〈来栖の独白 2019.4.6 Sat〉
琵琶ちゃんに私が会って餌を食べさせたのは、定まって午後であった。ほぼ3時台。こちらの都合で午前に行っても、琵琶はいなかった。5~6年間も琵琶ちゃんに会う生活を過ごしてきたが、午前に会ったことは一度もない。午後3時台に、琵琶ヶ池の傍の石段の所で会う。午前中、琵琶は何処に居たのだろう。
3月30日土曜日に会ったのを最後に、琵琶に会えていない。二日以上、琵琶が石段の所で待っていてくれないなど、嘗てなかった。琵琶が居ないということは、私には琵琶の死を暗示する。琵琶に会えない2日目(4月1日)、私は「琵琶は死んだ」と思った。感じた。
琵琶のことばかり思い巡らす中、ハタと、琵琶は午前中、どこで過ごしていたのだろう、と考えた。そして、もしや琵琶は、猫たちの勢力争いで池の傍から追われ、午前に住処としていた場所へ移動したか…、と。
公園の猫ちゃんたちに、縄張り争いはめまぐるしい。現在、琵琶の居た石段から400メーターほど離れた所に定着している黒猫ちゃんも、長年いたボート乗り場の辺りから追われてきたということだ。来た当初、餌をめぐって琵琶を攻撃し、琵琶が左右を確認(?)もせず、道路に飛び出した(渡った)ことがあった。
この1週間、琵琶は生きていて住処を変えた、と考えた日もあった。公園の猫の世話を熱心にやっているボランティア団体の人に尋ねたりもした。が、いま、やはり琵琶は死んだのだ、と思う。生きていながら石段の傍に来ないわけがない。
最後に会ったのは、3月30日土曜日。天気予報通り、午後から弱い雨が降り出した日であった。いつものように(雨の日は)、椿の木陰で待っていた。琵琶ヶ池の傍の道を歩いてくる私をじっと見た。そして、木陰から迎えに出てきた。「琵琶ちゃん、(出てこなくて)いいよ、濡れるからね」と云っても、近寄って私の足に頬ずりする。そして石段の上で、食べた。傘を差し掛け、「琵琶ちゃんに会えるのが、おばちゃんの幸せだよ。ありがとうね、琵琶」などと話す。
5~6年間の琵琶との「逢瀬」。近づく私の姿を見て(待っていたくせに!)「意外だ」「本当におばちゃん?」という顔をして迎えたことが、一度あった。昨年7月7日、車のアクセルとブレーキを踏み間違え、バンパーを凹ませるという事故を私は起こし、小さな自損事故だが車の運転が怖くなって私は公園へ行かなくなった。「行こう」という気持ちが消失した。その状態が10日ほども続いた。行けないのではなく、行く気持ちが消失したのだった。…10日間ほどで事故の怖さを忘れ、再び公園へ。「行かない」(行く気の消失)という気持ちが伝わっていたかのように、会ったとき、琵琶はじっと確かめるように「意外だ。ほんとにおばちゃん?」という表情をしたのだ。あの時の表情は、忘れられない。実家へ帰省したりして何日かぶりに会っても、「意外だ」という顔をしたことはなかった。
主なる神は、すべてをご存知で、琵琶を迎えてくださっている。そして、必ず、私もその国で再び琵琶に会える。そう長い先ではない。
琵琶ちゃん、ありがとう。
【とわにやすらぎ】 カトリック聖歌 78
① とわに安らぎ 与えたまえ 絶えざる光 照らしたまえ 世の旅 終えて ゆきししもべに ② あわれみの主よ み使いもて みちびきたまえ このしもべを なみだの地より 天(あめ)のみくにへ
【世を去る友】 (#445)
① 世を去る 友をば かえりみたまえ 死こそは 神への 門出なりせば ② 愛の みあるじよ かなしき わかれ み旨と あおぎて 忍びて あらなん ③ 主に 賜わりては 主に 召さるるぞ 此上(こよ)なき 御恵み(みめぐみ) おもうも なみだ ④ とうとき 御陰(みかげ)を たのみまつりて 逝きにし 霊(たま)をぞ 御手(みて)に ゆだねる
