<オウム>元幹部ら6人の死刑執行 13人全員、同じ月に
2018/7/26(木) 9:00配信 毎日新聞
午前6時54分、執行に立ち会う検察官が乗ったと見られる車両が東京拘置所に入った=東京都葛飾区で2018年7月26日、長谷川直亮撮影(画像の一部を加工しています)
法務省は26日、オウム真理教による一連の事件で死刑が確定した教団元幹部ら6人の刑を執行した。教団元代表の松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚と別の元幹部計7人の刑は今月6日に執行されており、死刑囚13人を含む教団関係者190人全員の刑が執行されたことになる(服役中の受刑者含む)。
1カ月で2度の死刑執行は極めて異例。上川陽子法相は前回の法相在任中(2014年10月~15年10月)を含めて計16人の執行を命じたことになる。死刑執行は当時の法相のスタンスなどから、1989年から約3年4カ月にわたり停止状態になった。93年に再開されて以降の法相では鳩山邦夫氏の13人が最多だったが、上川氏はそれを上回った。
26日に執行されたのは、刑の確定順に岡崎(宮前に改姓)一明(57)=名古屋拘置所▽横山真人(54)=同▽端本悟(51)=東京拘置所▽林(小池に改姓)泰男(60)=仙台拘置支所▽豊田亨(50)=東京拘置所▽広瀬健一(54)=同=の6死刑囚。先に執行された7人と共に坂本堤弁護士一家殺害、松本・地下鉄両サリンの3事件のいずれかに関与、殺人罪などで05~09年に死刑が確定した。
*オウム真理教とは
松本智津夫元死刑囚が1984年に設立したヨガ教室「オウム神仙の会」が前身で87年に改称。「修行すれば超能力者になれる」などとうたって、若者を中心に信者を増やす一方、高額な布施や出家・脱会を巡って次々と事件を起こすようになった。90年には松本元死刑囚ら25人が衆院選に立候補したが惨敗し、殺人を肯定する教義の実践と武装化を加速させた。坂本堤弁護士一家殺害(89年)、松本サリン(94年)、地下鉄サリン(95年)など一連の事件で計29人(刑事裁判の認定では27人)が犠牲となり、6500人以上が負傷。公安調査庁によると、2000年に改称した後継主流派「アレフ」や、07年に分派した「ひかりの輪」などが存続している。
最終更新:7/26(木) 11:06 毎日新聞
◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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オウム死刑執行
林死刑囚ら6人、近況見えず 外部と遮断
毎日新聞2018年7月26日 10時52分(最終更新 7月26日 10時58分)
オウム真理教の松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚を含む教団元幹部7人の刑が執行されてからわずか20日。2度目となる執行が26日、元教団幹部ら6人を対象に行われ、一連の事件を巡るすべての刑事手続きが終わった。今回の6人は地下鉄サリン事件で散布役を務めるなどしたが、多くは外部との接点を遮断しており、近況はほとんど闇の中だ。
岡崎(現姓・宮前)一明死刑囚は坂本堤弁護士一家殺害事件などに関与。2005年にオウムで最初の死刑確定者となった。獄中で絵画を描き、死刑廃止団体の絵画展に出品。美術評論家から、高い評価を得ていた。
横山真人死刑囚は、教団の「科学技術省次官」。地下鉄事件に、丸ノ内線電車内への散布役として関与した。弁護人の意向もあって最高裁まで量刑不当を主張したが、1審判決直後、「死刑の方が被害者に納得してもらえるかもしれない」と話していた。
端本悟死刑囚は、早稲田大法学部3年生の時に出家し、大学を中退。空手が得意で「警備班」に配属されていた。坂本弁護士一家殺害事件と松本サリン事件に関与。公判で弁護人を務めた佐藤雅彦弁護士は今月13日に面会しており、「本人は被害者に申し訳ないという気持ちで後悔してきた。(死刑囚としての)状況を冷静に受け止めていたのではないか」と話した。
