんなことでありました。今まさに、中国が会談の大きな争点となっています。もちろんそこには経済もありましょうし、そしていろんな通信手段の話もありましょうし、多くの問題がありますけれども、一言で言えば今回の日米首脳会談の一番の大きなテーマは、隣の中国にどのように向き合うかということです。
 私たちは長い交流の歴史があります。深い経済の交流があります。無視するわけにはいきません。ですから良い関係を築かなければならない。そのために努力するのは当然でありますけれども、そのことと同時に、中国の無法な行為、いわゆる中華帝国を目指す独断的な行為をそのまま受け入れるわけにはまいりません。
 ですから、菅首相は日米首脳会談で非常に踏み込んだ発言をなさっています。3月に行われました、日米両国の防衛相と外相が4者一緒にそろって戦略を論ずる、いわゆる「2プラス2」の会議で、その声明には、台湾海峡の平和と安定に重要性を見いだすということまで書きました。
 そのことがさらに首脳会談で再確認されました。非常に大きなことであります。台湾の平和と安定にわが国は重要な意味を見いだしている。すなわち、台湾海峡の平和と安定にわが国はアメリカとともに力を尽くすということであります。

 その論拠として、もっと多くのことを首相はおっしゃいました。決意も表明なされました。例えば、日本国は防衛力を強くする、例えば、日本国は日米同盟をさらに高い水準に引き上げるよう努力をする、そして、中国に対しても名指しできちんと人権問題などについて、物を申しました。首脳会談に先立つ、有名なシンクタンク「CSIS(戦略国際問題研究所)」というのがございますが、そこでの発言は、もっと踏み込んだものでありました。
 この一連の発言をよく読んで、日本は国家としてのメッセージを国際世界に発信した、それは紛れもなく、戦後の体制と決別するという決意表明に他ならない。そのように、解釈せざるを得ないだけの決意に満ちた発言を首相がなさった。私はこれは歴史に残る首脳会談だと思います。
 私たち言論人の歴史、心に残るだけではなく、日本国の歩みにおいて、非常に大きな一歩を菅首相は踏み出しました。まずこのことを深く自覚したいと思います。
 次に、言葉だけでは、済まないのです。国際社会に約束をしたのです。唯一の同盟国・米国に明言したのです。国防力を強化する、日米同盟をさらなる高みに引き上げる、台湾海峡の平和と安定を重視する。中国の国際法無視、人権弾圧、このようなことは受け入れられない。わが国は主権の問題については譲歩することはない。このような素晴らしいコミットメントをいかに実現していくか、これが大事です。
 もし首相の言葉が、言葉だけに終わったら、これは日本国という国は何なのだと米国から思われます。日米同盟の破綻につながるでしょう。もしくは米国はもう日本を相手にしなくなるでしょう。隣国は喜ぶかもしれない。そして世界はわが国に失望するでしょう。今問われているのは、いかにして日本国の首相が、海外で約束したことを実行に移すかということです。これは紛れもなく日本国民を守ることでもあります。日本国の領土・領海を守ることでもあります。
 そして、その道筋において私たちが考えるべきことは、どうやったら実現できるのかということです。小さなことで言えば、例えば海上保安庁法25条の改正でもありましょう。自衛隊の予算を増やすことでもありましょう。自衛隊員、海上保安庁の隊員を増やして、船も飛行機も潜水艦もあらゆる装備を増やしていくことが、具体的一歩の目に見える形での世界へのメッセージなんです。
 でも、その先にもっと大事なことがあります。皆さん、それこそが私たちがここにあります、1千万人以上の皆さん方の署名をいただき、一生懸命みんなで心を一つにして、この国の形を根底から変えていきましょうと誓った、憲法改正を成し遂げることなしには、菅首相のお約束は空証文に終わりかねないと私は思います。
 菅首相は、おっしゃったことは実行するということで知られる、大変誠実な方でいらっしゃいます。地味ではありますけれども、嘘はつかない、それは日本人の美徳であります。日本の文化の一番の基本であります。
 私はそのことを信じて、この美しい日本の憲法をつくる国民の会の共同代表として、今心新たに勇気づけられました。そして諦めることなく、やっていくぞと思うようになりました。
 会場の皆さん、そして全国津々浦々の皆さん方、諦めることなく、今が本当にチャンスなんです。国内のこの状況を見ても、日本を取り囲む状況を見ても、今憲法を改正しないでどうする、今憲法改正をしないで、中国の影響下に入るのか。異形の価値観を持った国の影響下に入るのか、そんなことはあり得ないのです。
 わが国の素晴らしい価値観、それは1人1人の人間を大切にする、そのことが原点です。民主主義の究極の価値観です。それを守り通すために、皆さん、一緒に頑張りましょう。よろしくお願いします。そして、ありがとうございました。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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〈来栖の独白 2021.5.4. Tues〉
>今憲法を改正しないでどうする、今憲法改正をしないで、中国の影響下に入るのか。異形の価値観を持った国の影響下に入るのか、
 櫻井よしこ氏にすべて同感である。


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