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⇒ 琵琶ちゃんに会えた 〈来栖の独白 2019.4.11〉
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* 〈来栖の独白 2019.4.2〉今日で3日、琵琶ちゃんに会えていない
* 琵琶ちゃん、居てくれた〈来栖の独白 2018.10.7〉
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〈来栖の独白〉追記2019.4.6 夜
goo編集部さんが「kanayame_47 さんが 2018年04月06日 に書かれた記事をお届けします。」と、メールをくださった。見れば、琵琶の記事。堪らない。
* 少し早めに、公園へ〈来栖の独白2018.4.6 Fri〉

〈来栖の独白2018.4.6 Fri〉
本日は夕方から雨になるとの予報。少し早めに、公園へ。いつものように琵琶ちゃん(猫 ♀)が待っていた。私の足に、頻りに体を寄せてくる。
公園の多くの桜は殆ど散ってしまっているが、此処、琵琶ちゃん居住区の桜は、散り始め。昨日、名残に撮影。もう何年も、四季を通じて楽しませてくれた。蕾の時季・花の時季・新芽の時季・緑の旺盛な時季・紅葉・冬を耐えて蕾を育む時季。
昨年2月から3月にかけては、母の重篤・死去があり、実家へ行っていたため、2週間ほど来ることができなかった。これほど長い留守は初めてのことで、名古屋へ戻り急ぎ行ってみると、琵琶ちゃんは直ぐには寄って来ず、確かめるように暫く私をじっと見ていた。「琵琶ちゃん」と呼ぶと、、やっと「うん、間違いない」という格好で、駈けてきた。
この季節は特に母のことが偲ばれてならないが、この公園に、毎日来ることができる。感謝。
〈来栖の独白〉補遺 2019.4.7 Sun
本日午前8時半、約束があってMさんと会った。猫世話関係の友人。Mさんが「琵琶ちゃんは、歯の左側が悪いみたいで、口の動かし方も変だったし、右で噛んでた…」と。私はろくに聞かず「去年の終わり頃からかな、石段の上やら、ベンチの下やら、何カ所も移動して食べるようになったね。ゆっくり時間かけて、散歩しながら、食べてた」と話した。
帰宅して、Mさんの言ったことが不意に思い出され、と胸をつかれた。そうか、琵琶は、年をとっていたんだ。それで…私は気づかなかったけれど…歯も悪くなり、そういえば毛の色艶も失せていたな、昔は生き生きした色艶だった、と気が付いた。出逢ったころ、当時、ボランティアの女性から聞いたことによれば、3歳くらいということだった。5、6年付き合ってきたわけだから、琵琶の現在の年齢は9歳か…。野生ネコにとって9歳は、相当に苛酷だろう。……そうか、琵琶は高齢で死んだのか……。Mさんのお陰で、琵琶のこと、理解することができた。私は、琵琶を観察もしなかったし、高齢などとは思ってもみなかった。
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私も悲しいです。、、、、泣きそうになりました。
もしかして、ひょっこり出て来たらいいですね。
でも、難しいかもしれません。
新しい飼い主が、「お持ち帰り」してたらいいんですけど、、、、、
しかし、その可能性は、どうでしょうね?
とても、悲しいですけど、もしかしたら、天国に行っちゃったかもしれませんね。(泣)
宥子さま、どうか、お心安らかでいらっしゃって下さい。
いっぱい仲良くしてきたので、悔いはありません。琵琶の平安を祈っています。
goo編集部さんが下さった拙ブログ1年前の記事、琵琶とのことを書いていたので…それと、大好きな桜の画像がありましたので…追記しました。
あやか様、本当にありがとう。あやか様の所の愛猫ちゃん、もうお膝から下りて寝ん寝んしたかな。お休みぃ。