林(現姓・小池)泰男死刑囚は地下鉄事件で、日比谷線電車内への散布を担当。松本事件などにも関わった。最近は再審請求を担当する弁護士と定期的に面会。弁護士との接見に拘置所の職員が立ち会うのは違法だとして、国家賠償訴訟などを起こしていた。
豊田亨死刑囚は、東大大学院で素粒子理論を専攻。地下鉄事件では日比谷線での散布を担った。00年の自身の東京地裁公判では「私のような者が生きていること自体が申し訳なく、浅ましい」と陳述していた。
広瀬健一死刑囚は早大大学院で応用物理を専攻。地下鉄事件では丸ノ内線での散布役だった。15年には高橋克也受刑者の公判に証人出廷し、「(地下鉄事件の)被害者はより幸福な世界に転生したと思った。独善的な考え方だった」と遺族らに謝罪していた。
【服部陽、石山絵歩】
◎上記事は[毎日新聞]からの転載・引用です
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FNN PRIME 2018年7月26日 木曜 午前11:23
7月26日に死刑が執行された6人のオウム死刑囚。
東京大学や早稲田大学を卒業した”エリート“や”殺人マシン“と恐れられた男など それぞれが果たした役割と教団の驚愕の犯行とは…
*林泰男死刑囚
オウム死刑囚の中でも、「殺人マシン」と恐れられた男。
オウム真理教元幹部・林泰男(はやし・やすお)死刑囚。
東京出身の林死刑囚は、1987年に教団の前身「オウム神仙の会」に入信。教団では脱会した信者に対する盗聴やロシアでの射撃訓練などを行い、教団の武装化路線に深く関わってきた。
死者13人、6300人以上が負傷した「地下鉄サリン事件」には、サリンを地下鉄に散布する実行犯として関与した。
他の実行犯はサリンを2袋ずつ携帯したが、林死刑囚は3袋を持って、中目黒行きの地下鉄・日比谷線に乗り込み、他の実行犯よりも多くのサリンを散布した。
この路線は、最も死者が多く8人が死亡、このことから、オウム真理教の「殺人マシン」と呼ばれた。
事件後、逃走した林死刑囚。オウム特別手配犯の中でも「教団の闇を知る」人物として警察は行方を追った。
特別手配から1年8か月がたった96年12月。警察は、林死刑囚が過去に沖縄県の石垣島や西表島などを頻繁に訪れていたことから警戒。石垣市内で林死刑囚を見つけ逮捕した。その時の服装は白いシャツにジーンズだった。
*豊田亨死刑囚
兵庫県生まれの豊田亨(とよだ・とおる)死刑囚は、東京大学理学部卒業後、大学院に進み、素粒子理論を専攻。1992年、オウム真理教に出家した。
教団内では、1995年に刺殺された村井秀夫(むらい・ひでお)幹部をトップとする「科学技術省」に所属。
「ボーディサットヴァ・ヴァジラパーニ」というホーリーネームを持ち、物理学のエキスパートとして地位を固めた。
豊田死刑囚は、1995年3月の地下鉄サリン事件の実行犯として日比谷線に乗り込み猛毒のサリンを散布したほか、「都庁郵便物爆発事件」で爆薬を製造するなど、あわせて4つの事件に関わり、殺人などの罪に問われた。
法廷で豊田死刑囚は「松本智津夫死刑囚の指示に抵抗できなかった・・・」と主張したが、1・2審で死刑判決を受けた。
豊田死刑囚は上告したが、2009年11月、最高裁が棄却し、死刑が確定した。
*広瀬健一死刑囚
「科学技術省」と呼ばれた組織の次官にのぼりつめた広瀬健一(ひろせ・けんいち)死刑囚。
松本智津夫元死刑囚の指示で、武器製造担当となり、自動小銃を密造する中心メンバーとしてロシアで射撃練習もしていた。
地下鉄サリン事件では、救済につながると信じ、散布役を承諾したとされる。
弁護側は、「マインドコントロール下にあった」として死刑回避を求めたが、最高裁は「法治国家に対する挑戦ともいうべき犯行で、犯行態様は残虐で、非人道的というほかない」と指摘、2009年に死刑が確定した。
死刑が確定した後は、2015年に元信者の裁判員裁判に出廷し、教団内で、サリンのことを「サリーちゃん」や「魔法」という隠語で呼んでいたことを証言。
