孤高の貴乃花親方、不可解行動に秘められた真意  理事剥奪も覚悟、激しさ増す執行部とのせめぎ合い 

2017-11-24 | 相撲・野球・・・など

孤高の貴乃花親方、不可解行動に秘められた真意 理事剥奪も覚悟、激しさ増す執行部とのせめぎ合い
 zakzak 2017.11.23
 横綱・日馬富士(33)による暴行問題は、被害者であるはずの平幕・貴ノ岩(27)、その師匠の元横綱・貴乃花親方(45)の不可解な行動にも注目が集まっている。日本相撲協会の巡業部長である同親方が、暴行を把握した後、協会に報告せず鳥取県警にいきなり被害届を提出したことの是非などを厳しく問われているが、実は今後理事からの降格などの“返り血”を浴びる可能性があることも覚悟の上の行動であるようだ。この暴行問題の裏にある“相撲原理主義”とまでいわれる孤高の同親方の真意を、旧知の夕刊フジ記者が解き明かす。(夕刊フジ編集委員・久保武司)
 黙して語らず。これは現役時代からの貴乃花親方が貫いてきた本気のサインだ。「相撲がからむと、目の前のことだけ。何も見えなくなる」とよくこぼしていた。
 報道陣の問いかけに対して一瞥も返さない姿勢も、いまに始まったことではない。
 常日頃から訴えてきたのが「大相撲改革」だ。大相撲は部屋別対抗の形を取っているにも関わらず、白鵬、日馬富士、鶴竜の3横綱をはじめ一大勢力となっているモンゴル出身力士勢が、部屋に関係なく横のつながりを深めていることを、誰よりも腹に据えかねていたのが貴乃花親方だった。八百長の温床にもなりかねないとして、モンゴル出身の弟子・貴ノ岩にも他の部屋のモンゴル勢と交わりを持たないように言い聞かせてきた。
 一本気な貴乃花親方にとって、相撲は国技であり神事。八百長はもちろん、なれ合い、手抜きは一切許さない。
 そんな中、貴ノ岩が日馬富士から暴行を受けたことが明らかになったのだから、貴乃花親方が激怒しないはずがない。普段以上にかたくなになっているのはそのためだ。
 一方、今回の暴行騒動は巡業中に起きた。巡業部長である貴乃花親方が協会執行部へ報告する義務は確かにある。親方本人も「今回の騒動は私にも責任がある」と近い関係者に認めている。
 いきなり鳥取県警への被害届提出に打って出たのは、これまで何度も水面下でバトルを繰り広げてきた八角理事長(元横綱北勝海)をはじめ現執行部との間に深い溝があり、暴行事件が隠蔽されたりウヤムヤにされることを恐れたからだろう。
 貴乃花親方が来年1月の初場所後に行われる理事・理事長選で理事長の座を狙っているという説が取り沙汰されているが、それが不可能であることは親方自身が一番よく知っているはずだ。
 大相撲協会の意思決定は、10人いる理事の多数決による。現状で貴乃花親方のグループは親方自身と山響親方(元前頭・巌雄)の2人しかいない。理事以外まで広げても、貴乃花親方の盟友は阿武松親方(元関脇益荒雄)ら、ごく少数だ。
 本人もそれは先刻承知のことで「今の相撲界を変えるには、40…いや50年はかかると思っているんです」と話していた。
 改革の一環として、関取になれなかった力士や呼び出し、床山たちのセカンドキャリアにも奔走していた。「そういうところをしっかりしないと、これから相撲界に入りたいと思う若者がいなくなる」と危惧していた。「引退廃業→ちゃんこ店経営」など限られたパターンを打破したいと奔走していた。
 若い力士の育成にも力を入れている。「日本全国の小学校に土俵を作りたい」という思いもある。
 まずは自らがそのきっかけになろうと、夏休みに貴乃花部屋でキッズフェスティバルという相撲教室を開いている。今場所奮闘している貴景勝は、この相撲教室の出身。貴乃花部屋の育成プロジェクトが実を結んで誕生したのだ。
 今回の騒動の根底にあるのは、自分の目の黒いうちに改革を成し遂げたいという、ほとばしる思いだ。これが、八角理事長に対する不信感と結びついて、相撲協会の現体制に対する反抗心となっている。
 改革を進めるにはいかに理想を並べ立てたとしても、1人の力だけではいかんともしがたいものがある。これに苦しんでいるのが現在の貴乃花親方だ。周囲の理解を得て、改革のプロセスを進めることがうまくいかなかったことが、結局今回のような騒動につながっている。
 貴乃花親方は今後も決して信念を曲げることはない。九州場所も大詰めを迎え、場所後も執行部とのせめぎ合いはさらに激しさを増すことは間違いない。

