「家出サイト」出会いの隠れみの 「泊めてくれる優しい神待ち中です!」泊め男探し歩く少女たち

2009-06-24 | 社会
「泊め男」探し歩く少女たち 氾濫、家出サイト
2009年6月24日 中日新聞朝刊
 名古屋市の会社員ら男3人が家出した中学生を互いに引き渡し、わいせつな行為をしたとして愛知県警に逮捕された事件で、少女との出会いにも引き渡しにも、インターネットの「家出サイト」が利用されていた。ネットに詳しい専門家はこうしたサイトがネット上に氾濫(はんらん)、中には出会い系サイトが形を変えたものもある現状を指摘、警察も犯罪に巻き込まれる危険性に警鐘を鳴らす。
 ■メッセージ続々
 「マジで行く所ないよー。ほんと誰か助けてください」「もうお金も行き場もありません。泊めてくれる優しい神待ち中です!」
 家出サイトの掲示板をのぞくと、家出先を求める少女らの写真やメッセージが並ぶ。
 住まいや食事を提供してくれる相手を「泊め男」「神様」と表現。「ゆか」「みき」など自分の通称名や年齢、今いる地域などが書かれる。「2日食べてません」「今日会える人」など切羽詰まったようなメッセージや、「多少の事は覚悟してます」の文言も。サイトの中には、地域別や「癒やし系」など好み別に検索できるものまであった。
 ■出会いの隠れみの
 「実録・闇サイト事件簿」などの著書があるジャーナリスト渋井哲也さんによると、家出掲示板は10年以上前からあったが、「出会い系サイトの規制が強化されたことで、ここ数年、出会い系の業者が家出掲示板を隠れみのにするケースが少なくない」と指摘する。
 友達の家だとすぐにわかってしまうし、外にいると補導される。ネットカフェもお金がかかる。「少女の方も、泊めてもらえるから多少のことは仕方ないという意識がある」
 また、フリーライター今一生(こんいっしょう)さんは「30~40代の独身男性が増える傾向にあり、家出した少女を泊める受け皿になりやすい」と分析。「少女の側も次々と『泊め男』を探して渡り歩く」とも。
 愛知県警少年課では「家出サイトの実態はまだまだ分からないが、少女が利用する場合は住まいの提供などといった代償として性犯罪に遭う恐れがある。異性との交際を求める利用者もおり、相手が見えない以上、命にかかわる危険性も」と強調した。
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 少女引き渡しも「家出サイト」 わいせつ犯罪の温床に
2009年6月23日 夕刊
 名古屋市の会社員ら男3人が家出した女子中学生を互いに引き渡し、わいせつな行為をしたとして愛知県警に逮捕された児童福祉法違反容疑(淫行(いんこう))事件で、3人は生徒との出会いから引き渡しまでインターネットの「家出サイト」を利用していたことが県警への取材で分かった。同サイトは、家出したい少女らが住居や食事を提供する「泊め男」を求める一方で、男がわいせつ目的で少女を探す場にもなっており、県警は経緯を詳しく調べる。
 逮捕されたのは、名古屋市中川区南八熊町、ホームページ制作会社社員角隆弘(34)、奈良県上牧町片岡台、インターネットグラフィックデザイナー奥野修二(30)、同市千種区揚羽町、派遣社員藤枝裕三(29)の各容疑者。
 逮捕容疑では、今年3月から4月にかけて、角、奥野の両容疑者は当時中学1年の名古屋市の女子生徒2人=いずれも(13)=と自宅マンションなどで8日間から3週間にわたって同居し、藤枝容疑者は生徒のうち1人を当時住んでいた派遣会社の宿泊施設(大津市)に4月21日から4日間住まわせ、それぞれわいせつな行為をさせたとされる。
 県警の調べでは、角容疑者は家出サイトを通じ生徒2人と知り合い同居したが、生活費がかかることなどから、ネットカフェで「面倒になった。預かる人いませんか」と同サイトに書き込んだ。閲覧した奥野容疑者が応じると、近鉄名古屋駅構内で2人を引き渡した。さらに藤枝容疑者も同サイト掲示板を見て連絡し、奥野容疑者が生徒のうち1人になりすまして同居に応じた。藤枝容疑者は、滋賀県のJR石山駅でこの生徒と落ち合った。
 県警によると、少女らは昨年11月ごろから「学校も家も嫌」などと、家出サイトの掲示板に書き込んでいた。県警の調べに、角容疑者は「ただで住まわせる代わりに、少女との関係を楽しみたかった」、奥野容疑者は「若い女の子と一緒に生活したかった」と容疑を認め、藤枝容疑者は否認している。

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