一方で、「地下鉄でサリンを撒く指示を受けた際、多くの方が亡くなると思った」などと述べていた。
*横山真人死刑囚
寡黙な技術者だったという横山真人(よこやま・まさと)死刑囚は、教団では、「科学技術省」の次官という 幹部の立場にいながら、他の実行犯の証言でも目立った存在として登場していない。
地下鉄サリン事件では、丸の内線の車内でサリンを撒いた実行犯として 死刑判決を受けた。
弁護側は、マインドコントロール下にあったことや、担当した路線で死者が 出ていないことなどから死刑にしないよう求めていた。
2007年に最高裁は、「教団幹部の立場で犯行に積極的に加わり、 地下鉄でサリンを発散させた責任は重いというほかない」と指摘、死刑が確定した。
*端本悟死刑囚
「将来プロスキーヤーになりたい」
文集に大きな夢を書いていた少年時代。
その後、男は「ポア」という言葉で殺人を肯定する教団に、身をおとした…
東京出身の端本悟(はしもと・さとる)死刑囚は、一年間浪人したあと、早稲田大学法学部に進学。
在学中は、空手に取り組み、大会で優勝するほどの腕前になった。
教団に入信したのは大学在学中の1988年。
端本死刑囚は空手の実力をかわれ、松本智津夫元死刑囚のボディガードを務めたほか、新実智光元死刑囚率いる実行部隊で非合法活動に手を染めた。
1989年の「坂本弁護士一家殺害事件」では、坂本堤弁護士に馬乗りになって殴打。
1994年の「松本サリン」事件でも、猛毒のサリンを散布する車を運転するなど、「実行犯」として事件に関与した。
端本死刑囚は、教団が起こした3つの事件で殺人などの罪に問われ、1・2審で死刑判決。上告したが、最高裁が2007年10月に棄却し、死刑が確定した。
裁判中、端本死刑囚は「麻原ではなくて自分の感性を信じるべきであった」と後悔の言葉を漏らしていた。
*岡崎一明死刑囚
オウムの初期のビデオにもたびたび登場する岡崎一明(おかざき・かずあき)(現在の名前は宮前一明)死刑囚は、教団の古参信者だ。
岡崎死刑囚は、当時まだ明らかになっていなかった坂本弁護士一家殺害などへの関与を捜査機関に自白。裁判では全面的に罪を認めたうえで、この自首による減刑を主張した。
1審の判決では、自首が成立することが認められたものの、『教団から命を狙われかねないと恐れていたため、自己保身を図ろうとしたもので、極刑を望む遺族感情などを考えると刑を軽くするには至らない』として、裁判所は死刑を選択。
坂本弁護士一家殺害事件や元信者の殺害事件で、殺人などの罪に問われ、1・2審で死刑判決を受けて上告していたが、最高裁が2005年4月に棄却し、死刑が確定していた。
一連のオウム裁判で死刑判決が下されたのは、岡崎死刑囚が初めてだった。
◎上記事は[[FNN PRIME]からの転載・引用です
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オウム真理教死刑囚2人の刑を執行 「最後の日まで感謝忘れず」 名古屋拘置所
2018/7/26(木) 12:25配信
メ〜テレ(名古屋テレビ)
オウム真理教による事件で死刑が確定した元幹部6人の死刑が26日午前執行され、名古屋拘置所でも2人に執行されました。
死刑が執行されたのは坂本弁護士一家殺害事件などに関わった岡崎一明死刑囚(57)と地下鉄サリン事件の実行犯横山真人死刑囚(54)です。2人は3月に東京拘置所から移送されていました。岡崎死刑囚から6月末に支援者に届いた手紙には「心から感謝し、決して最後の日まで忘れません」などと執行を前にした心境がつづられていたということです。執行された後も、名古屋拘置所周辺には大きな混乱はなく、支援者らが駆けつけるといった様子は見られませんが、警察は引き続き後継団体の警戒を続けるということです。
最終更新:7/26(木) 12:25 メ〜テレ(名古屋テレビ)
◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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