 ◎上記事は[zakzak]からの転載・引用です
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〈来栖の独白〉
 弊ブログ「日馬富士暴行問題に見る貴乃花親方の行動の所以 〈来栖の独白2017.11.20〉」に戴いたコメント、しろさんの仰る通りの上記事。私にも理解できる内容。
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朝青龍vs旭鷲山の続く遺恨 日馬富士暴行騒動のウラにモンゴル人力士の派閥抗争
 zakzak 2017.11.22
 大相撲の横綱日馬富士(33)=伊勢ケ浜部屋=がモンゴル出身の後輩で平幕の貴ノ岩(27)に暴行した問題とその後の角界大混乱の背景には、いまや一大勢力となったモンゴル出身力士の“内紛”がある。パイオニアである元小結・旭鷲山(44)=本名ダワーギーン・バトバヤル=と、元横綱朝青龍(37)=本名ドルゴルスレンギーン・ダグワドルジ=の対立に端を発する複雑な派閥争いの実態を、夕刊フジが解説する。(夕刊フジ編集委員・久保武司)
 「ここにきて貴乃花親方に批判が集まっているけれど、基本的にこの騒ぎの真相はモンゴル人力士間の“内輪もめ”だからね」
 暴行のあった10月25日夜。鳥取市内での酒席の出席者は、地元出身の十両・石浦や地元の相撲関係者もいたが、大半がモンゴル出身力士で、会場にはもっぱらモンゴル語が飛び交っていた。
 そもそも、モンゴル出身力士同士の交流は、同国出身力士第1号のひとりである元旭鷲山が1995年に関取になったのを機に始まった。
 2003年7月の名古屋場所では、現在にまで影を落とす“抗争”が勃発する。5日目に当時横綱の朝青龍が旭鷲山との対戦で相手の髷をつかみ反則負け。さらに8日目の取組後、両者は風呂場で体がぶつかったことをきっかけに口論となり、あわや大乱闘のムードに。このときは当時角界No.1の怪力を誇った魁皇が仲裁に入り、なんとかコトなきをえた。
 11年には、八百長問題で角界が大揺れ。春場所が中止になると、八百長への関与を認めていない力士が引退勧告を受けたことに不満を募らせたモンゴル出身力士らが中心となり、「(次の)夏場所をわれわれの方からボイコットすべきだ」との声が挙がった。これも、力士代表として当時大関の魁皇が反対を唱え事態を収めている。
 元旭鷲山と元朝青龍の遺恨は、両者の現役引退後もモンゴル国内で継続中だ。元朝青龍はモンゴルレスリング協会長などを歴任し、50万ヘクタール(関東全域と同じ面積)の農業事業など多角的な経営で稼いでいる。最近はロシアとのビジネス開拓に熱心だとか。
 元旭鷲山は08年から12年まで、モンゴルの国会議員を1期務めた。国内では“英雄”。平均年収が日本円で40万円程度のモンゴルでは、相撲で名を上げれば、文字通りの“億万長者”になれる。
 元朝青龍が弟分としてかわいがってきたのが日馬富士だ。ここ数年は引退後の身の振り方として兄貴分を手本に、モンゴル国内で学校の建設など、さまざまな事業に手を染めている。
 ちなみに、元朝青龍は現役時代から、貴乃花親方を毛嫌いしている。
 “最強横綱”白鵬はというと、モンゴル出身力士の中にあっても孤高を保ち、かつて土俵上でライバル関係にあった元朝青龍とは微妙な関係。一方、横綱・鶴竜は普段おとなしく、自分を主張するようなところはないという。
 最近になって台頭してきたのが、貴ノ岩、大関まで昇進した関脇・照ノ富士、逸ノ城の3人。いずれも鳥取城北高相撲部OBで、在学中に十両・石浦の父親でもある石浦外喜義(ときよし)校長の薫陶を受けた共通点もあり仲がいい。
 この中で貴ノ岩は、貴乃花親方の方針もあって、普段モンゴル出身力士の集まりからは距離を置いていたが、今回は1次会が恩師の石浦氏が経営するちゃんこ店で行われたために顔を出し、クラブラウンジに場所を移して行われた2次会で暴行にあった。
 一連の騒動で、元旭鷲山は日本のテレビ番組などで、暴行の現場にいた力士から聞いた話として「だいぶ飲んだらしい。貴ノ岩関に電話がきて、電話かかってきたから見たら怒られて。『お前、なんで横綱がしゃべっているのに、バカヤロー』となって、突然ビール瓶持ってたたいたりして、みんな『やめろー』となった」などと証言。結果的に貴ノ岩を擁護する格好になっている。
 一方、元朝青龍は自身のツイッターで「本当の事聞きたくないか? お前ら」「ビールびんありえない話し!」と弟分の日馬富士を擁護。
 20日には、渡航先からモンゴルのウランバートル空港に帰国。待ち構えていた日本の報道陣を見つけ、日本語で「寒いから、あとで話そう。電話するよ」と声をかけて迎えの車に乗り込んだ。今後は、日馬富士側に立って積極的に発言していく可能性が高そうだ。a
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「キーマン」照ノ富士が連日聴取 日馬、貴ノ岩双方と親しい関係、中立的立場での証言期待
 zakzak 2017.11.24
 横綱日馬富士による平幕貴ノ岩への暴行をめぐり、双方の言い分が大きく食い違うなか、鳥取県警や日本相撲協会が「キーマン」とみなしているのが現場に同席した関脇照ノ富士(25)だ。県警が21日に福岡市内で参考人として任意で事情聴取したが、引き続き協会も事情を聴く方針。
 鳥取市内のラウンジで、日馬富士は平手や拳のほか、カラオケのタブレット型リモコンで貴ノ岩を殴打したとみられるが、暴行のきっかけや凶器、けがの状況などで情報が入り乱れている。
 現場に同席していた照ノ富士は、モンゴル出身で伊勢ケ浜部屋所属で、日馬富士は兄弟子にあたる。一方、鳥取城北高校相撲部では貴ノ岩の2年後輩で、双方と親しい関係で、中立的な立場での証言が得られると期待されている。
 協会の危機管理委員会は一両日中にも、横綱鶴竜(32)とともに照ノ富士を聴取する見通しだが、鳥取県警が引き続き任意で参考人聴取する可能性も残る。
 暴力問題の再発防止が急務の協会は、九州場所終了後の28日に福岡市内で十両以上の全力士を対象とした八角理事長(元横綱北勝海)による講話を開催する。日馬富士や暴行を受けた貴ノ岩は欠席する見通しだ。
 
 ◎上記事は[zakzak]からの転載・引用です
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