2008年6月11日 中日新聞夕刊
原則非公開の少年審判で、殺人などの重大事件について犯罪被害者や遺族の傍聴を認める改正少年法が11日午前の参院本会議で、自民、公明、民主各党などの賛成多数で可決、成立した。
審判の傍聴は、2005年に閣議決定された犯罪被害者等基本計画に盛り込まれた支援策の1つ。被害者の「知る権利」に応えるものだが、少年審判の在り方が変わり、加害少年の矯正教育という少年法の理念を揺るがしかねないと心配する声も根強い。
改正少年法は「殺人など他人を死傷させた重大事件」を対象に、家裁が加害少年の年齢や心身の状態などを考慮し傍聴を許可する内容。被害者らが不安や緊張を感じる恐れがある場合は、弁護士や支援者の付き添いも認める。
施行日は政令で指定し、公布から6カ月以内。
当初、民主党が「加害少年への配慮」を求め改正法案の審議入りは遅れていたが、国会終盤に自民、公明両党と法案修正で合意。(1)家裁が傍聴の可否を判断する前に加害少年の弁護士(付添人)への意見聴取も義務付ける(2)加害者が12歳未満の審判は傍聴対象から除外する-などの民主党提案を与党が受け入れた。
改正法では、損害賠償請求をする際などに限られている事件記録の閲覧やコピーを原則的に許可。被害者が死亡した場合に配偶者らに認めている審判での意見陳述を寝たきりになった場合などにも認める。
【少年審判】 家庭裁判所が20歳未満の少年について非行事実の有無を判断し、処遇を決める手続き。刑罰を科すことが主眼の刑事裁判と違い、少年の保護や立ち直りの支援に重点が置かれている。少年法の規定により非公開で行われているが、2001年に改正少年法が施行され家裁の裁判官の裁量で被害者や遺族に意見陳述が認められるようになった。
少年の保護や立ち直りの支援に重点が置かれている少年審判が報復の場にならないか心配です。
また、被害者らの傍聴により少年が萎縮してしまい、真実が言えなくなる可能性もあるのではないでしょうか。
被害者らの傍聴を可能にしたことに懸念を感じ得ません。
そういうことが当たり前だという人たちの勢いが増しているのがなんとも恐ろしいです。